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VR戦国時代  作者: NHRM
8/27

狩りと野盗と時々殿様

戦も終わり、だらだらスローライフ。

そんな日々を過ごしていた僕らは、武器を片手に集まっていた。


「山狩りじゃぁー!」

「おぉぉぉぉぉ!」


そう、今日は何名かが待ちに待った山狩りである。

クロスボウと火縄銃を持って害獣を狩り尽くすのである。

一応、一定の成果を得ることが出来たテキサスゲートによって鹿を捕まえる事ができた。

こう、朝起きたら足が柵の間に挟まって地面にペタンってなってたんだよ。

おいしく頂きました、肉を食べるなんてとんでもないって村人は吃驚してたけど無理矢理食べさせた。

肉を食べないと栄養状態が悪いからね、臭みは凄かったけど美味しくはあったよ。


「諸君、第一目標は熊である。次に猪、最後は猿だ!上手い肉が食いたいかー!」

「おぉぉぉぉぉぉ!」

「あのぉ、目的違いますよね?害獣対策ですよね」

「まぁ、慈円がノリノリなのだ。任せよう。ちなみに猿も食えるらしい」

「うぇ!?嫌ですよ、猿なんか食べたくないです」


目的が食にシフトしてる気もしないでもないが、僕達は山に向かった。

戦闘を鉈を持った弁慶、その後ろに慈円と村人達が続く感じだ。

僕は弁慶の方に乗ってます、山歩き辛いからです。

鉈を振るって道を作る弁慶、整備されてない山は険しく登り難い。


「見つけた、これだ」


村人の猟経験者によって獣道、足跡、糞、爪研ぎの後などの情報が齎される。

これにより動物を見つけやすくなるようである。


「いませんね」

「まぁ、そう簡単に出会えたら面白くないだろ」


そう言って、弁慶はどんどん進んでいく。

そして、ようやく最初の獣に遭遇した。


「あっ!」

「おい、逃げられるぞ!」


誰かが声を出した。

そして、僕達はその原因に気付く。

鹿だ、それも群れ。

僕達から遠く離れたところに、此方を見る鹿の群れがいた。

しかし、声を出した者のせいで逃げ出していく。

でも、可愛かったな。アレを狩るのは可愛そうだ。


「スナイパー!」

「おぉぉぉぉ!」


と、思った直後に鹿は頭から血を流して倒れた。

スナイパーとか叫びながら慈円が撃ったからだ。

うっぷ、吐きそう。絶対、脳みそ吹き飛んでたよ。


倒された死体は弁慶が背負うことになっていたので、ここからは僕は徒歩となる。

そして、次にあったのは猪だった。


「ブモォォォ!」

「やれ!」


正面から走ってくる猪、そのスピードは思ったよりも速い。

しかし、前方に向けて一斉にクロスボウが斉射されたものだから、栗みたいに矢だらけになって転倒した。

これで、牡丹鍋というのになるんだってやったね。


最後に出会ったのは熊。

この日は猿には出会わなかった。まぁ夕飯に猿とか嫌だから寧ろ良かったけどね。

立ち上がった熊が出た瞬間、慈円が銃を構えたけどそれを弁慶が片手を前に出して止めた。

そして、弁慶は荷物を下ろすと軽く準備体操をして獰猛な笑みを浮かべた。


「熊、始めて見る。よし、我輩がやる」

「フン、好きしな」


許可を出す慈円、姐さんカッコいいです。

でも、そんな場合ではなかった。

なんと、弁慶の奴は熊に突撃して行ったのだ。


「グォォォォォ!」

「ガハハハハ!」


ドロップキックを炸裂させる弁慶、熊は衝撃で後ろに倒れる。

そして、すぐに距離を取ったら今度はステップを踏んで熊相手にボクシング。

熊も負けじと爪を振るうが紙一重で上体を逸らして、顔に向かってパンチする。

脳震盪でも起こしたのかフラフラになる熊に、今度は背負い投げ。

そして、脳天へと体重を乗せて肘撃ち、口から白い泡をだして熊が倒れた。


「フハハハハ、我輩最強!」

「うわぁ、うわぁ……」

「フッ、あれぐらい私にだって出来るわ」

「いやいや、張り合わないでくださいよ。人は熊を倒せません、弁慶は人じゃないです弁慶って言う別の動物です」


しかし、プロボクサーが免許制の理由が何だか分かった気がした。




村に帰ったら、私の生産能力で解体であった。

というのも、生産した方が臭みとか抜けて普通に美味しいからである。

調味料がないので、山菜、葱、茸、その他野菜、と鍋にする。

内臓や肉を使ってモツ鍋とかにして、みんなで食べた。

結構な大きさだったので、全員が食べることが出来たのでお祭りのようであった。

それにしても、この毛皮どうするんですか?えっ、着るの?

頭から毛皮を被った弁慶は普通に熊だった、怖いよ。


山狩りをしたり、畑仕事をしたり、弁慶に武術を習ったり、クロスボウの練習したり、そんなサイクルで生活していたある日、人が村に来た。

貧相な人達で武器を持っている。

村人が言うには野盗という存在らしいのだが、普通に弁慶と慈円が退治した。

一瞬で首の骨をグギッて回して追ったり、ナイフで首をスパッてやったり、二人ってあんなに強かったんだなと思う今日この頃。気付いたら、人の死体に吐かなくなったり嫌な成長を実感する。


「どうして略奪なんかしてるんでしょうか」

「ふむ、ここ以外は豊かではないのだろう」

「あぁ、そうですね」


言われて見れば、僕の鑑定で畑を見て生産で作った肥料で最適な状態の土作りや使えないような育ちの悪い作物を材料に同じ作物をいい状態にして生産したり、病気になった作物を省いたり、農具を改良したり、作物から豆腐やパン、餅など別の物に加工したりなど。

普通は出来ないのである。


「この村が普通だと思ってましたけど、外の世界は過酷なんですね」

「そうだな、AIの管理もなく人力で天候に左右される。大変な時代だ」

「でも、やっぱり略奪はダメですよ。少ないリソースを奪うより、増やすほうがいいです」

「うむ、いい教えだ。新しく経典に書いておこう」

「ちょ、なんでシリアスな場面でそういうこと言いますかね!っていうか、経典!?」


だから、僕の宗教を作るのはやめてくださいよ。

フハハハと笑う弁慶に頭を抑えられながら、抵抗むなしく諦めるのだった。

今日も、僕達の村は平和です。


それから、大したイベントもなく畑で芽が出たとか実りがいいとかそういう小さな出来事しかなく、普通に過ごしていた僕ら。

そんな僕らの元にイベントが発生した。

なんと、清洲で一番ビッグな人物、織田信長さんがやってきたのだ。

もう、みんな慌てて平伏したよ。弁慶と慈円だけは立ったままだったけどね。


「おい見ろよアイツ、ブーツだ」

「荒縄に短い着物、我輩の鎖と被っておるな」

「わー何やってるんですか、頭下げて斬られますよ!」


なんてたって、かぶき者。

あの周りの人達と一緒に狼藉、無銭飲食などやっていると村人から聞いた。

逆らうものは刀傷沙汰、ヤバイ人達なのである。

そんなヤバイ人達が、あろうことか立ったままの二人に近づいていく。


「その方が南蛮の者か。見下されるとは実にデカイ」

「そういう貴公は随分とロックだな?」

「貴様、頭が高いぞ!」


信長さんのお供が刀を抜く、ヤバイよ斬られてしまうよ!

と思ったら既に刀が振られた、斬りますとか言えよ!


「おっと、危ないではないか」


す、スゲー!弁慶の奴、刀を摘んでる!

まさかの結果、意外、それは弁慶の指先白刃取りである。

ちなみに、刀を抑えられた共の人は慈円によって首元にナイフを突き付けられてた。


「テメェ、やんのか!舐めてんじゃねぇぞ、殺すぞ!」

「やめよ!すまぬ、部下が失礼した」

「慈円、我輩の獲物だぞ。手を出すな」


まさに一触即発、でも慈円の小物臭がハンパないよ。

しかし、どうしてこんなところに来たのか。

まったく不思議なものである。

そんな織田信長が口を開いた。


「所で、ロックとはどういう意味だ?」

「最高に傾いてるって事だ」

「うむ、であるか」

「うむ、であるよ」

「「フハハハハハ!」」


何だか変な雰囲気になっている中、弁慶と織田信長の二人だけが笑っていた。


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