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【WEB版】被虐待児の最強転生して優しい家族に囲まれ  作者: 御峰。
開花編

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23.両親の帰還

お姉さん、お姉ちゃん、お兄さん、お兄ちゃんの書き方がバラバラなの本当に申し訳ございません、、、どうして編集してるとき気づかないんだぁぁぁ

 執事サディスさんのおかげで大幅にレベルアップしたあの日から二日が経った。


 そして今日漸くお母さんとお父さんが帰ってきた。


 当然、僕はお父さんの部屋へ呼び出されてしまった。


「お父さん、お母さん、お帰りなさい」

 

「只今クロウちゃん」「只今~」


 二人はどこか疲れた顔だった。


 恐らく大怪我した人達の対応に追われていたのだろう。


「クロウの言った通り、港街セベジアでは大事件が起きていたよ」


「そして、早い対応が出来たおかげで多くの命を救えたわ、クロウちゃんありがとう」


 流石は噂に聞く良い領主の夫婦だ。鼻が高い。


「それで、クロウ、一つ聞きたいのだが、あの事件が起きたのは君が知らせてくれる前日に起きたみたいだが……?」


「はい、偶々知り合えた家族から聞けましたから」


「そうか……それでクロウ……あの街からここまでは馬車でも二日もかかる距離だ、時間的にクロウがあの事件を知っているのは辻褄が合わないのだ」


 あっ……僕とした事が……サディスさんから二日の距離だと聞いていたのに……。


「え……あはは……たまたま……」


「二日も離れている街の前日に起きた事件をたまたま聞いたと?」


「クロウちゃん、怒っているわけじゃないのよ、ただどうやってクロウちゃんがそれを知る事が出来たのか、それが知りたいだけなの」


 罪悪感があるけど、『精霊眼』を使ってしまった。


 お父さんもお母さんも本当に怒ってはいなくて、どちらかというと心配している気配だった。


「実は、僕の新しい魔法であの街まで飛んで行ってきたんです……」


「ええええ!? いつの間に……クロウ、一人で街を歩くのは非常に危険な事なんだぞ?」


「そうよ、しかも飛んで行ったって……まぁクロウちゃんは『賢者』なのだから空を飛ぶ魔法とかあるのかしら」


 空を飛ぶ魔法! ちょっと憧れる! 後で練習してみよう!


「えっと、飛ぶって空をじゃなくて……魔法で、一瞬で移動するみたい……な?」


「へ? 一瞬で……移動?」


 お父さんが間抜けな顔になった。


「名前は『転移魔法』っていうんですけど…」


「はぁぁぁ!?」「転移魔法!?」


 椅子に座ってるお父さんがズッコケた。


「伝説でしか存在しないと言われた『あの魔法』をうちの子が……」


「あいたたた……転移魔法何て存在するんだな」


 起き上がるお父さんに軽くヒールを掛ける


「あ……当たり前に無詠唱で回復魔法を……」


「お母さん、無詠唱ってそんなに不思議なの?」


「それはそうよ、魔法は詠唱が必要とされていて、長年使い込んでやっとその魔法の詠唱破棄が出来ると言われているわ。しかしそこから無詠唱にたどり着けた人はいないと言われているの、無詠唱で魔法が使えるのは『賢者』だけかしらね」


「そうなのですね……てっきりみんな使えるかと思ってました」


 本当にそう思ってた、先日『スレイヤ』さん達から教わるまでは。


「もしみんな無詠唱で使えたら……とんでもない世の中になっていたかも知れないわね」


「そうなんだ……」


 何となく、レベリング途中で、何故皆便利な無詠唱魔法を使わずいるんだろう? とは思っていた。


 例えば、火の魔法。


 お店とかキャンプ中のパーティーが火起こしする際、火打石と言うもので火を起こしていた。


 火の魔法だと一瞬で付けれるのにどうして火打石を使うのだろう? と思った。


「えっと、それじゃこういう事もですか?」


 右手の人差し指を上に向き、指先に小さな炎を燈した。


「ぁ……」「まじか……」


 二人とも顎外れますよ~ 驚き過ぎです……。


「えっと……クロウちゃん? それは……魔法なの?」


 『スレイヤ』のみなさんと同じ感想が出た。何故だろう?


「えっ? 見ての通り、火属性魔法ですよ?」


「いやいや、無詠唱もさることながら、そんな()さい火を出せるって魔法の強弱を調整出来るの? 因みに、ファイアボールなのかしら?」


「魔法名は――特に無くてただ炎を出してるだけです」


「そうか、取り敢えず魔法の『常識』が通用しないのは良くわかったわ。クロウちゃん、今日からお母さんが魔法の『常識』を教えるわね」


 お母さんとお勉強!?


「は……はいっ!」


 凄く嬉しい!そもそも誰かと一緒に勉強出来るのは幸せな事だ。


 前世でもよくお母さんと勉強をしていた。


 色んな事を教わって、不思議な事があると「どうして?」って聞くとあたふたしながら、最終的に頭を撫でてくれて、「うちのくろとはお利口さんだね~」って褒めてくれた。


 お母さんから捨てられたあの日から僕たちには寄り所が無くなり、最終的にああいう選択を取ってしまったけれど、今でも前世のお母さんは好きだ。


 もし妹を見つけたら今度は一緒に前世のお母さんも探して見よう。




 ◇




 ◆フローラ・エクシア◆


 うちの三男が普通ではないのは分かっていた。


 先日、「港街セベジアで事故があって、大怪我した人がたくさんいるって聞いた」と話した。


 五歳で既に最上級職能『賢者』を開花した子、職能開花した時点で知能は大人以上だろうと思っていた。


 そんな息子が言うのだから、その言葉を信じ、夫であるアグウスくんと一緒に港街へ急行した。


 港街に着いた時、玄関口で真っ先に港街セベジアを任せていたメリッド子爵が土下座をして待っていた。


 彼はとても高い能力を持った若い子爵なのだけれど、その高い能力のせいでたまに周りを巻き込み無茶ぶりを行う事があるのが玉に瑕だった。


 子爵から()かれと思って、この時期取れる光る海老をたくさん取るため無茶ぶりをして大事故を起こしたという。


 既に事故にあって被害があった住民達には謝罪と補償等終わっていたが、通常の回復の使い手が治せない数人は未だ重症だという。


 急ぎ、重症の方々を回り、何とか今回の事故一人も死者を出さずに済んで良かったわ。



 子爵は命で償うと言ったけれど、彼の高い能力と人徳を知る住民達に猛反対をされ、号泣しながら住民達へ感謝し、此度のような事が起きないよう励むということで決着が付いた。


 ただ、不思議なのは一番重症だったと言われた方の家に尋ねると傷一つ無かった。


 そしてその方と奥さんと息子くんから、何も言えないけれど感謝しますと延々と土下座で感謝された。


 えっと……私そんなに感謝されることしたのかしら?


 そして事件が落ち着き、エドイルラ街の屋敷に戻り、三男のクロウちゃんを呼んだ。


 どうやって事故を知ったのかと聞いたら、魔法で飛んで港街へ行っていたと自白してくれた。


 やだこの子、私達の知らない間にそんなこと出来るようになっていたの。


 えっ? 転移……魔法? あの本の中の妄想の魔法と言われてるあの魔法のこと?


 あまりにも驚き過ぎて夫のアグウスくんが椅子から転げ落ちゃった。


 えっ? 今のは……『ヒール』なの? 詠唱も魔法名もない? 詠唱破棄でもなく、無詠唱なの?



 このままでは、知らないうちに色んな悪意に晒されてしまうかも知れない。


 だから少しでも、息子のためになるため、魔法の『常識』を先に教える事にした。


 嫌がったらどうしようと思ったけど、思った以上に喜ばれて満面の笑みで目がキラキラしていた。


 あぁ……うちの子、世界一可愛い。

世界一可愛い。


このフレーズ凄い好きです。

これからも多用しちゃいます。

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