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256.イベントの多様化

 予想していた以上に、アカバネ大商会の運営が順調なようで安心した。


 そして、今度は各イベントの報告があった。



 今まで『アカバネ祭』で行っていたイベントが分岐する事となった。



 一番大きいのは『ライブ』。


 『ライブ』は、僕の奥さんであるナターシャお姉ちゃんが管理する事になった。


 今では多く増えた魔道具で、全てのステージ分の魔道具が準備出来た。


 今までは遠距離ライブ観戦装置(ライブビューイング)を使って一か所で開かれている『ライブ』を各街で見れるようにしていた。


 しかし、これからは、全ての町で、それぞれ『ライブ』を定期的に行う事になった。


 何故、各町それぞれで開かれるようになったかと言うと、ナターシャお姉ちゃんの案で、これからは『アイドル』を自分だけではなく、色んな『アイドル』にする事によって、沢山の人々に『アイドル』になれるチャンスをあげたいとの事だった。


 既にテンツァー(踊る者)の六人が、先駆けて『アイドル』となる事が決まっているようだ。


 更にここでナターシャお姉ちゃんの案で、これからは『アイドル(踊って歌う)』だけでなく、踊りが得意な者、歌が得意な者でもステージに立てるようにしたいと言われた。


 セシリアさんから前世でそういう人を『歌手(歌う者)』と『ダンサー(踊る者)』と言っていたとの事で、テンツァー(踊る者)が無くなり、『歌手(歌う者)』と『ダンサー(踊る者)』が誕生した。


 これからの各町のイベントでは、『歌手(歌う者)』と『ダンサー(踊る者)』そして『アイドル』の三つの分野になる事が決定したのだった。




 二つ目の『アカコレ』。


 現状、大陸中の平民達の美意識やお洒落が格段に上昇した為、衣服が飛ぶように売れ、アカバネ化粧水から化粧品も飛ぶようになった。


 その中でも、僕も初めて知ったけど――――どうやら『ランジェリー』の売り上げがとんでもない事になっているらしい……。


 その…………うちの奥さん達が着ていた寝間着とか……過去一の売れ筋らしい。


 そんな事もあり『アカコレ』の種類を増やして、大々的にするのではなく、専門的に開く事となった。


 自由参列が可能な通常服。


 それぞれの性別の人だけが参加出来る『ランジェリー』。


 貴族御用達の貴族服。


 そんな感じで、目的にあった『アカコレ』を行う事となった。


 特に『ランジェリー』は…………その……全員が下着の見せイベントになるので、女性用は女性のみ、男性用は男性のみの参加だ。


 アカバネ大商会の従業員ですら、性別は決まり通りする事になっている。




 三つ目は料理イベントを開く事となった。


 食材の安定した普及により、各地で料理の制限がなくなってきた。


 そんな中、安価で美味しいモノ以上に、高価で味を追求した料理も流行っていた。


 その料理を競うイベントが欲しいとの事で、三か月間隔でそれぞれの国から多くの料理人達の挑戦が始まる予定だ。


 イベントが開かれると、料理人各自が作った料理を参加者が食べ、投票するシステムだ。


 投票は、参加者全員から一票ずつして貰い、投票が一番多かった料理が優勝し、優勝料理としてアカバネ大商会の新聞による宣伝から支援まで、色々特典が多いので、これから生まれるであろう多くの美味しい料理が楽しみであった。


 毎回、ルールが決まっていて、一品の値段は幾らまで、という制限は付けるようだ。




 そして、最後の四つ目。


 それは『テーマパーク』だった。


 戦争で一時中断していた工事も再開したようで、セシリアさんやリサ、僕の意見を主軸に、僕の奥さん達や知り合いによる案も多く取り入れて作っているそうだ。


 マリエルさんも魔道具関係で現在は『テーマパーク』用の乗り物(アトラクション)制作に集中していた。


 余談だけど、マリエルさんと後輩のペリオさんの結婚が決まったそうだ。


 二人の意向で、式は挙げずに二人だけで過ごすそうで、マリエルさんらしかった。


 僕がどうしても祝いたいと言ったけど、それならせめて『テーマパーク』が完成した後にして欲しいとの事だった。




 報告会議も終わったので、僕は折角だからと『テーマパーク』予定地を訪れた。


 想像していた以上に、出来上がっているように見える。


 本でしか見た事なかった、夢の遊園地が広がっていた。


 立ち入り出来ないように、警備隊と周辺は柵になっているが、多くの見物客が建設状況を見に来ていた。


 アカバネ大商会が全力で建設している謎の施設。


 その広さも大きな街と同じくらいの広さという事も相まって、色んな噂になっているみたい。


 建設中の職人さんの仕事だったり、マリエルさん率いる魔道具隊の仕事だったり、時折現れるソフィアもとても人気のようで、僕とソフィアが現れた時は物凄い歓声がした。


 警備隊の人に通して貰い、僕とソフィア、レイラお姉さんは『テーマパーク』内に入ってみた。



 不思議な建物から、アトラクション(乗り物)が果てしなく広がっていて、まるで夢の国にいるかのようだった。


 レイラお姉さんも目をキラキラさせて、初めてみる光景に魅入っていた。



 ソフィアは定期的に訪れていて、魔道具作成に一役買っていたそうで、建設中の『テーマパーク』の内情についてとても詳しかった。


 僕達はソフィアの案内で『テーマパーク』を歩き、一日を過ごした。

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