俺だってできる(2)
「聖女ちゃんが魔法を使えない理由………分かった?」
レイオス様がリシャに笑いかけた。
「いえ……私にはさっぱり。」
リシャが遠慮がちに答えると
「昨日、ハルスくんもルシエラくんも俺が聖女ちゃんと一緒だって気づいてたでしょ?」
自信ありげにレイオス様がリシャに尋ねた。
「はい……何故かお二人とも一緒だったことに気づいていて……」
「俺達が一緒にいるところを見てないのになんでわかったと思う?」
(そう言えば…………なんでだ??)
リシャが考え込んでいると
「ん〜わかんないか!まぁ、簡単に言うと魔力だね!」
「え…そんなのどうやって……」
「そう、やっぱりね。聖女ちゃんは魔力が感知できてないんだね。」
(え………どういうこと?)
「感知が……出来るものなんでしょうか?」
「うん。魔法の感知は生まれたばかりの赤子にだってできるよ」
「そんな……」
リシャが落胆する
「だいじょーぶ!俺が教えていくから」
「どーやってですか?」
「う〜んそうだなぁ〜」
レイオス様はリシャをニヤニヤ見つめた。
(えっ、何何?ちょっと怖い……)
「だいじょーぶ!変なことしないから!ほら、手出して?」
リシャはおずおず両手を差し出すとレイオス様が両手でそっとリシャの手を握る。
「ちょっと魔力借りるね〜」
そう言うと同時に何か体を巡るような気配を感じる。
瞬間リシャとレイオス様の手から光が溢れる。
「って感じで、魔法を出すの。」
わかった?という様にレイオス様がリシャに笑いかける。
「ん〜………体がほわっとしてぶわぁ………って感じで……」
「あ、聖女ちゃんは感覚派かぁ…じゃあこれからこれしばらく続けよっか?」
「は……はい……」
10回程度繰り返した後、魔力を雰囲気で感じれるようになったが魔法は出せずそのまま魔法教育は終わった。
部屋に戻るとマミュウラ様がとても不安そうな顔をしていた。
「私を連れて行ってはくれないのですか?」
捨てられた子犬のような顔をする。
(おぃぃぃ俺がイジメてるみてぇじゃねぇか!!!)
「えっと……ごめんなさい」
リシャが気まずくなり目を落とすとマミュウラ様は慌てた様子で
「困らせてしまってごめんなさい。せめて送り迎えでもさせてもらえないでしょうか?」
(それくらいならいいのか……?)
「そ……それくらいなら」
「!!!ありがとうございます!」
まるで忠犬のように喜ぶマミュウラ様にリシャも自然と笑みがこぼれた。
しばらく忙しくて前ほど更新しづらくなってきてます!
気長に待ってくれると嬉しいです。