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そのろーく


キーンコーンカーンコーン。


スピーカーを通して学校の敷地内に響くチャイムの音が耳に届く。



――疲れた……。



不覚にも、俺――もとい、俺達はどっぷりと行為にのめり込み、完全に時も場所を忘れて限界まで突っ走た。


場所は変わらず、あまり人の寄り付かない体育館裏。辺りに転々としているシミや生々しい血の後が、さっきまでの行為が現実にあったことだと如実に語っていた。


俺と神、二名さんの三人は精も根も尽き、疲れ果て、座っているのも怠く三人並んで仰向けにぶっ倒れている。


時間は、お腹の空き具合からして昼過ぎぐらいだと思う。となればさっきのチャイムは昼休みの始まりか、終わりのかな?


見上げてる空は朝と変わらない超快晴。気持ちの良い全裸日和だった。


ぽけーっと流れる雲を眺めていると、さっきまでやっていたことが脳内レコーダーで自動再生されてしまう。


やばかった。


あーだ、こーだと神相手にいろいろと言ってはいた。


だが、基本的に我慢弱く、欲望に忠実な俺に一度始まった、それはもうヤバイほど気持ちいい行為を止めることも、辞めることも、出来るはずがなかった。


結果、ノリに乗りまくっていた神と二名さんに流されるだけ、流されドロドロ。肉欲に勝る理性なし!


それにしても、神ぱわー恐るべし。俺の息子を付け替えるだけに飽き足らず、三人の感触を共有させた。理屈は知らん。


単純に考えれば快楽三倍。だが、実際はそんなもので済むはずがない。男と女の快感を同時に味わうのだから……途中から何が何だかわからなくなった。


乗られたり、入れてたり、入れられたり。主に受け身な俺だったのは秘密。ぶっちゃけ言うと俺は対して何もしてない。完全に神に主導権、他、いろいろ握られていた。


「……すぅ……すぅ」


隣で静かに寝息をたてている神。疲れはてて眠っていた。こうして見る分には、まさに天使のような寝顔をしているとっても愛らしい幼子だ。じんちくむがい。


だが、今回の俺、神、二名さんの乱交の発端はこのまだ経験無しだった幼子の我慢できなかった性欲が原因なのである。


おまけで、俺への「勝手に全裸になってるお仕置き」の意味合いも含まれていたそうな。


だから、俺の息子はとられ、後ろの処女も奪われてしまった。おかげさまでお尻に半端ない違和感が……。これ以上触れるのはやめよう。話し的にも、物理的にも。


ちなみに補足。神の初めては俺の息子で二名さんが奪ったという衝撃の真実。はて、さて、これは俺がしたことになるのか否かは微妙な判定だな。神いわく。俺のモノに犯されていることに変わりはないので、俺が扱ってなくともいいんだとか。なんだとか。


しかし、女の子の破瓜の痛みがあれほどのものだったとは……。当然、感覚を共有していた三人とも快感だけでなく痛みも共有した。本当は痛くないはずの俺の下半身が僅かに疼く。


「神様はやっぱり偉大だねー」


ぽつりと神を挟んで向こう側にぶっ倒れてる二名さんが呟いた。


「全知全能だよなー」


俺はそれに呟くように答える。


「ねぇ、填くん」


「どうした、二名さん」


「いま何時かな」


「昼過ぎかな」


「今日はいい天気だね」


「全裸日和だよな」


「さいきん暑いよねー」


「もうすぐ夏休みだからな」


「夏休みどっかいこーか」


「どっか島にいきたいな」


「無人島がいいかな」


「お腹すいたな」


「今日は何つくってきてくれましたか」


「モロヘイヤと長いもとたらこの和え物」


「野菜は嫌いだなー」


「野菜は食べなきゃダメだぞ」


「考えときまーす」


とめどない会話をだらだらと二名さんと続ける。


穏やかで、のんびりとした夏の正午が過ぎていく。


「疲れたね」


「疲れたな」


「気持ち良かったよ」


「でも痛かったな」


「あれってあんなに痛いんだね」


「びっくりだったな」


「だよねー」


「女の子はみんな大変だ」


「私もまだだから大変だ」


「神は平気そうだったな」


「神様はタフなんだよ」


「全知全能だな」


「それにしてもさ」


「なんだ」


「なんで私も一緒だったのかなーって」


「確かにな」


「私も愛されてるのかな」


「起きたら聞いてみれば」


「それもそうだね」


不意に会話が途切れる。体育館裏を風が吹き抜けていった。篭った空気がそれで吹き飛ばされ、代わりに夏草香る新鮮な空気をおいていった。


流されていく雲々は急がず、かと言って立ち止まるでもなく、ゆっくりと形を変えながら碧い空を泳ぐ。俺はそれを静かに見送ってから、そっと目を閉じた。


「なあ、二名さん」


「何かな、填くん」


「少し寝たら」


「……」


少しの間。おそらく次の言葉を選んでいるのだろう。


「眠くはないんだ」


「また最近寝てないだろ」


「わかりますかー」


「クマ出来てるからな」


「バレバレかよー」


「隠すつもりないだろ」


「それはどうかな」


「なんかあったら言えな」


「頼りにしてるよー」


「せーしんせーい、頑張る」


それは一人の大切な親友のために。


「そういえばさ」


「どうした」


「明後日からテストですよ」


「来週じゃなかったっけ」


「そうだっけ」


「たぶんなー」


「赤点三つで夏休み補習ですよ」


「島は諦めるか」


「残念だー」


「代わりに海行くか」


「みっきーも誘ってあげよう」


みっきー=美紀子=はらみ


「それもいいな」


「みっきーは夏休み予定ないだろうしね」


「はらみは友達いないからな」


「人のこと言えないけどねー」


「それもそうだな」


「そー言ってる私もなんだけどね」


「おなじか」


「おなじだよー」


「でも俺には親友が一人いるんだ」


「私にも親友が一人いますよ」


「それで十分なんだ」


「私もそれで十分です」


「二名さん」


「どうしました」


「ちょっと寝る」


「そうですか」


「……二名さん」


「私は起きてるから」


「無理はすんなよ」


「わかってるよ」


「……」


「填くん」


「……すぅ」


「おやすみ、填くん」


踏み止まりました。白い犬に「おまえにはまだ早い」と諭されました。嘘です。ただ、単に勇気と文章力がなかっただけです。何を踏み止まったのかは物語りの流れでわかりますよね?それにこの小説15禁ですから(←ただの言い訳)。

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