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224.教皇の正体

「くろにぃ、教皇は――――『魔族』だよ!」


 え? 魔族??


 教皇はその禍々しいオーラから、人ならぬ者に姿を変えていた。


 真っ黒い肌に耳も尖って、真っ赤な目になっている。


 人の姿の時は老人だったけど、今は若い魔族の姿になっていた。


「クハハハハッ! この姿に戻るのも、久しぶりだな!」


 禍々しいオーラが放たれるだけで、彼がどれ程強いのかが伝わってきた。



「リサ、神々の楽園は全開にしておいて」


「うん、分かった」


 僕とリサの神々の楽園を全開にすると、教皇の禍々しいオーラと僕達の威圧感がぶつかり合った。


「ほお、流石はここにこれただけの事はある。では少し遊んでやろう」



 教皇は右手を上げた。


「ダークネスジグソー」


 数え切れない程の無数の闇の刃が飛んできた。


 すかさず、僕は光属性魔法を放った。


「ほぉ……それ程の魔法を『無詠唱』とは、中々素晴らしいではないか」


 僕は火属性魔法と水属性魔法を同時に撃った。


 魔法はしっかりと教皇に激突し、轟音が響いた。



 ――しかし、


 魔法の残滓が消えると、そこには無傷の教皇がいた。


「――――、サンクチュアリ!」


 その隙に、リサが領域魔法を展開した。


 直後、教皇は一瞬で飛びかかってきた。


 僕は土属性魔法で壁を作るも、教皇の打撃であっさり壊された。


 その打撃の衝撃波が僕に当たり、吹っ飛ばされた。


「くろにぃ!」


 リサが教皇を杖で叩くも、教皇は軽くあしらってリサに蹴りを入れ吹っ飛ばした。



 僕は雷属性魔法を最大で一点集中で使った。


 雷の爆音と共に、一瞬で教皇に刺さった。


 ――――ゴゴゴゴゴ


 当たった後から音が聞こえてきた。


 ――しかし、教皇にはまるで効かなかった。



「くっくっくっ、ここまで魔法が使えるとは……儂じゃなければお前に勝てる者等、何処にもないだろう、クハハハハッ!」


 冷や汗が流れた。


 今まで戦った人で一番強い。


 ――寧ろ、魔法が効いてないような気がした。


「クロウティア、お前には感謝している。だから一つだけアドバイスをやろう。儂に『魔法』は効かんぞ?」


「え!?」


「お前達が幾ら儂に魔法を撃とうが――――全く効かないのだ、クハハハハッ!」


 魔法が……効かない!?



 そんな中、後ろからソフィアが駆けつけてくれた。


【ご主人様! 私も参戦する!】


「ん!?」


 ソフィアの究極触手が教皇に叩き込まれた。


「くっ」


 教皇は慌てて、両手の爪を長く変形させ、触手を斬り払った。


 爆音と共に、数本が教皇に叩き込まれ、教皇は吹き飛ばされた。


「ソフィア! ありがとう!」


 一度、リサとソフィアと体勢を整えた。


「リサ、魔法は効かないらしい」


「分かった!」



 吹き飛ばされた教皇が立ち上がった。


「まさか……『アルティメットスライム』とは……これは流石に分が悪い……仕方ない」


 教皇は両手を前に上げた。


「クロノスアポロフィシーア!」


 教皇の詠唱で、広場の中央で機械のように祈りを捧げていた枢機卿五人の身体が赤く光った。


 そして、彼らの姿がどんどん無くなり、赤い光の玉になった。


 赤い光の玉は教皇に帰っていった。



 赤い光の玉が教皇に入ると共に、また今まで以上に強いオーラを放った。


 あまりの威圧感に、大地が揺れる。


「くっくっくっ、光栄に思え、俺様の本気が見れる事を!」



 教皇は目にも止まらぬ速さで僕達を襲った。


 ソフィアの補助あってギリギリ、跳ね返せていた。


 一撃、一撃が重くて速い。


 中に魔法も混ぜて攻撃してくる。


 しかも、魔法も数発でもなく、毎回数十発程撃って来る。


 魔法は僕の魔法で何とか対応して、物理攻撃はソフィアの触手で何とか対応していた。



 数十分、戦っていると、教皇の動きが段々と悪くなっていた。


 小さいとは言え、ダメージが蓄積されているのだろう。


 ――しかし、


「クロノスエピストロフィ!」


 教皇の身体が青く光った。


 光が消えた教皇は――――


 全く無傷の状態になっていた。






 ――――本陣衝突まで、あと2時間。

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