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【WEB版】被虐待児の最強転生して優しい家族に囲まれ  作者: 御峰。
奇跡の大地編

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74.遠距離ライブ

 エクシア家とアカバネ商会が契約を交わして数日後。


 既にエクシア領の全支店の準備自体は終わっていたので、僕は何もやる事が無かった。


 一度奴隷伯爵さんからまた奴隷達が送られて来たけど、今回も大分人数が少なかった。


 そもそも欠損奴隷の数はあまり多くない、生きていくのが難しいからだ。


 奴隷伯爵に欠損奴隷だけでなく、しっかり働いて貰えそうな普通奴隷も依頼した。



 そう言えば、二か月後に『アカバネ祭』が行われる。


 予定通り、ギルド『アマゾネス』が順調に上位十名分を占めているそうだ。


 先月から動きが変わり、男連中が資材をあまり売らなくなったそうだ。


 予想としては、次期にまとめて売ってギルド『アマゾネス』に対抗すると思われる。



 そして今回の『アカバネ祭』からとある事が追加される事になった。


 それは『発表会』である。


 これはアカバネ商会の決定事項の発表をする場だ。


 今回の発表予定なのは、『無限魔道具』改め、『アカバネ魔道具』という名目で賃貸の事を発表し、エクシア家を抱え込んでの発表会となる。


 そして、今回からの『アカバネ祭』は本店があるエドイルラ街で行うと告知済みだ。


 そんな中、来れないお客様のために、遠くからも『アカバネ祭』を参加する方法がないか会議になったらしい。


 全従業員から良い考えがないかと、暫く意見を集めたそうだ。


 その意見の中で一つ、大きく光る意見があった。


 それは普段から僕が作った魔道具を身近に感じ、もっとこんな便利な魔道具はないだろうかと考えた時に思いついた意見だったそうだ。


 それは……。


「遠くの景色を映す魔道具はないのでしょうか?」という意見だ。


 意見者は『ライブ』の時、声を大きくする魔道具から着想を得たと話した。


 『遠くの景色を映す』魔道具……僕は知っていたはずだ。


 前世で、夢中になって見ていた――あの『テレビ』を。




 ◇




 それから僕は映像を映す魔道具の研究に勤しんでいた。


 以前『次元扉』を初めて作った時の事を思い出した。


 扉の向こうに別景色が広がっていた事を。


 今では当たり前に通っているけど、良く観察すると扉の向こうは別景色だ。


 つまり、あの扉をそのまま大きくすればテレビの代わりになれる。


 ソフィアに協力して貰い、エドイルラ街の空に大きな扉を下向きに作り、『飛行魔法』を固定して上空からエドイルラ街を映すようにした。


 そして、屋敷の魔法訓練所にも大きな扉を作り、上空の扉と繋いだ。



 実験は大成功だった。


 魔法訓練所からエドイルラ街が上空目線で見れた。



 その後、ソフィアより、霧属性魔法で魔法訓練所の扉を幻術で複製して同じ扉を数個作成した。


 それにより、前世のテレビ同様に別な場所にも同じく映す事が出来た。


 この魔法を『遠距離ライブ観戦装置(ライブビューイング)』と名付けた。


 各町に設置される『遠距離ライブ観戦装置(ライブビューイング)』は霧属性魔法なので何かが入ったとしても向こうに飛ばされる事がないのは最大の利点だった。


 しかし一つ大きな問題点があった。


 この装置は発表会からライブまで数時間に渡り映そうとしたが、各町とは言え、膨大なMPがいるため、ソフィアの分体だけで一日中映す事は難しかった。


 異空間魔法で繋がっているとはいえ、各町にソフィアの分体で霧属性魔法を使い続けるのは相当な負担がかかるからだ。


 そこから各地域の大きな都市のみ設置し、昼過ぎに発表会、夕方前にライブを数時間のみ映す事にした。


 これならなんとか負担になり過ぎずに実行出来そうだ。


 直ぐに各町へ『遠距離ライブ観戦装置(ライブビューイング)』の案内と共に、ステージが設置され、装置と同じ大きさの大きな板が用意された。




 ◇




 『遠距離ライブ観戦装置(ライブビューイング)』が順調に進んだ頃、僕はナターシャお姉ちゃんに呼ばれた。


「クロウくん、急に呼んでごめんね」


「全然! いつでも呼んでくれれば来るよ!」


 ナターシャお姉ちゃんが嬉しそうに笑ってくれた。


 最近はすっかり『アイドル』にも馴染んで、今では世界で一番有名な好きな女性ナンバーワンである。


「実は、私の握手会の特典を増やして貰えないかなと相談なの」


「特典? 握手以外って事?」


「うん、この前お父さんに売上を聞いたらとんでもない金額だったから……せめて上位十名様に握手以外での特典があっても良いのではないかなって思って」


「そうか……今期の売上って前期の数倍に上るらしいもんね」


「うん、だからクロウくんにお願いしたいの、無理のない範囲で特典を付けたいの、私が出来る事なら頑張るから!」


 うぅ……ナターシャお姉ちゃんがどんどん天使になってゆく……。


「分かった! ナターシャお姉ちゃん的にこういう特典にしたいって事あったりする?」


「うん、実はうちの料理って世界的に見ても物凄く美味しいのね?」


 たしかに、アカバネ商会の社内食堂で作られる料理は高級品食材だけでなく、新鮮さからも高級料亭よりもずっと美味しい。


「それで、彼らのための食事会を開いたら良いなと思ったの」


「ふむ! 食事会か~、うん、良さそうだね」


「参加は自由だけど、場所は本店限定で食事会には私も参加しようかなと思ってるの」


「ナターシャお姉ちゃんが参加するなら上位十名がますます熾烈になりそうだね……」


 握手会ですらとんでもない買取量になっているから、食事会ともなるとますます激しい戦いになりそうだ。


「まあ、そこは今までと同じだからあまり変わらないんじゃないかな?」


 ううん、お姉ちゃん……自分の力をまだ分かっていないみたいだね……。


 握手に続き、食事会ともなると……たった十秒くらいしか会えない握手会以上になると思うよ……。



 そうしてナターシャお姉ちゃんの暗躍によって『アカバネ祭』の重要度が更に上がるのだった。

実は別サイトのカク〇ムでは日間ファンタジーと総合一位を取っていたりしています、なろうでも応援してくださりここまで読んでくださってる方々へ、本当にありがとうございます!!!これからも頑張っていきます!


それと進行が遅いという事をよく言われます…が、未だ序盤だと思って頂き読んで頂けたら幸いです!

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