34.二回目の結果報告
またストックが溢れる予感…また日曜日集中投稿あるかも知れません…毎日三話投稿とかの方が良かったりするかな?
あれから半年が経った。
僕が六歳に、お姉ちゃんが七歳になった。
ライ兄ちゃんは十一歳なので、来年から王都学園に行く事になるだろう。
お兄ちゃん達も随分補助魔法の速さに慣れてきた。
今では『中級剣士』にも勝てるくらいには強くなっているそうだ。
稽古教官から本当に『剣士』なのかと疑われているらしい。
商会の方もとても順調だった。
いや、順調という言葉で片付けられないくらい順風満帆だった。
以前三か月で大銀貨十枚が金貨六十枚になった、六十倍である。
それ程、ダグラスさんの商売能力が高かった。
あれから何かとダグラスさんの指示で、セベジア港街で取引を手伝ったりした。
ダグラスさんとアヤノさんの給金や経費を引いても三倍の儲けがでた。
金貨六十枚が百八十枚になったと言われた時は本当に大丈夫なのだろうかと思ったくらいだ。
いくら無限に入る『次元袋』があっても、そもそも売っている物資の量は決まっている。
それを出来る限り買取まくっているが、前回とは比べものにならない程妨害を受けているそうだ。
それとダグラスさん達の宿や食事も最上級を取るように命令した。
それでも利益が上がる時点で凄まじい利益だ。
そして今日ダグラスさん達が久しぶりに港街セベジアに帰還したので会いに行った。
「オーナー、いつも会話はしていますがお会いするのは久しぶりですね」
「ダグラスさん、アヤノさん、お久しぶりです! と言ってもよく遠話しているので久しぶりな感じがしませんね」
「この『遠話の水晶』のおかげですよ~」
アヤノさんも大分慣れたようだ、以前はビクビクしていたけど今は堂々としている。
「それで、ダグラスさん? 相談があると?」
「はい、実はここ一年で荒稼ぎをしまして……」
「そりゃ……あれだけ稼いでいますしね……」
金貨約二百枚って一体いくらなのか金額が大きすぎて、感覚が掴めない。
「それで、色んな商会から目を付けられています。それで俺達だけで動いているのも既にバレていますので、これからは集中的に襲われる可能性が増えました」
「資材を持って歩いていなくてもですか?」
「勿論です、しかも俺達の使ってる『アイテムボックス』が最上級品だと言う事は既に噂になっております、アヤノに調べて貰いましたので間違いないでしょう」
「はい、王都の商会ギルドでは最上級『アイテムボックス』が商売に使われていると確信していました」
「最上級『アイテムボックス』が使われたら、それだけでも商売の一人勝ちが確定するようなものです、しかも護衛にアヤノ程の凄腕が付いていますから止める事も出来ないのでしょう、しかしこれ程稼ぐと面白くない連中が多いんです」
実は彼女達が出発する際、補助魔法をたっぷり掛けていた。
アヤノさんは元々強かったのに、補助魔法のおかげで今までの倍は強くなったと喜んでいた。
何度か襲われたと報告にあったが、アヤノさん一人で余裕であしらえたと言っていた。
「これからは……恐らく大型商会と商会ギルドが動いてくるんじゃないかと思います」
「そうですか……」
「それで対策ですが、一番良いのは店を構える事でしょう、商会ギルドに一定収入を入れなければいけませんが、彼らをバックに付ける事もできます。いくら目の敵だとしても街の中までは攻めて来れないでしょうから」
「う~ん……しかし何もしてくれない連中に一定額をあげないといけないのは頂けませんね」
「一応、納めなくても問題はありませんが、商会ギルドが色んな手を使って妨害してくるので現実的には難しいですね」
「例えば、どうやって妨害して来るんですか?」
「よくあるのは、街の不良を使い店の中で暴れるのが多いですね、後は店の前にこちらより安く売る、他の店に商売禁止をさせる、従業員を襲う等、ですね」
「うわ……公平に商売するのは商会ギルドの理念じゃなかったんですか……」
商会ギルドは『公平』を盾にし、権力を振りかざしていた。
多くが貴族が関わっており、設立当初は『公平』ではあったが、時代が進むにつれ貴族の子供が商会ギルドに就職し、どんどん数が増え、今では上層部の殆どが貴族家系だったりする。
「それと、商会ギルドが関わる以上、各街の一等地を借りたり購入するのは難しいでしょう」
街内不動産も基本商会ギルドが管理していた。
「では先ず、当面の目標は土地か店を購入して、そこを拠点に商売をするのですね」
「はい、遠征も勿論良いのですが、そろそろ各街に支店を置き、商売をした方が利益も出ると考えられます」
「そうですね、『次元袋』もありますし、こちらが有利ですからね」
「はい、『次元袋』と『遠話の水晶』さえあれば、勝ち戦ではあります」
「商売より、商会の敵との戦いを制する必要がありますね」
「はい、それで俺達はこのまま貿易街ホルデニアに行きます」
「ホルデニアですか?また随分と遠くまで行きますね?」
「ある噂を聞きまして、ホルデニアの老舗の商会が貴族に潰され掛かっていると」
「ふむ、そこを購入し拠点にするのですね?」
「その通りです」
「分かりました」
「では、俺達は一旦ヘリネ村に移動し、一週間程休ませて頂きます」
「分かりました、ゆっくり休んでくださいね!」
アヤノさんの妹弟達がいる村でまとめて休みたいとアヤノさんの提案で、ダグラスさんも了承していた。
さすがにこんな状況で二人は別々になれないので、ダグラスさんはアヤノさんのところでお世話になるそうだ。
「ではダグラスさん、この宝石を預けておきます、特別な宝石なので、預かっといてください」
「分かりました、これは……ただの宝石に見えますが……」
「僕の秘策です!その時の楽しみにしてください!」
「オーナーの……秘策ですか、またとんでもない品……じゃない事なんてあり得ませんよね」
「そうですよ、いつも驚きばかりですから~」
「まぁ、その宝石についてはそのうち指示しますから」
こうして、ダグラスさんとアヤノさんはヘリネ村へ向かった。
アヤノさんの妹弟さん達へのお土産として、僕からエドイルラ街のお菓子を大量にお土産に渡したら、妹弟さん達に大好評だったそうだ。
大好評過ぎて泣きながら食べてたそうだ。
これから定期的に送ろうと思う。
あれから一週間後、ダグラスさん達はヘリネ村から港街セベジアに戻り、そこから貿易街ホルデニアに向かった。
ホルデニアまでは一週間以上かかるので彼らが着くまでに更に一週間経った。
グランセイル王国の西側コルディオ領の貿易街ホルデニア、その街で僕の商会は、いや、僕の人生は大きく前進するのであった。
◇
※解説
グランセイル王国には王都ミュルスを中心に東に辺境伯エクシア領、西に辺境伯コルディオ領、北に辺境伯ブレイン領があり、王都領が一番広いが辺境伯領も同じくらいの領域がある。
各辺境伯同士は比較的に仲は良いが、それぞれの領で特性がある。
王都領は権利こそ全てを体現したような領だ。
エクシア領は悪や不正を嫌い、平民寄りの領だ。
コルディオ領は西の共和国との貿易が盛んなため、お金持ち寄りの領だ。
ブレイン領は武力こそ全てと、強者寄りの領だ。
それぞれ領で特性があるので、エクシア領が一番弱いとされている。
名前 クロウティア・エクシア
年齢 6歳(男)
種族 人族
職能 アザトース
レベル 49
HP 100×10=1000
MP 800×50=40000
力 490×10=4900
素早さ 490×10=4900
器用さ 490×10=4900
耐性 490×50=24500
魔力 490×300+5000=152000
精神 490×300=147000
[レジェンドスキル] #&$% ,#!$&,異次元空間魔法,精霊眼,神獣の加護
[魔法系統スキル] 中級回復魔法,火属性魔法,水属性魔法,風属性魔法,土属性魔法,転移魔法,雷属性魔法,霧属性魔法,木属性魔法,氷属性魔法,光属性魔法,闇属性魔法,影封印
[スキル] 痛覚無効,睡眠無効,言語能力,魔法超強化,多重魔法発動,魔法調整,魔法無限固定,魔力高速回復,魔力超上昇,魔法高速演算,MP消費超軽減,超手加減,自動収集
[技] MPドレイン,神々の楽園,エリクサー,ソーマ
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