第2話
放課後――
「藍ちゃん、私図書の当番だから先に帰ってて。」
「うん。分かった。・・・優子大丈夫?」
さっきより、優子の顔色が悪いと藍は感じた。
「大丈夫だから、心配しないで。」
「・・・そう。でも、なるべく早く帰りなよ。」
そう言って、藍は教室を出て行った。
優子は1人で図書室に向かった。かなり気分が悪い。頭痛と吐き気がずっと続いていた。
今日の図書当番は、優子と木村だった。でも、優子以外は誰も図書室にはいなかった。
昼休みの図書室利用者結構いるのだが、放課後は皆帰ったり、部活だったりで、ほとんどいない。だから、はっきり言って暇なのである。
仕方なく、優子は本の整理をすることにした。それから10分くらいたっただろうか。
ガラッとドアが開く音がした。そこには――――――
「ごめん。石川さん。」
という木村君の姿があった。
「ううん。気にしないで。それに、誰も来ないしね。」
「ほっんとにごめん。すっかり、忘れてて・・・麗一にさっき言われて急いできたんだけど。」
「いいよ。もう謝らなくて。」
そこまで謝らなくても・・・と優子は思った。
「本の整理してるのか?」
「うん。そうだよ。」
「俺も手伝うよ。」
「ありが――っ。」
突然、優子はその場にバッタリと倒れた。
「石川さん!?」
木村君の声が聞こえる――必死に呼びかけてくれてる・・・。
バタバタと廊下を走って行く音が聞こえた。どうやら先生を呼びに行ってくれたみたいだ。・・・迷惑かけちゃったな。やっぱり、家で休んでた方が良かったのかな・・・。
そこで、優子の思考は途切れてしまった。