20.サリア
何と、PVが5000を超えました！
本当にありがとうございます！
次は10000目指して投稿頑張って行きます。
◆Ａランク冒険者、サリア◆
私はＡランクパーティー『スレイヤ』の上級魔法使いサリア。
エクシア家から『秘密の契約』まで持ち出して、レベリングの依頼があった。
そこに現れたのは五歳の黒髪で碧眼の可愛いらしい男の子だった。
彼はエクシア家の三男で、世間ではご病気と公表されている。
でも実際は健在しており、何故それを偽っていたのか、その理由が分かる事となった。
ハーフエルフとして生まれた私は生まれながら魔法の適正があり、魔法が使えた。
そして五歳の時、職能開花で上級魔法使いを授かった。
それはとても強い職能だった、しかしこの職能で私の人生は落ちる事になった。
私はとある貴族の性奴隷として捕まったエルフの母親から生まれた。
もちろんお父さんは貴族様。
そして、私も勿論生まれながら奴隷扱いだった。
しかし、上級魔法使いという職能を開花した事から貴族様の目の色が変わった。
そこからは綺麗な服、美味しい食事等、良い待遇になった。
そして数年後、力を付けた私は何とかお母さんを救出する事が出来た。
そしてお母さんと貴族様から逃亡し、なんとかエルフの里へ帰った。
でも現実はそう甘く無かった。
人間に穢されたお母さんとその生まれの私はすぐさま追放となり、エルフの里には一歩も入る事が出来なかった。
その後、お母さんと遠くへ逃げた。
途中運良く、セルライト家の馬車に拾われ、その馬車の行き先のエクシア領へたどり着いた。
しかし、長年の奴隷生活で碌に食べる事も出来ず長距離移動でお母さんは満身創痍だった。
近くを偶々通ったガイアという冒険者が助けてくれたが、まもなくしてお母さんは息を引き取った。
その後、私はガイアさんの伝手で冒険者になり、友人と呼べる仲間二人も出来た。
そして王国内の多少なりと名前も売れるようになった。
『森の魔法使いサリア』それが私の通り名になった。
私の上級魔法使いは上級魔法に適正があった。
下級魔法の四属性、火、水、風、土
中級魔法の二属性、霧、雷
上級魔法の二属性、木、氷
中級魔法と上級魔法は下級魔法属性の合成属性である。
中級魔法の霧属性は火属性と風属性、雷魔法は水属性と土属性だ。
こちらの二属性はお互いに反発し合わない属性である。
そして上級属性はお互いに反発し合う属性である。
木属性は火属性と土属性、氷属性は水属性と風属性である。
実は伝説になっているが上級魔法に他にも二属性があるがそれは今まで使えた人間が一人ずつしかいないため、確認出来ていないので割愛とする。
そんな私の上級魔法は木属性に適正があった。
私は火属性魔法、土属性魔法、木属性魔法の三つの属性持ちだ。
木属性魔法は攻撃魔法ではなく、基本が防御と補助魔法に特化した属性である。
身体を活性化させて回復を早めたり、筋力を上げたり、俊敏性を上げたりとパーティーには非常に重宝する魔法だ。
自慢じゃないが、私の補助魔法もあって、『スレイヤ』の三人は最速でＡランク冒険者になれた。
そんな私達は自分達が誇りだった。
二人も大変な人生を歩んできて誰も信じれず、今の三人は友人仲間を超え最早家族同然だ。
そんな私達の今回の依頼。
クロウ君のレベリング、そう聞いた。うん、レベリングと。
大事な事なので二回言った。
初日、ダンジョンに入り、近くにいたマンイータの先制攻撃をクロウ君に任せた。
それが大失敗だった。
「火属性魔法！ 思いっきり！」って唱えた彼の両手の前には今まで見たことも聞いたこともない事が起きた。
直径五十cm程の火の玉。まず有り得ない大きさ、五十cmの火の玉って見たことも聞いたこともない。
それに色。火属性魔法は淡い赤色をしている、見方によってはピンク色に見えるくらい薄い。
でもあの火の玉は違った。紅蓮色と言えばいいのかな。
あの伝説の上級魔法属性の核熱属性じゃないのかと思えたくらい濃い、濃すぎる赤色だった。
あんなの、撃たなくてもヤバいって感じた。
同じ魔法使いだからこそわかる、あれはヤバいと。
そして彼が放った魔法は…それはもう、想像通りだった。
――――――大爆発。
うん、その一言だ。
あれを見たとき思ったのは、ですよねーだった。
そうなりますよねーってなった。
そして私達は逃げるように長期間契約している専属の宿の部屋へ逃げ帰って来た。
そこから彼を問い詰めた。
え？ 詠唱唱えた事ない？ 魔法名もわからない？
そして彼は私の前で『無詠唱』で指に小さな火の魔法を見せてくれた。
そこからは記憶にない。
だって私、気絶したんだもの。
『無詠唱』って伝説のスキルだと思っていたのに……。
そこから目を覚ましたのは次の日だった。
よほどショックが大きすぎて精神的なダメージがあったみたいだ。
今日から頑張ろう、クロウ君の強さで吃驚してしまったけど、逆に教えを乞う立場として頑張ろう。
今日から師匠と呼ぶ事にしよう。
サリアさんはヒロイン枠じゃありません。
