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俺だってできる(4)

真っ暗……………

なんにも見えない…………だれだ?

ん?何か言ってんのか?てか、誰だよ。

俺の名前呼んでんのか??いや、だから誰だよ。

うるせぇ!何度も呼ぶんじゃねえ!聞こえてんだよ!!

だから…………だから!!てめぇは…誰だよ!!!




リシャは勢いよく布団から飛び出した。

「なんだ。夢かよ。気持ち悪ぃ夢だな」

リシャが起きるのが早かったのか、日はまだ出ていないようだった。

(みんなあぁ言ってたし今日は魔法使えるんじゃね?)

さっき見ていた夢などとうに忘れ、そんなことを考えていると眠れなくなってしまった。

「1人で散歩行こ」

今日は護衛がマミュウラ様ではなかったため音さえ出さなければバレない。


リシャはだだっ広い庭についた。

「そう言えば…ここには来たこと無かったな」

リシャがぼーっと歩いていると、かなり奥まで来てしまったようだった。

光も届かぬような真っ暗な一角に青紫色のきらきらひかる花を見つけた。

「これ………あの押し花に似てる………」

差出人不明のプレゼントに添えられた押し花と同じ花だった。

リシャがそっとその花に触れると誰かの声が頭に響いた。

『…めて……さい!……様!………!やめてください!』

はっきり聞こえないが女性の悲鳴のようだった。

リシャは驚きのあまり尻もちをつき足がすくみその場から動けなくなってしまった。


「あーあ、触っちゃったか…」

男の声が聞こえたが振り返る前に意識が薄くなる……

「だ……れ………だ……………」

意識が黒く染まっていく中、リシャは必死に声を振り絞った。


「目が覚めた?リシャちゃん?」

男がリシャに向かって声をかける。

「誰だよ。何をしたんだよ。なんにも見えねぇ。」

リシャは決して目を瞑っている訳では無い。痛くはないから目が潰されているということは考えられない。考えたくない。ただ、見えないのだ。

「そういう口調も可愛いよ。」

気持ち悪い。リシャは身動ぎをした。

どうやら縛られているのは手首だけのようだった。

だが、目が見えなければ逃げようがない。

「どうしたの?急に黙って…」

男はそっとリシャの頬に触れる。

優しく触れられてはいるが今はただひたすらに気持ち悪い。

「やめろ。気持ち悪ぃ」

リシャがそう言った途端、何故か背筋が凍えた。空気が冷たい。

「目が見えないのは今だけ。あとで見えたら君もきっと…」

それ以降、またリシャの意識が遠のいた……

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