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どう・・・な・・・・えぇ!?

掲載日:2026/03/22

短編です

 学校に入学してから半年ほど経つと、クラスメイトの大体の人間性がわかってくるから、グループは固定されていくし、友達も決まってくる。そして虐められやすい奴がハッキリしてくる。

 いつもオドオドモジモジしているやつは、大体何らかの理由で、調子乗ったやつらに目をつけられて、手ひどい扱いを受けることがある。

 俺の席の真後ろの奴は、その典型だった。俺は、他に仲のいい友達が居たから、そいつと絡むこともなければ、いじめを受けることもなかったけど、あいつはずっと背を丸めて、休み時間の間ずっとノートに何かを呟きながら書いている、不気味な奴だった。

「なぁ、アイツの噂知ってる?」

「なんだよ」

「あいつ、中学の頃、同級生の髪の毛集めて食べてたらしいぞ?」

「はぁ?キモ、そんなことする奴いるかよwwwただの噂だろ?」

「いや、俺は同級生を殺したって聞いたけど」

「どんだけだよ」

 なんて話題を、友達と昼飯を食べつつ談笑する。信じてるわけじゃないけど、そんな奴が自分の後ろにいると思うと、ちょっとゾッとする。早く席替えの時期にならないかなぁ。


 ある日の帰り、俺だけ部活が無くて、一人で下駄箱に向かていると、アイツが下駄箱の死角からよろけて尻もちをついた。驚いて立ち止まると、俺に気づいたあいつは慌てて走って逃げた。帰宅するところだっただろうに、いつもの奴らにいじめられたんかな?と思っていたら案の定、同じ角から、いつものいじめグループが笑いながら出てきた。高校生にもなってダセぇなと思いつつ、俺は関わりたくないからスルーを決め込んだ。

 自分の靴を取り出した時、ふと足元にキラリと光るものがあって、持ち上げると、ペンダントの様だった。うちの学校はアクセサリー禁止だし、いじめグループが持つにはシンプル過ぎる。それにこれ、多分ロケットペンダントだ。中に写真とか入れるやつ。アイツのかな?先生に届けるか?いや、絶対大問題になる。今時ペンダントぐらいで大げさなとも思うけど、うちの学校は未だにその辺厳しいんだよなぁ。ピアスなんて痛そうだから俺は開ける気ないけど、耳に穴を開けいてるやつが、しこたま怒られているのを見たことがある。そんなことで、変に怒られるのは嫌だ。

「あの・・・それ・・・」

 考えていると、後ろからか細い声が聞こえた。アイツだった。

「ん、やっぱお前のか」

 すんなり手渡されたのに驚いたようで、一瞬身じろいだけど、またか細い声で「ありがとう」と言って受け取った。初めて喋ったけど、別に悪いやつとかじゃないとは思うんだよなぁ。

「それ、ロケットペンダントだろ?中に何入れてんの?」

 まさかそんなことを聞かれると思っていなかったようで、眼球が零れ落ちそうなほど目を見開いたあいつは、口元を歪めながら気持ちの悪い笑顔を浮かべた。

「ふひ・・・ひ、し、知りたい?」

 なんか気持ち悪いから正直知りたくない。「別に良い」って言って早く帰ろうと思ったら、アイツは勝手にペンダントを開いて俺に見せつけてきた。

「これ・・・へへ・・・」

 明らかに盗撮されていると思しき写真と、髪の毛が一本入っていた。

「お、お守りなんだ・・・へへへ」

 あいつのひきつった笑いが怖くて、俺は逃げるように走って家に帰った。



——あれ、俺の中学の時の写真だ——

真実は時として恐ろしいものである。

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