色々な物を生産しまくる
僕の神様説が有力化する今日この頃、気絶から目覚めた和尚が化け物と言って村人達に説教される姿を遠い目で僕は見ていました。
みんなが暴力を振るうから和尚は死に掛けてしまし、慌てて治療する嵌めになった。
その後の和尚の掌返し、やめてください感謝しないでマッチポンプなんだから!
そんな中、なんかノリで弁慶が戒律とかマジで宗教を考えて始めてきやがりました。
でも、弁慶も考えての行動らしい。
「よいか亜利栖、その力はいつか人に利用される。ならば、法螺だと思われている間に組織を作る。そう、宗教である。これは貴公の生命を守るためでもあるのだぞ」
「べ、弁慶が頭よくなってる……」
「でも、そっちの方がおもしろいってのもあるよな」
「うむ、しかりしかり!」
って、やっぱり楽しむ為でした。
色々な事が一段落すると、今度は馬の改造と銃作りが始まった。
馬はダメ元でやってみたら、簡単に出来た。
凄いな僕と思ったのだが、馬はすぐ転ぶようになってしまった。
恐らく、急に体がでかくなったものだから感覚が狂っているのだろう。
というか、完全に別の種類だし……
「そうそう、馬ってのはこれだよな!」
「サラブレッドって奴ですかね、かわいそうに改造されて」
「おい、知らないのか。改造ってのはヒーローの第一条件なんだぜ」
どんなヒーローですか、人権無視とかありえない。
いや、馬には人権ないのか。可愛そうに、主人が慈円とか強く生きろ。
続いて、銃である。
僕は良く分からないのだか、AKって言うのを作って欲しいらしい。
普通の銃がいいのではと思ったのだが、全部鉄だと材料が足りないからだそうだ。
「そもそも銃ってレーザー出るんじゃないんですか?」
「古い時代は火縄から石、火薬ってなったんだよ。火縄も火薬使ってるか?えっと、なんか弾がだな」
「わからないんですけど」
慈円が地面に絵を書いて、でもって連射する様子をババババと口にしながら説明してくれた。
えっ、AKって連射銃なんですか?どうやって連射するの?
「さっぱりだわ、銃は使った事あっても仕組みなんかしらないし」
「単発なら出来るかもですけど、その弾がわかりません」
「なんだっけな、おい弁慶!こっちこいよ」
急遽呼ばれる弁慶、そして弾の正体が判明する。
それは薬莢と呼ばれる物らしく、雨の日でも使える物らしい。
なんでも、筒の中に鉛玉と火薬を詰めるんだとか。それをハンマーで叩くと爆発して弾が飛ぶ。
薬莢はバネで押し出されて捨てられるんだって。
「それな、スライドするんだよ。こう、カチッと」
「叩いただけでどうして爆発するんですか?」
「えっ、何でだろう?」
「それは雷管だな」
「どういう仕組みですか?」
「分からぬ」
結局は分からないとの事で銃はお蔵入りとなった。
まぁ、この時代には火縄銃があるからね。それをいい感じに改造したらいいんじゃないかな。
火縄銃を鑑定して、さらに鑑定の重ね掛けをすることで構造が分かった。
そして、ソレを元に火縄銃を改造、増産することにした。
「取り合えず、ちっこいのと長いのだな」
「暴発とかしませんかね?」
「片手で撃てる、ハンドガンみたいなのは……無理だな。仕方ない、近い奴は刺して殺そう」
「あっ、それなら僕知ってます銃剣ですね!」
慈円の要望を入れて、二つの銃を製作する事にした。
一つは銃の先端に刃を付けて、近づいたら突き刺すことが出来る物だ。
これで、ナイフが切れても戦える。
もう一つは、銃身の長い銃である。
これにガラスを使ってレンズを作りスナイパーライフルとするらしい。
ガラスはこの時代、高価な物でビードロっていうんだって。
まぁ、灰と砂で生産できたので問題ない。
慈円の要望で銃身の中には螺旋を刻んである。
こうすることで安定して長距離まで飛ぶそうだ。
レンズが作れるならと次いでに双眼鏡を作った。
これで、すぐに敵が見つかる。我ながら凄い物を発明してしまった、未来知識のお陰だけどね。
ついでにみんなの装備も整える事にした。
「何、銃より簡単な武器?う~んサブか?ナイフかランチャーか、あぁクロスボウとかどうだ」
「クロスボウ?」
「こう、金属の紐を引っ張ってレールに乗せた矢をバンと撃つんだ」
「う~ん、あぁ、アレかも知れない」
試しにイメージした物を作って見ると慈円はこれだ!と大喜びした。
村人達に見せたりしたら、弓に取ってが付いただけじゃんといった反応をされたのだが、その飛距離や命中精度が弓よりも素晴らしく好評であった。
ただ、連射ができないと言う欠点もある。だって、装填に足を使わないと弦が引けないんだもん。
そして、その日は生産で一日が終わるのだった。
次の日、私は項垂れていた。
「あぁ、材料が足りないですぅ……」
「金ならあるぞ」
「これ、村の人が言ってました。鐚銭って言って、磨り減ってるのは使えないんですって」
「なんだと、あの野郎!全部、使えない奴じゃねぇか!」
生産したい、なのに金はあっても使えないと項垂れる。
一応、鐚銭を分解して再構成することで、ちゃんとしたお金に生産できるけどお金なんて物々交換が主流だから村の外じゃないと使えない。
やれる事と言ったら、みんなの武器の整備や鎧の整備、道具の整備などで新しい物を作れない。
暇すぎるのである、生産できないクラフターはただの人ですよ。
慈円は何かナイフ片手に出かけたのだが、どうせ友達の家に遊びにいったのだろう。
それにしても暇である。
「おぉ、ここにおったか亜利栖」
「あら、弁慶さんどうしたんです?」
「うむ、実は相談があってな」
項垂れる私の元に弁慶がやってきて相談を口にした。
なんでも、畑を荒らす害獣をどうにか出来ないかと言う物だ。
猿、鹿、猪、熊、だいたいこんなのがやってくるらしい。
山が近いのが原因だとか、そうなのか。
「どうだ、出来そうか?」
「野生動物対策ならゲームでやりました。テキサスゲートっていう地面に付ける柵みたいな物で鹿はどうにか出来ますね。猿や猪は電気を使った方法があるんですけど、難しいので定期的に狩りですかね?いっその事家畜にするって手もあります。熊は音ですね、といっても一度人間を食べると味を覚えて定期的にやってくるシステムが、いやゲームの話し何ですけど現実でも一回でも人を襲ってるなら対策しようがないです。一番いいのは狼ですね、あれの尿を撒くだけで寄って来なくなります。ウルフピーっていうんですけど、テリトリーだって誤認させるんです」
「うむ、ではテキサスゲートなる物を作ってくれ。猿と猪と熊は慈円を使って狩らせよう。あと犬だが、山で調達してくる」
いや、狼なんですけどと思ったが弁慶は何を言っても犬だろと返してきそうなのでやめておいた。
しかし、猪は家畜として欲しいところである。他にも労働力として牛とか、ゲームじゃ買えたのにこっちじゃ手に入らないからな。
まぁ、言われたとおりテキサスゲートを作りますか。
その日は、テキサスゲートを作るだけで一日が潰れたのだった。