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1、花枯れる世界

.....。

「先輩。これはいけません。復讐しましょう」


「復讐って何だ。何をするんだ俺は」


「まあ冗談抜きで一発ずつ殴るのもアリですが.....ドロドロにしましょう」


黒髪のボブヘアーの美少女。

三日月のネックレスを愛用している幼馴染の山崎三日月やまざきみかずきの浮気を昨日知ってから中庭であまりのショックに俯いていると。


同じくボブヘアーの地毛の茶髪。

そして顔立ちは若干幼いなれど見事な美少女。

スタイルも良い後輩の横山姫よこやまひめが接触して来た。

俺に対してそう言い聞かせてくる。


「三日月さんもそうですが.....寝取った龍騎さんにも復讐しないと」


「犯罪だ。それにそんな事はアイツらと同じでしたく無いんだが」


「犯罪になるとかならないとか悩む必要ありますか?相手が悪いんですよ?全ては」


「.....まあ確かにそうだが。でも俺もそんな奴らと同じになりたくない」


「ダメですよ。先輩。復讐しないと意味無いです。この状況は」


そんな言葉を掛けられた前日の話だが。

宮藤和歌くどうわか

顔立ちはそれなりの。

運動神経もそこそこで勉強もそこそこの平凡高校生の俺は喫茶店で三日月がイチャイチャしている姿を見て。

それから変なホテルに共に入って行く若宮龍騎わかみやりゅうきを見た。


龍騎は学校1のイケメンの友人である。

ホストでも出来そうなぐらいだが。

今となっては正直恨みしか無い。


何か知らないが手に持っていた傘を殴り捨てるレベルの怒りが襲う。

雨に思いっきり濡れながら。

当然、復讐するべきだとは思った。

だけど色々考えてみたけど。

復讐としても俺が犯罪者になる。


つまり同罪だ。

アイツらと、である。

そう思っていたのだが。

横山に説得されて、確かにな、と思う。

そして横山は俺を抱きしめてくる。


「ちょ。何やってんだ」


「可哀想な先輩。私が慰めてあげます」


「言葉遣いに気を付けろお前。それって卑猥に聞こえたりもする」


「確かにそう聞こえなくも無いですね。この現状で今の言葉なら。でも先輩が望むならやりますが?」


「冗談でもよせ。俺はそんな事は望んでない」


そう。

今思うのは復讐の事だ。

明らかな浮気だと思えるしな。

思いながら俺は横山を見る。


横山は横に腰掛けながら、先輩。取り敢えずこれ飲みませんか、と何かを差し出してくる。

それは俺が好きな冷たい甘いコーヒーだった。

俺は、こんなもの買って来たのか。お金払おうか、と言うが。

横山は首を振る。


「私が買い間違えましたから」


「.....嘘ばっかりだな。お前は」


「嘘じゃ無いです」


「.....いいや。お前のその言葉は嘘だ」


何時もそうやって誤魔化す。

そしてこうやって俺に優しく接してくる。

そんな横山の事は良い後輩だと思う。


とても良い後輩だって思う。

コイツに彼氏とか出来たら幸せ者だろうな。

胸も大きいし.....って何考えてんだか。

思いながら俺は首を振る。


「.....横山」


「はい」


「俺はどうしたら良いかな」


「私は提案をしただけです。どう動くかは先輩に任せます。.....でも復讐は絶対にやった方が良いです。悪に染まってでも」


「そうか」


「私は.....絶対に許せないです。そんなの」


そう言いながら俺を見てくる横山。

それから手に持っていたお茶を飲む。

俺はその姿を見ながら溜息を吐く。


そして空を見上げる。

正直まだ三日月とは話が出来てない。

だけどいつかは三日月と話をしないといけない。


彼氏彼女の縁を切る為に。

いや、違うか。

全ての縁を切る為に、であるが。

思いながら俺はコーヒーを飲んでみる。

甘ったるいのが今はパンチになる。


「先輩。私は信じていました。三日月さんを」


「そうだな。俺も信じていたんだがな」


「だからこそあの人達には正しい復讐をしてあげないと」


「.....ああ」


横山は力強くそう説得してくる。

俺はその姿をチラ見しながら、おっと。授業が始まるか、と立ち上がる。

ですね、と立ち上がる横山。

それから俺は横山を見る。


「.....横山。その。コーヒー有難うな」


「まあその何か奢って下さい。全てが終わった後にでも」


「そうだな。分かった。必ず」


それから俺達は教室に戻る。

そして教室を開けるとその龍騎が声を掛けてきた。

龍騎はヘラヘラしている。

今直ぐにでも殴り飛ばしたいが。

落ち着け、と思いながら目の前を見る。

.....。

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