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第七章 コードブラックの弟子

あの子可愛いな





 半年前


「なぁ聞いたか?」


 コーヒー片手に話を持ち掛ける眼鏡。


「あの婆ぁが弟子とったらしいで」


 その相手は小学三年生くらいの少女だった。


「だから?」


 眼鏡相手に冷たく返す少女、話がつまらなかったのかその場を去る。


(姉さんが弟子、、僕も取ろうかな)


 そんなことを思いながらエスカレーターに乗るのであった。



 場所は変わり電車内


 一人の青年がスマホを片手に音楽を聴いている。


「ねぇ君」


 青年のイヤホンを奪い取り会話に持っていく。


「何ですか、音漏れがひどかったですか?」


 青年が心配そうに問いかける。


(あ、やっぱり僕の勘は間違えてなかったか)


 青年が不思議そうに眺める。


「いやぁ、ごめん別の人だったみたい、ごめんね」


 青年から取り上げたイヤホンをつけなおした。


「じゃぁね」


 そして車両を移りトイレに駆け込む。


「さてと」


 ロックをかけた瞬間、彼女の体が縮み始め、体の再構築が始まる。


(こんなシナリオで落とすから、ここをこうして、こうして)


 再構築が終わったのか、先ほどの女性とは似ても似つかない大男がトイレから出てくる、そして再度車両に戻り青年に話しかける。


「おい、あんちゃん」


 青年は姿を確認せず声のした方を向く。


「さっきのおねぇさんですか、音漏れがひどいな、ら」


 先の女性が話しかけたのかと思っていた故に目の前の大男にひるむ青年。


「姉さんが目ぇつけた男だ、わかってんだろ」


 そして青年は拉致された。



 場所は変わり、殲滅隊本館


「ってことでよろしく頼むよ、青年」


 来たばかりの保護猫のように小さくなる青年。


「どうしたの?僕の弟子く~ん」


 上目遣いで彼女をうかがう青年。


「あ、あの」


 恐る恐る声を出す青年。


「なんで僕なんですか」


(?)

 

 何故自分が拉致られたのか理由を聞く青年。


「あ~、それはね、君が無のエモーションを持っているからだよ」


 無のエモーション、それは特異体質の人間にしか現れないエモーション、通常の固有エモーションとは違いマイナスを生み出すエモーション、通常のエモーションがプラスとプラスのぶつかり合いなら、無のエモーションはプラスとマイナスのぶつかり合いによる中和に近いものである。


「まぁ、君の才能が欲しくなっただけ、じゃぁ明日から特訓開始ね」


 翌日


「まずは、僕に攻撃してご覧」


 剣、三節混、クロー、モンク、様々な武器が並べられている。


「どんな武器が得意か見せてもらおうか」


 だが練習は散々なものだった、剣はまず持ち上げれず、三節混では自分の顔面への攻撃、クローはかすり傷すらつかず、モンクでは腕を動かすことができず。


(めっちゃ非力!)


 少々あきれているところに別の武器に持ち変える青年、それを横目で見る彼女。


(刀、構えは後々直すとして、もててるし、)


 振り下ろす斬撃を避けながら考える。


(ちゃんと攻撃もできてる)


 そこでひらめく彼女。


(これでいいか)


 そして彼の覚悟を聞く彼女。


「君にに聞く、君は何か一つでも志はあるかい?」


 彼は少し悩み答えた。


「こんな僕でも誰かの役に立てるなら、、、誰かを助けたい、です」


 主人公のテンプレのようなセリフを吐く青年、だが彼女にとっては嘘であろうと満点の回答だった。


「そうと決まれば、青年君を僕の弟子に任命する」


 そこで思い出すかのように彼女が問う。


「あ、そういえば名前まだだったね、僕は結城、五十嵐結城、よろしくね」


 そして少しおどおどしながら青年は口を開く。


「鼎賢人、鼎と書いてかなえです、よろしくお願いします」


 この日から彼らの特訓の日々が始まるのであった。


 一日目


(まぁ、最初はこんなもんだろ)


 彼に渡したダンベル15キロ、そのダンベルはまさに山のごとく動かなかった。


 三日目


(最初飛ばしすぎたからな、ってかまだ感染してなかったよな)


 そこには15キロのダンベルを持ち上げていた賢人がいた。


(子供の成長速いなー)


 一週間


(そろそろ、感染させてもいいころ合いかな)


 彼女の目の前には木刀ではなく金属製の模造刀で素振りをしている賢人がいた。


 一か月後


(固有エモーションも、感情の流し方も安定してきたな)


 そこには特訓場で、五十嵐結城の分身体と模擬戦をしている賢人がいた。


(僕のファイトスタイルの分身体と肉弾戦でまともにやりあっているし、固有エモーションの硬化も強力になっているし、結構強くなったね)


 強くなった弟子を見てほっとする五十嵐であった。


 三か月後


(ん?)


 疑問を覚える五十嵐、なぜなら賢人の今発動しているエモーションが見たことない能力であったからである。


(黒いオーラ、動かない表情、そして一番謎なのは、感情が全くない!)


 分身体もその異変に気付いたのか、全スタイルの分身を出し賢人に襲い掛かる。


(僕の分身体があんな反応を見せるということは、僕は彼に勝てないのか)


 そんなことを思っていると、ことごとく消滅していく分身体、その姿は音もなく感情もなくただ対象物を排除しているだけなのだと見るだけでもわかってしまうほどだった。


(これが、人を捨てた姿、無のエモーション、記述通り人間兵器だな)


 半年後


(無のエモーションの発動は彼自身で制御できるようになったし、もう僕の教えることはないな、しかし常時無のエモーションを発動できるようになるなんて、僕の目は間違ってなかったな)


 遠くから強くなった弟子を見てほほ笑む、だが観察していくと彼の異変に気付く。


(ん?なんで手を合掌してるんだ?)


 賢人はとても集中しているらしく感情が感じれないことに違和感を覚える五十嵐。


(無のエモーション、なのか?でも発動中、理性による感情が少しあるのに)


 そんなことを考えていると大爆発が起きる。


(なんだ!?襲撃か!?)


 だが別隊の戦闘員が突撃してくるわけでもなく、賢人の周りが黒焦げになっていた。


(ん?なんで賢人君の周りだけが黒焦げに?)


 そして再び賢人は合掌する。


(なにやってるんだろ、)


 その後、賢人は何度も何度も爆発を続けていた。


 日が暮れたころ具合に爆発音が一切なく、疲れ眠ったのかと思ったが目をやると、賢人の片手には黒く浮遊する何かがあった。


(なんだ、アレ)


 黒く浮遊する何かを見つめながら賢人が言う。


「師匠できました、無のエモーションの究極形態」


 そう話す彼の目は白く変色し、髪の毛は白髪に変色し逆立っていた。


「ところで、どうするんだい?その黒いの」


 少し戸惑いながら言葉を発する。


「心を返してください」


 そのあと面白い動画などを見せて心を取り戻し、黒い何かは消滅した。


「師匠」


 急に呼ばれ対応する五十嵐。


「僕はもう誰かの役に立てますか」


 そして微笑みながら五十嵐は答える。


「あぁ、もう君は誰かの助けになるくらい強いよ、、、でも」


 少し思いとどまり訂正を入れる。


「でも、あの黒いのはどうにかしないとね」


 最後の忠告を入れ、賢人は殲滅隊に入隊したのであった。


 入隊初日


「賢人君、今回初任務だ」


 そして賢人に資料渡す五十嵐。


「師匠と同行ですか!?」


 驚きの顔を見せ、少し動揺する。


「でも今回の依頼、賢人君には荷が重いかな」


 そこには”殺害”の二文字が記載されていた。





 






師匠、性別どっちなんだろう

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