TASの如く
カッとなってやった。後悔はしていない
TAS、という物がある。ツール アシスト スピードクリア、またはスーパープレイの略である。
どれだけ正確で、高速に課題をクリアできるか、それを突き詰めていけばTASのような動きになることはまず間違いはない。
異世界転移した時にもそれは変わらない。さあ、TASさんと呼ばれた男の冒険の始まりである。
目の前に美女がいる。だがそんな事はどうでもいい。俺は会社に向かわなければならないのだ。
「貴方は神に選ばれた「そんな事はどうでもいい。クリア条件を言え」ハイ?」
美女が何を言っていようが関係ない。俺は一分一秒の時間すら惜しいのだ。
「速く言え」
「えーっと…闇の魔王を「闇の魔王か。弱点は何だ?行動パターンは?現在の戦力はどれくらいだ?俺の体のスペックだと勝率はどの程度だ」……」
まくし立てるように質問をする。ええい、早くしろ。
「弱点はありません。現在の戦力はあなただけで、あなたの場合は勝率は0に近いでしょう」
「ハッ勝てない奴を呼び出すとは相当にイカれた頭を持ってるんだな。チートかなんかはあるか?」
「えぇ……まぁ付与出来ない事はないですが」
「闇の魔王を殺す能力をくれ。出来れば一瞬で殺せるような」
「一応できなくはないですが……」
「やれ」
命令する。行動がチンタラしすぎて頭に来るぜ。
「完了しました」
「よし、それじゃあ魔王の真後ろに転移させろ」
「え?」
「早くしろ!この薄ノロが!」
イライラタイムが長すぎてちょっと短気になっているみたいだ。
次の瞬間、意識が切り替わり、魔王の真後ろ、直に触れている状態で出現する。
「死ね」
魔王は死んだ。闇の魔王に対してのダメージが跳ね上がるようなチートだったようだ。まぁいい。
次の瞬間、さらに意識が切り替わり美女が目の前にいた。
「終わったぞ。俺を元の場所に返せ」
「アッハイ」
目覚めるとそこはいつものベッドだった。
「畜生嫌な夢を見たぜ」
そういうと朝食をコンビニで食い、会社に向かったのだった。
短編すぎますね。でもTASさんだし仕方ないよね!