13-1.職能開花
本日から二章でございます。
偶々ですが今日から毎日二話ずつ投稿で二章も来週土曜日で終わります。
ですので来週土曜日まで二話投稿になります。
セレナお姉ちゃんの職能開花から一年が経った。
そして遂に僕の職能開花の日が来たのだった。
今回も相変わらず大慌てで屋敷内がバタバタしていた。
但し、去年に比べると贈り物が全然無かった。
両親曰く、僕は生まれてからずっと病気で屋敷からも出られないと公表していたらしい。
僕が自由に魔法の練習を出来るようにするためにそのまま嘘を突き通していた。
さて、うちのお姉ちゃんはあの『剣聖の証』になっているし、お兄ちゃん達も『剣士』と恵まれている。
僕だけ『ノービス』だったらどうしよう……。
あの優しい両親は「もしもクロウがノービスだったとしても私達は愛してるわ、だから心配しないでね」とお母さんが話してくれた。
でもその時お母さんの目……なんとなく点になっていたような気がしたんだよね、心配だ……。
そしてリビングで待っていると家族みんな集まってきた。
みんなから祝いの言葉を貰いながらどうしても緊張して全く耳に入ってこない。
そんなこんなワクワクしながらも緊張していると、何処からともなく声がした。
- まもなく職能開花が始まります。-
なんとなく《天の声》さんの声と似てるけど《天の声》さんではない声だった。
そして十秒程して、僕の体が光り始めた。
名前 クロウティア・エクシア
年齢 4歳(男)
種族 人族(幼)
職能 未開花
レベル 1
HP 42/42 ×1
MP 800/800 ×1
力 10×0.1=1
素早さ 10×0.1=1
器用さ 10×0.1=1
耐性 10×0.1=1
魔力 10×0.1=1
精神 10×0.1=1
[レジェンドスキル] #&$% 、#!$&
[魔法系統スキル] 下級回復魔法,火属性魔法,水属性魔法,風属性魔法,土属性魔法,空間魔法,氷属性魔法,雷属性魔法
[スキル] 痛覚軽減レベル10,感情無効,言語能力,魔法強化レベル3,睡眠耐性レベル9,多重魔法発動,魔法調整,魔法固定
[技] なし
――これが五歳の職能開花直前の僕のステータスだ。
- 職能開花を実行します。-
- 職能『アザトース』が開花しました。-
- 職能により下級魔法、中級魔法の全属性の使用が可能になりました。-
- スキル『光属性魔法』『闇属性魔法』を獲得しました。-
- スキル『空間魔法』進化派生によりスキル『転移魔法』を獲得しました。-
- スキル『痛覚軽減』レベル10とスキル『感情無効』が融合し、スキル『痛覚無効』に進化しました。-
- スキル『魔力高速回復』を獲得しました。-
- スキル『魔力超上昇』を獲得しました。-
- スキル『魔力超上昇』によりスキル『魔法固定』がスキル『魔法無限固定』に進化しました。-
- スキル『魔法強化』レベル3が4に上がりました。-
- スキル『魔力超上昇』によりスキル『魔法強化』レベル4がスキル『魔法超強化』に進化しました。-
- スキル『睡眠耐性』レベル9が10に上がりました。-
- スキル『痛覚無効』によりスキル『睡眠耐性』レベル10がスキル『睡眠無効』に進化しました。-
- スキル『魔力超上昇』スキル『魔法超強化』の進化派生によりスキル『魔法高速演算』を獲得しました。-
- 技『MPドレイン』が使用可能になりました。-
名前 クロウティア・エクシア
年齢 5歳(男)
種族 人族
職能 アザトース
レベル 1
HP 42×10=420
MP 800×50=40000
力 10×10=100
素早さ 10×10=100
器用さ 10×10=100
耐性 10×50=500
魔力 10×300+5000=8000
精神 10×300=3000
[レジェンドスキル] #&$% 、#!$&
[魔法系統スキル] 中級回復魔法,火属性魔法,水属性魔法,風属性魔法,土属性魔法,空間魔法,転移魔法,氷属性魔法,雷属性魔法,霧属性魔法,光属性魔法,闇属性魔法
[スキル] 痛覚無効,睡眠無効,言語能力,魔法超強化,多重魔法発動,魔法調整,魔法無限固定,魔力高速回復,魔力超上昇,魔法高速演算
[技] MPドレイン
――これが僕の新たなステータスだ。
まず聞いたこともない職能だった。
そして数多くの魔法系統のスキルを獲得しているので、魔法系統職能だろうと予想した。
[アザトース] - 解析不可
《天の声》さんも分からない職能らしい、ただ『解析不可』という言葉は気になった。
[魔法超強化] - 全魔法を通常より多くのMPを使用し、効果を増大させるスキル
前身である魔法強化は最大十倍だった。
超強化は最大二十倍になった。
[魔法無限固定] - 決めた範囲内に決めた魔法を発動させ続ける事が出来る。固定時、MPを注ぐ事によりMP分発動し続けさせる事が可能(注ぐMPに限界無し)
前身の通常固定は込められるMPに限界があった。
今回無限になることでその制限が無くなったようだ。
[魔力高速回復] - MP回復速度が四倍速くなる
MPは四分で一%回復だったから。
これで一分一%回復になった、百分で全回復だ。
[魔力超上昇] - 魔力五千上昇、その他多数の魔法系列スキルに関与する
魔力が五千も上昇するスキルだが、それだけではなく魔法系列のスキル習得をしやすくしたりと非常に有能なスキルである。
[魔法高速演算] - 演算が必要な魔法の使用時、演算を百倍高速化する
こちらは演算が必要な魔法専用スキル、演算が必要な魔法は空間魔法、転移魔法がある。
このスキルと転移魔法があれば、目に見える範囲なら一瞬で転移出来る。
[MPドレイン] - 職能『アザトース』専用技、無限使用可能。相手のMPを吸収する。但し吸い取ったMPは1/100しか吸収出来ない
初めて技を手に入れた、無限使用可能なのはとてもありがたいことだけれど、吸収率が低いから使い道はあまり無さそう、緊急時用かな。
◇
職能開花が終わり、僕が目を開けた。
家族みんな心配そうな目で見つけている。
「クロウ? どう? 大丈夫?」
お姉ちゃんが心配そうに聞いてくる。
「うん、大丈夫だよ!ちゃんと職能貰えたよ」
それを聞いた家族みんなひと安心の溜息を吐いた。
そして去年と同じく、お父さんから聞かれた。
「クロウティア、どんな職能が開花したのかい?」
しかし、これが非常に困った…『アザトース』って職能って誰も知らないだろうし僕も知らない。
今までの傾向から《天の声》さんが答えられないのは恐らく誰も知らないはずだ。
そのまま答えてもな……どうしたら良いものか……。
家族皆息を吞み、僕を見つめている。
「えっ……と……ノービスでした」
取り敢えず当たり障りないのない返事をしてみる。
しかしみんなキョトンとした。
「クロウ? 何故私達に嘘をつくの?」
お姉ちゃんが真っすぐ僕の目を見つめ言ってきた。
あぁ……お姉ちゃんには嘘つけないんだった、何故かいつもバレるんだよね。
「えっ……と…………ん……」
どうしたら……。
悩んだ末に導いた答えは……。
「け……『賢者』でした……」
魔法系列スキルたくさん習得したし、『賢者』と名乗っても問題は無さそうと安易に思ってしまった。
それを聞いた家族全員が立ち上がって驚いている。
「く……クロウ? け、賢者……『賢者』で間違いないんだよね!?」
あ母さんがそう聞いてきた
「えっと、はい」
何だか、不安になる。
さすがに『賢者』は言い過ぎたかな?
「『賢者の証』じゃなくて『賢者』なのね!?」
「あっ」
あっ、しまった、そう言えば上級職能って強力過ぎるから五年間『証』の職能のはずだ。
『アザトース』が強烈過ぎてすっかり忘れてしまっていた。
もう言ったのは仕方ない、以前賢者様の本を読んだ時、賢者様が使えた魔法は多分今なら使えるから問題はないだろう、特に『転移魔法』があるなら何とか納得して貰えると思う。
「まさか、『賢者』の職能ではないかとは思っていたけれど、『証』を通り越してそのまま『賢者』だなんて」
「クロウティアはいつも想像以上だね」
「クロウ、素晴らしい職能おめでとう! 誇らしい弟だわ」
皆から祝って貰い、何とか僕の職能開花は無事に終わる事が出来たのだった。多分無事に。
ここから物語のチートの始まりです。
クロウくんがどうやって生きていくのか、優しく見守って頂けたらと思います。