表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
【WEB版】被虐待児の最強転生して優しい家族に囲まれ  作者: 御峰。
奇跡の大地編

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

64/360

59.護衛スライム

 次の日――。


 ソフィアが枕になりたいと言って、ソフィア枕モードになって貰ったけど、これがとんでもなく寝心地がよかった。


 スキルの所為なのか、あまり多く眠らない僕も今までで一番寝たかも知れない。


 メイドのリーナさんが不思議そうにしていた。



 その日、商会のホルデニア支店を訪れていた。


 総帥室を出て、店内に行こうとすると……。


「ちょっと君! ここは普通の人の立ち入り禁止なのよ!」


 と獣人族の女の子が僕に言ってきた。


「えっ? 僕?」


「君以外いないでしょう! 私こう見えてもアカバネ商会の店員なんだから! 君は関係者じゃないでしょう!」


 と言われた。


 あれ? そういえばこの人だれ?



 廊下の向こうバタバタとある女性が走って来た。


 ホルデニア支店の店員をして貰ってる従業員さんの一人だった。


「う、うおおおお、お……オーナー!! 申し訳ございませんでした!! 新人がご無礼を!!」


 と、それは見事な飛び込み土下座だった。


「えっ? おー……なー? クロウ様?」


「あはは、こんにちわ、クロウです」


 目の前の女の子が真っ青な顔になった。


「ちょっとナターシャお姉ちゃんに会いに来たんですけど、いないみたいですね」


「あ……あうう……も……もうしわけ……」


「あはは、気にしてませんから大丈夫ですよ、前回用事があって新人さんの方々に挨拶出来てない僕も悪いですから」


 そこから何とか女の子と先輩店員さんを宥めて、僕は二階の支店長室へ行った。



「クロウ様、いらっしゃいませ」


 元ミリオン商会のメイドの一人、アーシャさんは支店長秘書として働いている。


「ナターシャお姉ちゃんに会いに来たんですけど」


「はい、ナターシャ様は現在旦那様と一緒に部屋におられます」


「そうなんだ!」


「はい、現在お二方に来客がおりまして……」


「うん、なら待つよ」


「かしこまりました」


 ディゼルさんも今や強大商会の支店長だもんな。


 これから簡単には会えないのかも知れない。


 数分して、扉が開いた。


 中から顔が真っ赤になった中年のおっさんとその執事のような人が足早に出て行った。


 中にはディゼルさんとナターシャお姉ちゃんが溜息を吐いていた。



「こんにちわ~」


「ん? クロウ様!」「あら、クロウくん」


 部屋に入ると二人とも笑顔で迎えてくれた。


「今の人、どうしたんですか?」


「あぁ……あれはですね……」


 何か言いにくそうにしているディゼルさんに代わり、ナターシャお姉ちゃんが話した。


「あれは魔道具ギルドの会長なの」


「魔道具ギルド??」


「えぇ、アカバネ商会で使われている全ての魔道具を一台ずつ寄越せってうるさくて」


「いや、ナターシャ、寄越せではない、売ってくれだ……」


「お父さん、あれはお金なんかで売れる品ではありません、だからお金を払うと言っても寄越せと言ってるのと同じです」


 あはは……ダグラスさんからも似た話の報告があった。


 今やアカバネ商会で使われている魔道具は十数点にものぼる。


 そのどれもが今の魔道具ギルドでは再現不可能だからである。


 それもそうだ、厳密に言えばあれは魔道具じゃないからね。


 あれは全て、僕の『魔法』だから売ろうにも売れないのだ。


「それを……たった金貨百枚ですって!? 白金貨百枚くらい持って来いって話です!」


 ナターシャお姉ちゃん凄い怒ってる。


「クロウ様、魔道具は絶対に他所に売ったりしませんので、ご安心ください」


 ディゼルさんが念のためと言った。


「大丈夫ですよ、僕は従業員の皆さんを信じていますから、でも二人ともこれだけ分かって欲しいんです、僕は魔道具より従業員皆さんの命の方が大事だと思ってます、ですので、もし魔道具で命を狙われる事があればそのときは差し出して逃げてください、これは絶対ですよ」


 そして何とかナターシャお姉ちゃんも宥めた。




「それでクロウ様、今日は何か用事でも?」


「あっ、そうだった。今日は紹介したい子がいまして」


「む、また女の子じゃないよねクロウくん」


「あ……あはは……一応女の子……かな?」


 ちょっと!? ナターシャお姉ちゃん!? 何で頬を膨らませるのかな?


「こちら、僕の従魔となったスライムのソフィアです!」


 両手にソフィアちゃんを乗せて二人に紹介した。


「何その子! 滅茶苦茶可愛いわ!」


 すぐにナターシャお姉ちゃんが飛びついた。


 ナターシャお姉ちゃんに撫でられて気持ちよくなったソフィアもご機嫌だ。



【ご主人様】


【うん? どうしたの?】


【この女性はご主人様にとって大事な人?】


【ナターシャお姉ちゃん? うん、僕にとって大事な人だよ?】


【ご主人様のお母さん、お父さん、お兄ちゃん達、お姉ちゃん、ディアナちゃんと同じくらい?】


【うん、そうだね、皆僕の家族だからね、大事だよ】


【分かった!】


 そう言ったソフィアちゃんは……なんと――。


 分裂した!


 分裂したのに大きさが変わっていない。


「へ?」


「あら?この子、分裂したわね」


 そして分裂したもう一人のソフィアはナターシャお姉ちゃんの肩に乗るのだった。



【さっき話した全員にも既に私の分体が一緒にいるよ?】



 どうやら、僕の大事な人達にくっついているようだ。


 ソフィアは会話は出来ないけど、声は聞けるので、そのまま分体で護衛するとの事だった。


「クロウくんありがとう! クロウくんにとって私って、こんなに大事にされるなんて……嬉しいわ」


 笑顔が……ナターシャお姉ちゃんの笑顔が……あまりにも素敵過ぎて眩しいよ。

悪徳貴族との戦いの気配…(ありませn)

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ