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平々凡々な日々

退屈が不幸だとは限らない

 たとえば、夕暮れ疲労困憊の家路に香ばしく漂う焼き魚のにおい。

 たとえば、叱られて泣きべそをかきながらも温かい母の手を離さない女の子。

 たとえば、どこからともなく飛んでった小さなシャボン玉ひとつ。


 なんということのない日常に浮かんでは消える泡夢を人は退屈だと思うだろうか。深く考えもしないだろうか。平凡としか形容の出来ない頭を振り絞ったところで、日常の隙間にどろりと身をひそめる得体の知れないものを見つけることは出来ない。未知との遭遇を夢見る者は、遭遇の機会を恵まれないことを不幸だと嘆く。しかし、その出会いは望むべきものだとは限らない。それどころか望むべきでないものである公算の方が幾分高いかもしれない。

 

 ある男の子は期せずして非日常を手に入れ、持てあます事になる。またある女の子は非日常を上塗りし、混乱を引き起こす。日常と非日常の微妙な境界線を乗り越えることはそう難しい事ではない。あちら側の使者はいつでも手招きして待ち続けているのだから。

 そして、境界を行き来できる人間はいつだって境界の上にいる。大人と子供の境界、有限と無限の境界、生と死の境界。


 平々凡々な日々を主人公になれなかった者達は踊る。

意味を求めても意味がない

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