136.メティス
今週の投稿頻度は少し変わります。三日程一話投稿になります。
それと、作者初のジャンル別ランキング30位以内に入れました!!
これも日頃、誤字報告してくださった皆様のおかげだと思っております。
まだ誤字が多くて、読みにくいと思いますが、読んでくださり本当にありがとうございます!
まだまだこの先も続きますので、見守ってくださるとありがたいです。
よろしくお願いいたします。<(_ _)>
次の日の朝。
「はっ!? あれ? 何だか……凄い夢を見た気が……する」
起きたらベッドだった。
一体、僕はどうしたんだろう?
えっと……昨日夜、確か……【メティス】が生まれて……それからそれから……。
夢で見たあれを思い出して顔が熱くなった。
あ……ああ……僕はなんて……いけない夢見てしまったんだ……。
お姉ちゃんの……ディアナの……リサの……。
想像しているだけで気が飛びそうだ。
【おはよう~? 坊や】
「あ、『メティス』?」
【そうだよ~、みんなの『アイドル』メティスちゃんだよ~☆】
「そっか」
【ちょっと!? 少しは反応して欲しいかな!】
「だって、坊やって言ってくる女性が『アイドル』と言われても……なんか違うというか」
【えー、そうなの? まだ人族の事は勉強不足かな?】
メディスが頭の中で何かをブツブツ呟いている。
何だか聞いてはならなさそうなので聞かない事にした。
「メティス? まだ聞いてなかったけど、メティスってどういう存在なの?」
【――――、んとね、私はクロウくんの神位スキルによって生まれた……いわばスキルの意識体だよ~】
「スキルの意識体?」
【うん~、『全能ノ神』によってこうして思念を伝える存在になって、『叡智ノ神』によって思考が出来るようになったの! 簡単に言うと意識を持っている喋る《天の声》さんって感じ~】
す、凄い!
「凄く物知りな《天の声》さんがこれからは普通に喋ってくれるって事?」
【そうだね~私は叡智ノ神であるから何でも聞いてくれていいわよ~】
メティスがとても心強かった。
「それじゃ……最初に僕の職能『アザトース』ってどんな職能なの?」
【えっと…………】
ん?
【分からないわ】
「……」
【だって! 叡智にも載ってない職能なんだもん!】
「全て分かる訳ではないんだね……」
【つつつ、次はちゃんと答えるから!】
ジト目になった僕は次の質問をした。
「僕とリサだけ『技』が使えるのはどうして?」
【えっと…………】
……
【分からないわ】
……
【何でこの子は叡智でも分からないモノばかり質問するのよ~!】
……
叡智と言えど、分からない事はあるのね。
「メティスは答えてくれる以外で何が出来るの?」
【クロウくん! 見捨てないで! ちゃんと答えるから!】
「うん、大丈夫、僕、見捨て、ないから」
【片言で言わないでよ!! 怖いわよ!! 答える以外だと……クロウくんのスキルをまとめたりとかかな~?】
「え? スキルをまとめる?」
まとめるってどういう事なんだろう?
【ほら、クロウくんの魔法スキルを『全属性魔法』とかになっているでしょう?】
ん?
『全属性魔法』?
僕は『ステータスボード』を見た。
えええええ!?
本当に魔法スキル達が無くなって、『全属性魔法』になっている!?
「あれ!? 《天の声》さんから何も教えて貰えなかったよ!?」
【それもそうでしょう、その声って私だったんだから、これからは私が教えるんだってば】
そっか……、《天の声》さんが意識を持ったのが『メティス』になったんだったね。
【- スキル各種魔法が合成進化し、スキル『全属性魔法』に進化しました。-】
「凄い~!! 似てる!!!」
【元々私だよ!】
「あ、そうだった」
【もう忘れないでよね! えっへん】
メティスのドヤ顔が浮かぶ、顔ないけど。
【あ、クロウくん!】
「ん? どうしたの?」
【私にもクロウくんの所有物に『接続権利』が欲しいの】
「『接続権利』…??」
【うん! 例えばクロウくんが持っている、従魔達への『接続権利』なの!】
「う~ん……、それを許可すると、どうなるの?」
【クロウくんの従魔達と話せるようになるの! それに絆スキルが私にも調整出来るの!】
絆スキルって、僕のスキルを従魔達にも使えるようにするスキルの事だ。
「そうか……でも僕の一存だけでは決められないから、ソフィアとヘレナにも聞いてからでもいい?」
【ふふっ、クロウくんって従魔達にも優しいのね、是非お願いするわ】
それから僕はソフィアとヘレナにメティスの事を話した。
感覚的にメティスは従魔達と似た感じがするので、従魔仲間になってくれたら嬉しい。
《天の声》さんの声がもう聞けないのは寂しいけど、これからはメティスが話してくれる。
そう考えると、実は生まれてから一番身近にいたのってメティスなんだね。
「ねえ、メティス?」
【どうしたの? クロウくん】
「メティスって僕が生まれてからずっと一緒だね」
【えっ――――!? うん! そうだね!】
メティスが少し嬉しそうだ。
「これから宜しくね!」
【うん! こちらこそだよ~! 私を見捨てちゃダメだからね!】
「もちろんだよ! ずっと僕を見守ってくれていたんだし! これからソフィアとヘレナとも仲良くしてね!」
【うん! あ、それと『お知らせ』はこのままが良い? 《天の声》が良い?】
えっ!? 決めれるの!?
「『お知らせ』って《天の声》さんのあの声だよね? それなら今までのままが良いかな?」
【そっか……】
メティスが少し寂しそうに話した。
「でもメティスとは、こうやって普通に話せるから、《天の声》さんでお願いね!」
【うん! 分かった! ちゃんとメティスの事もお願いします~!】
こうして僕はまた一人(?)仲間が出来た。