出会い
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輪廻マナと名乗るアカウントから指定されたアプリ『Vつべ』をインストール。
このアプリがあるとvtuber姿のまま1on1で会話ができると言うものらしい。
vtuber同士が受肉した状態で会話を楽しむ為に生まれたアプリだが、俺個人は普通に会話してくれれば問題ないとの事。
@manayutoは家事をきちんと行っている履歴のための裏垢だが、実はメイマナのチャンネル登録にも使用しているからアカウント名からtwitterで検索をかければDMしてくる事は可能かもしれない。
突然のDMを怪しむ気持ちはあったが俺は本人なんじゃないかと思ってる。
アカウントは公式の本人の物からのDMだったし、一年ほど前に彼女と絡んだ事を覚えてくれていたからだ。
あの日も深夜に出かける留理を怪しんで眠れず、気晴らしに動画を漁っていたら同接0人のLIVE配信中のツンデレっぽいvtuberが目に止まった。
彼女の容姿は真夏に似ていた。
まぁむしろ、真夏の方がテンプレートなツンデレ容姿をしていたと言えるかもしれないが。
真夏に似たvtuberがレトロゲーム『ソロモンキー』をプレイ動画を配信しているのだから益々目についた。
固定画面のいわゆるアクションパズルゲーム。
主人公であるソロモンキーという可愛らしい容貌のサルを操作し、制限時間内に次のステージへと続く「キー」を入手し「ドア」への到達を目指す。
ステージ内にいる様々な敵の妨害が激しくて史上最高難易度ゲームとしても名高かった。
親がそこそこ厳しく、あまりゲームを持っていなかったがなぜがこのゲームは昔からウチにあった。
なので子供の頃からこのゲームをやり込んではいたが一度もクリアした事がなかった。
真夏も隣でよく俺がプレイしているのを眺めていた。
懐古的な気持ちになって視聴すると彼女はポツポツと会話を始めた。
「あ、ダメだった……」
「しんじゃった…」
「あー……もう全然だめ」
今や人気vtuberの彼女だがこの頃はチャンネルを開設したばかりで登録者も少なく、視聴者の俺がいる事でむしろ緊張を増していたように感じられる。
何度となくソロモンキーが死んでいくので、少しばかり心得のある俺はステージ攻略のポイントをコメントで伝えてみる。
「あー、 そっか。 ここはこの石ブロックを破壊しとけばいいのか」
ボソボソと実況を続けてくれるが、ファンサービスとは無縁とばかりに配信を続ける。
次のステージでも難易度の高い敵に阻まれて攻略に苦戦しているようだ。
「あー……また、もう!」
「なんなのこいつ!」
「絶対無理じゃん! これ作った人頭おかしいわ!」
いわゆる『死にゲー』なので何度も何度もソロモンキーは敵に接触したり、落下して死んだりする。
メイマナは段々とプルプルと怒りに肩を揺すり始める。
俺は子供の頃の記憶を辿って、コツをコメントしてみるが何分古い記憶だ。
要領を得ずに伝えてしまうとイライラがMAXだったのかメイマナが爆発する。
「もっと具体的に教えてよ! 私はそんなにゲームが得意じゃないんだから、もっと優しく教えてくれないと!」
理不尽極まりない怒りの矛先を向けられてしまうが、このツンっぷりが益々、真夏っぽくて俺は失笑してしまう。
「あー! 今絶対に笑ってるでしょ! コメントしなくてもわかるわ!」
怒髪天をつくとばかりにツインテールをグィングィン揺らしながらメイマナが怒声を浴びせてくる。
どこまで真夏に似てるんだと思った俺はその様子がおもしろくて仕方ない。
>わかった、もっと優しく教えるよ。ここをこう操作してみて
「最初っから素直に教えてくれればいいのよ、ユートはさ! ?? いえ……なんでもないわ」
一瞬、俺の名前を呼ばれたかと思ったが聞き違いかな?
ああ、もしかして俺のアカウント名は向こうに見えちゃっててそういう風に呼んだのかな。
その後も時間の許す限りはメイマナにコメントし続けた。
相変わらず同接は1名で俺のみだったが、段々打ち解けてきて時よりデレる彼女から目が話せなくなった。
「ふーっ今日はもう限界! でも大分進めたわ」
>途中大分慣れてきてたね。 お疲れ様。
アバター越しだが、メイマナの疲れが伝わったので今日の仕事っぷりを労ってみる。
「あ、あの、ありがと……ま、また見にきてくれてもいいんだからね!」
仕組みがどうなっているかわからないけど、アバターは頬を赤らめて次回配信にも視聴するよう催促してくる。
テンプレートなツンデレっぷりを披露して、配信が終了する頃には俺はすっかり彼女のファンになっていたためチャンネル登録をしていた。
次回更新もtwwiterで配信いたしますので良ければフォローお願いします。
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