80.奇跡の大地
まず大きく忘れていた事がある。
それは従魔になった『ガーディアン』の名前を付け忘れていた。
凄く忙し過ぎてすっかり忘れていた。
それで毎回恒例の皆に名前の案を聞いてみた。
「ディアン」セレナお姉ちゃん、単純過ぎじゃない?
「アン」ディアナちゃん、お姉ちゃんと同類か!
「ミク」僕、え? 何でって……何となく? え? 駄目って?
「シリカ」ダグラスさん、娘に考えていた名前だそうだ、いや、娘さん出来たら娘さんに付けましょう。
「さくら」アヤノさん、あれ? アヤノさんの出番いつぶりだ?
「ミリーシャ」ナターシャお姉ちゃん、自分の名前に似せたらしい。
「カリナ」お父さん、昔同級生の名前らしい。
「ヘレナ」お母さん、綺麗な女性だかららしい。
うん、今回の命名は……またもやお母さんになりました!
「私の名前――『ヘレナ』でございますか、感激です、マスター、感謝します!」
アカバネ島のガーディアンであるヘレナが誕生した。
ヘレナはアカバネ島からは出られないらしく、島を守るためだけに存在しているらしい。
島そのものだと考えて良いそうだ。
そんなヘレナにもソフィアと同じく、従魔として僕とパスを繋いだ。
これで遠距離でも話せるようになった。
まあ『遠話の水晶』を使えば良いけど、従魔パス会話はあれはあれでとても好きだ。
それから新しく覚えたレジェンドスキル『奇跡の大地』だ。
[奇跡の大地] - スキル所持者の所有土地に祝福を与える。祝福により、土地内魔力の上昇。農作物等の成長率が大きく上昇
どうやら僕のレベル上限解放条件は『所有した土地に人を住まわせる事』だったみたいだ。
つまり、それは、僕が領主となる事が条件だと思えた。
今回の上限は五十九だからレベルが五十九になるとまた新たな課題が出されるかも知れない。
次覚えられるスキルから答えを導き出したいと思う。
新しいレジェンドスキルが『魔導島』全域に効果を齎したとヘレナから報告があった。
ヘレナも何処か嬉しそうにしていた。
農作物の成長がどれ程早くなるのか、土地の魔力でどれ程の品質の物が出来るのか検証が始まった。
それから一か月間、検証を行った。
検証結果は、
①農作物の成長が十倍速くなっている。本来一か月掛かる物が三日で出来た。
②品質はどれも現状大陸で確認されている高品質の作物よりも高品質だった。エドイルラ街で鑑定して貰ったら超高品質と判定され、高級品質より上位だった。
③作物の生命力も強くなったため収穫後も何度も実を生した。
これで一気に魔導島内の食料に関する問題が解決した。
正従業員だけでなく、副従業員達のお昼弁当が配られるようになり、副従業員達から盛大に喜ばれた。
◇
それから研究所も立った。
研究所は魔道具開発とポーション制作の二棟が立った。
まず、魔道具隊隊長はマリエルさん、研究員はペリオさんの二人のみだ。
職能『魔道具師』を持ってる人が世界でも少数しかいないので、増やすのは中々難しいそうだ。
ポーション制作は元欠損奴隷だったり、あの後奴隷伯爵さんが送ってくれた通常奴隷の中で幼い子供達で編成された。
『瓶』自体は簡単に作れるので単純作業は子供達の仕事になった。
『ポーション用特殊瓶制作用魔道具』に魔石を入れて、完成したら取り出すだけだ。
その特殊魔道具も魔道具研究所でここ一か月間作って貰った。
何とマリエルさんは世界でも上位数人の実力らしく、仕事の早さも理解力も人の数倍早かった。
ペリオさんもそんな彼女の元で働いていただけあって、上手に仕事をサポートしていた。
それから今回伯爵から送られて来た通常奴隷組の中に教師だった者がいた。
彼は帝国内で帝国の良くない部分を講義してしまい、学園から追放され、最終的に奴隷にまで落ちたらしい。
伯爵とは顔見知りのようで、伯爵の説得で喜んで奴隷になり、うちに来たとの事だ。
彼には従業員達の子供組の勉強を教えて貰う事になった。
それから、今までアカバネ商会で働いてくれた正従業員達の奴隷組は全員奴隷解放を行った。
その後、『契約の紙』で生涯契約としてアカバネ商会の中身は一生秘匿して貰う事にはなるけど、いつまでも奴隷紋を刻まれたまま働いて貰うのも良くないと考えた。
そのまま正従業員でいたい人はそのまま雇う事にしている。
今回解放組の全員、そのまま正従業員となった。
十分にお金は溜まっているが、アカバネ商会は働く環境が良いので辞めたくないと言うのが理由だった。
奴隷ではない通常正従業員組も家族ごとアカバネ島に移住したいと申し出があった。
全員島へ移住して貰った。
子供達の教育や食堂、そして子供達もそのまま働いて貰えるのが良いと寧ろお願いされたくらいだ。
人と話したりするのが苦手な大人組は皆農業に当てる事にした。
農業ならいくらでも世話出来るから人手が増えれば増える程、収穫物の収穫も莫大に上昇する事になる。
全ての収穫物は『次元袋』に入り、時が止められ、いつでも超高品質の取れたてで食べられる強みがあった。
※ディアナちゃんのお母さんのヘレネさんと従魔ヘレナで名前が混同しそうですが、基本的にヘレネさんの場合『さん』が付きます、ヘレナの場合何も付きません。
名前 クロウティア・エクシア
年齢 7歳(男)
種族 人族
職能 アザトース
レベル 50
HP 100×10=1000
MP 800×50=40000
力 500×10=5000
素早さ 500×10=5000
器用さ 500×10=5000
耐性 500×50=25000
魔力 500×300+5000=155000
精神 500×300=150000
[従魔] 『アルティメットスライム』ソフィア,『ガーディアン』ヘレナ
[レジェンドスキル] #&$% ,#!$&,異次元空間魔法,精霊眼,神獣の加護,奇跡の大地
[魔法系統スキル] 中級回復魔法,火属性魔法,水属性魔法,風属性魔法,土属性魔法,転移魔法,雷属性魔法,霧属性魔法,木属性魔法,氷属性魔法,光属性魔法,闇属性魔法,影封印,飛行魔法
[スキル] 痛覚無効,睡眠無効,言語能力,魔法超強化,多重魔法発動,魔法調整,魔法無限固定,魔力高速回復,魔力超上昇,魔法高速演算,MP消費超軽減,超手加減,自動収集,自動魔法
[技] MPドレイン,神々の楽園,エリクサー,ソーマ




