同い年
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以前俺がアクセスしたアカウント名でtwitter検索したら俺のアカウントが見つかり、意を決してDMを送ってくれたとの事。
『Vつべ』アプリはコメントをつけることもできるが普通に会話できるしカメラもオンにすれば、受肉していない俺の本体が丸見えらしい。
限定配信とはいえカメラオンは恥ずかしいので遠慮させてもらった。
「こんばんわです。 輪廻マナです! @manayutoさんですか?」
少しばかり不安もあったが、スマホ画面いっぱいに現れるメイマナ。
彼女のトレードマークであるツインテールをグィングィン揺らしながら挨拶をしてくる。
「こんばんわです。 ほんとにメイマナさんなんですね」
半ば本人なのは確信していたが、不安がないわけではなかった。
ボイスオンリーの俺を笑顔で迎え入れてくれるメイマナ。
「突然だったから、びっくりさせちゃいましたよね。 偽物とか思ったり?」
「不安がないわけではないですが、 公式アカウントからだったんでそれこそ俺はメイマナさんの古参ファンですから」
「ふぁ、ファン。 べ、べつに@manayutoさんに好かれたからって普通にうれしいんだからね」
「デレすぎちゃって否定できてないじゃないですか」
向こうも実は緊張しているのかテンプレートの返しすらできていない始末だ。
「あ、あの@manayutoさんのお名前ってきいても大丈夫ですか?」
「まぁ名前くらいなら、 ユウトっていいます。 悠久の悠に人って書いて」
メイマナが俺の名前を尋ねてくる。
個人特定とかされるのは正直嫌だけど、なぜかこの子への警戒は薄い。
素直に名乗ってしまう。
「……ユート」
「なんかメイマナさんってやっぱり懐かしいな」
「えっ?」
「俺の名前の呼び方ですよ。 俺の幼馴染と呼び方のニュアンスが似てるんですよ」
「そ、 そんなわけないじゃない! 私はユートとは会った事なんて全然ないんだからね!」
「あはは。 テンプレートな返しすぎて本当に幼馴染だったみたいになってますね」
「絶対に! 絶対にちがうんだからね!」
アバターの顔を真っ赤にして否定してくるメイマナ。
チャンネル登録者を幼馴染と呼ぶ彼女からすれば別に俺が幼馴染でも間違いじゃないと思うが。
「あの、ずっと敬語だけどユートって何歳なの?」
「27歳ですね」
「やっぱり……いえ、 だったら同い年だから敬語はやめて」
ん?
メイマナは17歳って設定のはずじゃ。
ああ、中の人がってことか。
「ちがう」
「えっ」
「今ユートが考えたこと! 私は17歳だけどユートと同い年なの! だから敬語はやめてってば!」
だからそれって、中の人って意味じゃ。
「ちっがーう!」
支離滅裂に思えたけど、そんなやり取りを昔から繰り返してきたような感覚になってお互いの緊張は完璧に解けていた。
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