2話
「おぎゃーおぎゃー!」
赤子の声がヤマタ王の城に響き渡りました。
「おおっ! 生まれたかっ!」
ヤマタ王は赤子を見ようと駆け寄りました。
「ほう! 男か! ならば決めていたこの名前
桃太郎、と名付けよう!」
ヤマタ王は、そう宣言したのでした。
威厳のある顔からとたんにデレデレとした顔に変わるヤマタ王。
ヤマタ王も一人の人間であり、一人の父親だったのです。
~~~~~~~~
夜が更けて灯火の灯った部屋に、ヤマタ王とその側近たちが集まっていました。
ヤマタ王は真剣な顔をしてこう言いました。
「桃太郎のことだ」
それを聞いた側近の1人が、慌てながら尋ねました。
「なっ、なにか問題でもございましたか?」
ヤマタ王は首を縦に振りこう言いました。
「問題といえば問題だ。
話は桃太郎が生まれる数日前、
私が摩訶不思議な夢を見たことから始まる…」
そうしてヤマタ王は、夢の話を語り出しました。
「私はふと気づけば、霧がかかった森にいたのだ。
私のすぐそばには川が流れ、川の中には4匹の魚が泳いでいた。
一匹はべらぼうに大きな魚で、残りの3匹は……
と、この話はまたにしよう。
とにかくその後に摩訶不思議なものを見つけた。
川の上流から、光り輝く大きな桃が流れてくるのだ。
このままでは私を通り過ぎて流されてしまうと思った私は、
ついとっさに桃の前に立ちはだかった。
するとどうか! 桃から光がほとばしり桃が半分に割れてしまったのだ!
あっけにとられた私をよそに、光り輝く桃の中から声が聞こえてきた…」
ヤマタ王は深く息を吐き、一息つきました。
「「「「そ、その声というのは…!」」」」
側近たちは前のめりになって話の続きを聞きたがりました。
「その声か……その声は……こんなことをおっしゃっていた。
これから生まれる子供は誰も知らないことを知っている……
これから生まれる子供は誰も考えないことを成し遂げる……
とな……」
側近たちは騒めきました。
「な、なんと!」
「吉兆じゃ!」
「ヤマタ国は安泰じゃ!」
そしてヤマタ王は、お抱えの占い師にも占ってもらったことを明かしました。
その占いの結果は、ヤマタ王はもちろん側近達も大喜びするほどで、
当初の緊張がなかったかのように、酒盛りを始めるのでした。
ブックマークと☆が伸びてきたら、つづきを書きます(絶対)
~~メモ~~
あらすじの予定。
主人公最強、主人公崇拝、知識チート、技術チート、魔法あり。
うまく筆が乗れば、SFまでたどり着けるかもしれない。