聖女ですが中身は男です(1)
人生で1度は誰しも「この願いが叶うならこの先の人生どうなってもいい!」なんて願いがあるよね?ね??
もちろん。俺にもあるぞ。
そして、願ったのは中学2年生、俺が6年間片思いしていた幼なじみの女子と2歳上のイケメンの兄貴が実は付き合ってたとカミングアウトされた日の夜、家の裏にあった祠でだ。
内容は大方タイトルを見てわかるだろうが、そうだ。
「「「イケメンに生まれてモテモテの人生を歩みてぇ!!!!」」」
まぁ、俺はこんなしょうもない願いのために最悪の人生を送る訳だが……。
おっと、前置きが長すぎたかな?
今の俺は…………、ってうん。そうだな。溜めなくてもタイトルで分かるよな。
異世界で聖女に転生しました。
ん?イケメンじゃなかったのかって??
だよなー。俺もそう思ったよ??
でも見てよ。俺、女だけどすっげーイケメンなの。マジで。
白髪で色白で彫りは深くて鼻は高い。目はぱっちりしてて少しキリッとしてる。
んー……わかりやすく言えば、ロシア人みたいな感じかな?
あ、わかってくれた?オッケー。
え?それでなんで聖女なんだって?もー!聞きたがりだなぁー!
わかったわかった。説明するよ。
俺の今の名前はリシャ・スティードル。
スティードル家のたった1人の愛娘。まぁ、簡単に言うと貴族だな。
おいおい、焦んなって。貴族だからって聖女になれるわけじゃねぇぞ?
この世界には聖女式ってのがあって、15歳を迎えた少女が神殿に集まって1人1人水晶玉に触れるんだ。
普通は何も起こらないんだが、聖女の場合は水晶玉がひかり、1枚羽の下級天使が舞い降りるんだ。
だが、俺の場合は水晶玉がひかり弾け、蒼空から4枚羽の中級天使が舞い降りた。
もう分かったな?聖女の中でも例外中の例外。いわば、最強の聖女だ。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
「あーあーなんでこんなことになっちゃったかなー神様ぁ」
なんてリシャが呟いていると、
「呼んだ?」
目をキラキラ輝かせた美女が現れた。
「呼んではないけどな」
とリシャが言うと美女は頬を膨らませる。
そう。この美女こそが神様だ。ほら、右上に神様って表示もあるだろ?
「俺はイケメンになってモテモテライフを送りたかっただけなのに……」
とため息混じりにボヤくと、
「いいじゃなーい。ちょうどこの国の神官が聖女が現れなくて魔物が増える一方で困ってるーなんて言うんだもの!それにあれだけ盛大な聖女式をしたんですもの!モテモテでしょ?」
神様はやってやったという満足気な顔でリシャを見つめた。
確かに、モテモテではある。が、そうじゃない。
リシャは溜息をつき王宮の窓から外を眺めた。
「今日からここが俺の家かぁ……」
前代未聞の聖女ということもあり、下手なところに住まわせる訳にはいかないとのことでリシャは王宮で過ごすことが決まった。
皇帝にお付きの侍女を100人用意すると言われたが、元々居た専属の侍女5人で十分だと断った。
この国では聖女を崇め奉っており、その身分は皇帝よりも高い。
そのため、皇帝は渋っていたものの承諾してくれた。
リシャは明日から魔法学園に入学する。
この国では15歳を迎えた子は魔法を使用できるようになる。
国によっては12歳からだったり色々だ。
リシャは魔法の授業を何よりも楽しみにしていた。
なんせ前世ではフィクションの世界の話だ。
「一体どんなことを習うんだろ?」
リシャはウキウキしながら就寝した。
誤字が2箇所もあったようで…すみません(o_ _)o))
教えてくださった方!ありがとうございます!!!
変なところあったら気にせずバンバン教えてください!