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VR戦国時代  作者: NHRM
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技術革新と急発展

自分達の城を小牧山に築き上げてあれから四年の月日が経った。

そんなに経っているのに僕達の姿形はおかしいくらい変っていない。


変わった事と言えば大量伐採のせいで植林活動も虚しく周囲の山は寂しくなってしまっていた。

それでも城周辺は活気に溢れているけどね。

そう僕による、僕のための、僕の城下町を作ったからだ。

石造りの町並みが規則正しく並び立ち、周囲をたくさんの城壁が囲んでいる。


なぜかウンコを回収して肥料にしたりするので、寄生虫の話をして禁止するために水洗トイレを公共施設として作ったり、鑑定で温泉を見つけたので銭湯を作ったり、鉱山を見つけたので一年で根こそぎ資源を回収したりなどもした。


さらに、レシピを開拓しまくって日用品を発展させたり、軍備を充実させてカタパルトや大砲とかも城に建設。

開拓したレシピから出来たものを鑑定し、そこから得た知識を教えることで、僕がいなくても製造や維持が出来るように学校も作った。


そんな僕達の町に危機が訪れていた。


「という訳で、小牧山城を我の城とする」

「そんなー!せっかく作ったのに、そんなのってあんまりだぁ~!」

「我が言うのもなんだが、そんな口を聞くのは亜利栖ぐらいのもんだぞ。普通黙って従うだろ」


そう、それは上司の領地より良いもん持ってるから交換なというパワハラだったのである。

これが旧文明の、仕事というシステムにおける圧政である。

自分の立場を利用して、自分の有利に事を進める、パワハラですね。


「みんながおかしいんだ。嫌な物は嫌です」

「そうなると、打ち首なんだが」

「えー、選択肢ないじゃないですかヤダー」


殿の冗談がブラック過ぎて笑えない件。

なので、僕は切り口を変えて見る事にした。


「いいですか殿。この街の維持管理から治安維持まで僕達がやってるんです。いなくなったら京都みたいに財政破綻しますよ」

「ざ、財政破綻か?難しい言葉を知ってるんだな」

「つまりは公家みたいに貧乏ってことなのですよ。それに、移った場所はここ以上になること間違いないので引越しすることになります。もうループ入ります、引越ししまくりです」

「良く分からんが、領地変えが頻繁にあるのも考え物かもしれんな」

「なので、お金で解決しましょう。たくさん上げるので、現状維持でお願いします」


僕の誠意が伝わったのか、殿はじゃあ八公二民でとの言葉を残して去っていた。

財政担当の人が泣き出したので、すごい寛大な措置をしてくれたのだろう。

まぁ、ウチにはお金がたくさんあるから問題ない。


というのも、凄まじい発展により僕達は移動手段を新たに獲得したことで手広く商売が出来るようになったからです。

船のレシピを開拓しまくったことで、蒸気機関が作り出せることになったのが一番大きかった。

色々なことで応用が利き、船から汽車、工場まで蒸気機関によって発展しまくったのです。

ウチの国に持ち帰りたいから技術を売ってくれ、なんて南蛮の方からも商談が来るくらいだからお金には困ってません。


「なんてことを、もう御仕舞いです」

「すみません、弁慶に言ってください。僕、よく分からないので」

「つまりですね、税金がすごく取らなくちゃいけなくなりました。一揆が起こりますよ、普通に死ねるレベルって奴ですよ」

「じゃあ、取った分だけ補助金?見舞金?出しましょう。財政担当、頼みましたよ」


大丈夫です、簿記などのやり方を覚えて人より働く能力が高い財政担当ならなんとかしてくれることでしょう。

僕達にとってはアナログで遅いなと思うようなことでも、彼らには革新的な知識だったらしいので財政仕事も難なくこなせるはずです。

それに株の知識を応用して米相場でぼろ儲けしてますしね。

余所の地域はそのせいで相場が滅茶苦茶になったらしいですがウチの領地でないので関係ないです。

ということなので、後のことは全部丸投げして城下町に遊びに行くことにしました。


城から出るとすぐに忍者の人達が近くに寄ってきて、慈円の仕事先まで一緒に向かいます。

オイ忍者、忍べよ。ウチの忍者は何故か忍ばない。

慈円が普段、何をやっているかというと非合法な市場の元締めです。

良く分からないのですが、締め付けが強いと必ずどこかで発生するのだから自分達で管理するとかなんとか理由を言ってました。

まぁ、未来で電子ドラッグが規制しても違法ダウンロードされまくるみたいな案件ですね。


ちなみに裏で慈円が非合法活動をしているのと違って、弁慶は町の治安を担っています。

こっちは周知されていてちゃんとした仕事で。警察みたいな物ですね。

毎日、チャリオットを乗り回して見回りや揉め事の仲裁をしています。


「こんにちは」

「おぉ、亜利栖殿。おい、案内しろ」


人通りの少ない低所得者用住宅街を抜けると一般的な家屋にカモフラージュした慈円の仕事場があります。

中に踏み入れれば、ちょっと怖い人達がホイールロックから発展したフリントロック式銃を持って待ち構えています。

慈円的には特殊部隊みたいな雰囲気が出ているそうです。


慈円の部下に案内されると、そこは拷問室でした。

作ったときは地下に保管庫を作りたいとの話だったのですが、まったくどういうことですかね。

拷問だけは昔から変らず、原始的に痛めつけることが一番でした。

一時期はデジタルになったそうですが、アナログが一周回って効率がいいみたいです。


「慈円、入りますよ」

「うん?おぉ、何だ亜利栖か」

「一応聞きますけど、何してるんですか?」

「捕まえた忍者から雇い主を聞いてたところだ。最近コソコソしてて、やっと捕まえたんだ」


そう言って既にボコボコな男性を足蹴にする慈円の姿があります。

可愛そうに、忍者の多くは武士というのになれない難民の方です。

こうやって危険な仕事をしないといけないのに給料が少ないし嫌われてるからやってられないと良く聞きます。

その点、ウチの忍者は他とは違うので転職希望が後を絶ちません。

まぁ、転職しなかった自分が悪いのでしょう。


「忙しいの、雇い主の名前、大きな声で」

「た、竹中半兵衛だ!今孔明の竹中重治だ!」

「竹中半兵衛か、猿のとこの部下だったかな?」


慈円が名前を聞いて悩み出す。

どうやら、木下藤吉朗秀吉こと猿の部下の名前らしい。


「ふふーん、知ってますよ。未来でも有名ですからね、僕でも知ってました」

「知ってるのか、亜利栖?古典の登場人物だぞ?」

「知らないんですか。竹中半兵衛というのは超絶美少女で頭も良くて内政系のゲームで引っ張りだこな人なのです」


どうだと胸を張って答えれば、足蹴にされていた男が騒ぎ出す。


「違う、竹中半兵衛は男だ!信じてくれ、俺は嘘は言ってない!」

「どういうことでしょう、女の子の筈なんですが」

「分かった。これはきっと孔明の罠だ。此方を錯乱させる為に偽情報をわざと捕まって流しているんだ」

「な、なんだってー!」


慈円は更に、コイツの言っている男は実は影武者で裏で操っている女がいるに違いないとのことだった。

根拠として、未来の情報が間違っているはずがないからだ。

そうだよ、ネットで検索したら女の子しか出てこないし間違いないよ。


「あの野郎、この城下街を狙ってやがるに違いない」

「もしかして、部下の独断とかもあるのでは?」

「じゃあ上司の責任ってことで市中引き回しの刑にする。やれ」


もう聞きたいことは終わったと慈円が指示を出すと、部下の方達がフリントロック式銃を一斉に向けて発砲した。

結果、死体が一つ目の前で出来たのだが、材料にしか思えなくなっているので大丈夫であった。

うーむ、慣れてきたって事だろうか。

それとも四年間で成長してない身体みたいに別の不思議な要因のせいか。

相変わらず謎である。


因みに後日、猿に抗議をしたが部下が勝手にやったことなので知らないと政治家みたいな逃げ方をされた。

まぁ、猿を捕まえてボコボコに慈円が殴ったのだけどね。

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