一日の終わり
……ぼ、……く……。
……く、ん。
「ぼくくん!」
「……おじ、ちゃん?」
気が付くと、ぼくはおじちゃんに呼びかけられていた。
その後ろにはおばちゃんの目の端をハンカチで拭う悲しそうな姿も見受けられた。
どうやらぼくは畳の居間で眠ってしまっていたようだった。
「本当によかった……」
「あれ、ぼく、確か……」
確かぼくはお風呂に入ろうとして、あまりの熱さに大声を出しちゃって……。
……あれ、それからぼく、どうしたんだろう。
「ぼくくんは、お風呂の中で気を失っていたんだ」
「……え?」
「大声が聞こえたから、私が急いでお風呂場を覗いたんだよ。そしたらぼくくん、いきなり倒れてるんだもの……」
おじちゃんの言葉に、おばちゃんが口添えをした。
「そうか……」
ぼくはじんじんする身体に扇風機の風を受けながら、頭のたんこぶをすりすりと撫でた。
もしかしたら、転んだ拍子に、どこかを打ち付けてしまったのかもしれない。
「おじちゃん、おばちゃん、何度も心配かけて、ごめんなさい」
「ううん、ぼくくんは何も悪くないわ。悪いのは、おばちゃんなんだから」
「そうだね。でも、誰が悪いかよりも、今はぼくくんが無事だったことを喜ぶべきだよ」
それから、ぼくは夕ご飯を食べると、逃げるように自分の部屋に入って、布団に潜るのだった。
「おじちゃんとおばちゃん、本当はぼくのこと、どう思ってるのかな」
二人はぼくを責めなかったが、何度も迷惑をかけたぼくのことを、邪魔ものだと思ってるかもしれない。
夕ご飯時も、なんだかギクシャクしていて、ぼくが邪魔ものみたいだった。
絵日記は、おじちゃんとおばちゃんにごめんなさいを書いた。
ぼくは枕に顔をうずめて、眠るのだった。
………。
……。
…。