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301.鍵閉め

「リッチお爺さん~終わりましたよ」


 僕は魔族達を全員無力化させて、隠れているリッチお爺さんを呼んだ。


 リッチお爺さんは申し訳なさそうな表情で出て来てくれた。


「リッチお爺さん、あの扉ですかね?」


「お、おお! そうじゃ、あれが『罪の扉』じゃ、その鍵を鍵穴で掛けてしまえば、閉められるはずじゃ」


「ありがとうございます!」


 一応、念の為、扉を開けて見た。


 扉はまさに『次元扉』と同じで、向こうはダンジョンであった。


 それと、もう一つ。


 すっかり忘れていた事なんだけど……。


 この扉を開けていると、『遠話』が繋がった。


【ミューズさん~】


【クロウ様!? ご無事ですか!】


【はい! 無事『暗黒大陸』に入れましたよ~】


【それは良かったです! 今はどういう状況ですか?】


【今は、ラファエルのダンジョンと繋がっている扉を開けたから繋がりました~これからこっちの扉を閉めますので、恐らくラファエルのダンジョンからはこれ以上モンスターが出てこないと思います!】


【!! それは大変嬉しい情報でございます。こちらの各位にもご報告しておきます! クロウ様はこのまま他の扉の対応もお願いして宜しいですか?】


【はいっ! このまま、他の扉も閉めに行きますね!】


【宜しくお願いします!】


 扉を閉めると、またぱったりと『遠話』が使えなくなった。


 ソフィアが一度分析したいと飲み込もうとしたけど、どうやら、この扉は『精霊の扉』とは違って『次元扉』と似てるけど、全然違うらしくて飲み込めない扉との事。


 そのまま、『精霊の鍵』を使い、扉を施錠する。


 またカチッって音がして、扉が開けられなくなった。


 よし! 残るのは六つだね!


 急いで施錠しに行かなくちゃ!



「リッチお爺さん! 次はどこの扉が近いんですか?」


「ん~そうじゃな、ここから南周りに回った方が早いかも知れぬが……結果的全部回るのであれば、北でも南でも良いと思うんじゃが」


「そうか……じゃあ南から行きましょう!」


「そ、そうじゃな」


 僕は再度お爺さんを優しく掴まえて、南を目指して空を飛んだ。




 暫く飛んでいると魔族やモンスター達が沢山集まっている集団を見つけた。


【クロウくん、あの集団の中に『扉』を見つけたわ!】


 メティスの報告から精霊眼で扉を確認した。


 では、今回も急いで吹き飛ばして、扉を閉めますか!


 風属性魔法を思いっきり! そして、超手加減!


 勿論、先程と同じく念の為に、扉には一切のダメージが入らないような設定も忘れずに!


 おお~魔族やモンスター達が台風で飛ばされている!


 落下も優しく決めて、命までは奪わないようにして、全員無力化させた。


 広場の中央の扉を閉める。


 今回は『ミカエル』みたい。


 それから僕はリッチお爺さんに言われた方角に飛び、また全員無効化させて扉に鍵閉め作業に勤しんだ。




 ◇




 五つの扉を閉めた。


 『ラファエル』『ミカエル』『カマエル』『アズライール』『ガブリエル』の計五か所。


 次の扉を閉めに向かい、向こうの魔族達が防衛している里に辿り着いた時に問題は起きた。


 遠目でモンスター達が沢山いるのは見えていた。


 段々近づいて行くと――――いきなり大爆発が起きた。


 大爆発というか、爆炎?


 しかも爆炎がちょっと熊みたいな形をしていて可愛い。


 ん~どこかで見た形の爆炎な気がする……。



 炎が魔族やモンスター達を飲み込んでいる中に僕が到着すると――――




「旦那様!!!」




「えええええ!? ヒメガミさん!?」


 そこにはヒメガミさんと、ヒメガミさんの相棒の白狐、それとヒメガミさんにそっくりな女の子が二人並んでいた。


「まさか……旦那様が迎えに来てくれるなんて! 嬉しいわ!」


 えっと……迎えに来た訳では……。


「あはは……僕も逢えて嬉しいです」


 目がハートになっていて、炎の形までハートになっているのは気のせいだろうか……。


 それと後ろの女の子の一人から、物凄く睨まれてるんですけど!?


 そっと後ろの女の子が手をあげた。


 そして、その手から放たれた激しい雷が僕に目掛けて――――


「ぎゃあああああああああ」


 ん?


 後ろを見ると、雷は僕じゃなくて、後ろにいたリッチお爺さんに直撃していた。


「あ! 違うんだ! この人が敵じゃないよ!」


「!!」


 驚いた女の子は魔法を辞めた。


 そして、タタタタって走って来て、困った顔でペコペコ頭を下げる。


 ヒメガミさんに似てて美人というか、幼子らしい可愛さも相まって、物凄く可愛い。


 言葉に言い表せないくらい可愛い。


「旦那様、今度はモンスターも仲間にしたのですか?」


「え!? モンスター……確かに言われてみればモンスターと言っても違い無さそうだけど……ちゃんと意識があってリッチっていう存在みたいですよ? リッチお爺さん~大丈夫ですか?」


「ぐぬぬ……儂はこうみえても魔法耐性が物凄く高いはずなのに……どうしてこうも魔法でやられるのじゃ……」


 女の子はリッチお爺さんにも走って行き、ペコペコ頭を下げた。


 リッチお爺さんは「大丈夫、問題ない」と言いながら、女の子の頭を優しく撫でてあげた。

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