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【WEB版】被虐待児の最強転生して優しい家族に囲まれ  作者: 御峰。
奇跡の大地編

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71.大地生成と会議

 『宝石』からあの海へ投げて欲しいと言われているような気がした。


 確証は無かったけど、光り出している『宝石』を海へ投げ入れた。



 数秒後、海から少しずつ、土が生まれた。


 少しずつ、でも確実に増えて行った。


 土が増えれば増える程、増える速度が上がって行った。


 数十分とすると、


【クロウ! 何だか島みたいになってきたよ?】


【そうだね! あの宝石は『大地生成』って魔法が掛かっているからね】


【へぇ~、だから島っぽくなってきたのね~】


 お姉ちゃんの話した通り、海の上に投げた『宝石』は最早小さな島となった。



 島へ降りてみた。



「何もないただの島だね」


「うん、何もないわね」


【ご主人様!】


 僕の懐からソフィアが出てきた。


「うん? どうしたのソフィア」


【うん! この島はこれから成長するんだと思うの!】


「これから成長する?」


【うん! 成長するのに時間が必要だと思うの!】


「そっかー、じゃあ成長するまで待つしかないのか」


【多分半年くらい掛かると思うよ?】


「半年も掛かるのか……」


 まだ始動したばかりだから、気長に待つ事にしよう。



 - 魔導島を所有しました。-



 へ? 魔導島?



 [魔導島] - スキル『大地生成』で生成させた土地

込められた魔力(魔力×MP)により土地の性能が上昇する


 

 魔力(魔力×MP)は『賢者の石』でしか込められない、僕が『大地生成』魔法を使える訳ではないので、このまま『賢者の石』の性能になりそうだ。


「クロウ、変な顔してるよ?」


「あ、この島の所有権が僕にあるみたいで、ちょっと考え事をしたの」


「そ、そっか…………クロウってば、これで領主様になったの?」


「りょ……領主様!? いやいや、まだ小さな島だから!」


「でも大きくなったら、この島でも町作ったりするんでしょう?」


 ん? 島で町を作る……?


 つまり、土地を気にせず、生活に便利な島を作れば色々便利そうだ!


「そこまで考えてはいなかったけど、そうだね。島が大きくなったら考えてみるよ」


「その時はちゃんと屋敷と行き来出来るようにしてよね?」


「勿論だよ!」


 それから僕とお姉ちゃんは名残惜しそうに屋敷へと帰って行った。




 ◇




 あれから二か月が経った。


 ダグラスさんから商会会議があるので、参加して欲しいと言われ会議に参加した。


「では本日の一つ目の報告と相談です」


 今回も司会はディゼルさんだ。


「『瓶』工場の件ですが、王国内では中々場所が見つからずにいます。今の所バレイント領が良いのではと思っております」


「あ、ディゼルさん、その工場の件ですが、暫く保留にしてください」


「保留ですか? ……かしこまりました」


「もしかしたら、土地が見つかるかも知れませんので、この件に関しては最後に皆さんにも伝えたい事があるので後程に話します」


「かしこまりました、では二つ目の報告です」



 ディゼルさんが報告書の二枚目を開いた。


「『プラチナエンジェル』の使用権利に関してですが、巷で似た物を販売する輩が増えています、王国には使用権利はアカバネ商会にある事を承諾させておりますので、王国に検挙依頼を出しております」


 『プラチナエンジェル』の使用権利とは、様々な部門で使うナターシャお姉ちゃんを模して作られた絵の事だ。


 最初は安値で使用権利を売っていたけど、段々と需要が増えて今ではとんでもない効果を持つようになっていた。


 それに伴い、使用権利の値段も毎月上昇していたが、初期の頃契約していた者達から苦情が入っているらしい。


 『プラチナエンジェル』の使用権利は基本一か月間の契約だ。



 ディゼルさんが報告書の三枚目を開いた。


「次は『無限魔道具』についてです、会議の結果、売るのではなく、貸す方が良いのではないかとの結論になりました」


「売らないで貸すんですか?」


 ダグラスさんが手を上げた。


「それは(わたくし)から説明致します。『無限魔道具』はあまりにも高性能でございます、性能も中身も売るには値段が付けられないくらいに高額になるでしょう。

 それに悪用する輩もいると思われます、ですので、先程の『プラチナエンジェル』の使用権利と同じく一月(ひとつき)単位で貸すのが最善かと思います」


「分かりました、ちなみに貸出にする『無限魔道具』は分解した際に効果が無くなるように施工していますので、その旨も一緒に伝えるようにしてください、後一度でも分解や解析を試した場合は二度と関わらないようにしてください」


「はっ、かしこまりました」×全員


「ではクロウ様、商品は『エアコンキューブ』『シャワー』『水が出る魔道具』の三点にします」


「分かりました、『シャワー』や『水が出る魔道具』は無限に使える訳じゃないので使った分の水を余分で請求しましょう」


 これは事前にソフィアに確認しているが、誰がどのくらい使ったか一人で把握出来るとの事だ。


 毎月『無限魔道具』と水使用費を請求する事となった。



「では三つ目です、相変わらず護衛隊の人員不足が問題になっております」


 これが一番大きい問題かのかも知れない。


 アカバネ商会が大きくなればなる程、強盗や泥棒、商売敵で危険になりやすいからだ。


「こればかりは中々難しい問題ですね」


「はい、しかも各地の料理人で作って貰える料理に違いが出ております。極力差はないように配置しておりますが、どうしても実力差で差が出ている地域もございます」


「それもそうですね……、分かりました」



「では四つ目です……これはちょっと深刻な事かも知れません」


「護衛隊よりも……? どういう案件ですか?」


「はい、『プラチナカード』の件です」


「『プラチナカード』??」


 あれ? ソフィアが毎日一生懸命作ってくれているはずなんだけど……?


「はい、実はこのまま行きますと……今回の『握手会』ですが、女性ギルド『アマゾネス』達の十名様で決まりそうなのです」


「え? 女性ギルド……?」


 僕が想像だにした事がない事件が起きようとしていた。

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