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永遠の片想い  作者: 阿休
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fast stage

私は臆病だ。

それでもいい。それでも、彼女が幸せなら、それでいい。

それだけで、私は救われる。

どうか幸せに…




私と彼女は良き友人だ、と思う。

小・中・高と同じ学校に通っていた。

親しくなったのは高校の頃からだった。彼女も私も中学では不登校気味で、学校では一度くらいしか会ったことはなかったが、高校に入ると自然と親しくなった。いや、もしかすると私がそうさせたのかもしれない。私にとっても彼女にとっても、知り合いといえば互いを除いて他にいなかった。それ故に私は彼女を必要とした。

人というものは、誰かの役に立っていると実感することで生きていける部分がある。少なくとも私はそうだ。彼女が一人になることで誰かからいじめられるかもしれない。私は元々苦手であった愛想を振りまき、出来る限り周囲の人々との距離を縮めた。それもこれも彼女のためだと、そう思っていた。そう思うことで彼女にとって私の存在がいかに大切であるかを自分自身が感じることができれば、それで満足だった。


けれど彼女は、

彼女にとって必要なものは私だけではなかった。

彼女は自ら2人の友人を作った。


私は、

必要なかったんだ。

そう思うと私は彼女と距離を置くようになった。


必要としたのは彼女ではなく私だった。

私が彼女を必要としていたのだ。

彼女は素直で優しくて、天然で鈍感なのだ。その愛嬌で、たとえ人見知りであっても自然と周りの人から好かれていた。それを私は知っていた。いつか、私は彼女の目に映らなくなるのではないか、私など必要ないと気づき、捨てられるのではないかと、そう思うと、自分から身を引くほうが傷は浅くて済むということは明白だった。だからこそ私は自ら彼女と距離を置いた。


だがそれは、そう簡単に行くものではなかった。

思っていたよりも彼女は私の中を浸食して、離してはくれなかった。話しかけないだけで寂しい。声が聴けないことが悲しい。彼女が私じゃない他の人と楽しそうに話していることが辛い。彼女のことを忘れようとする度苦しい。

どうしてこんなにも苦しまなければならないのか。

私は友人として、傷ついていく他ないのだろうか。

何もできない私のまま。

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