そのごー
「転校生の神だ」
でんででーんと効果音が聞こえそうなほどに、威風堂々と黒板の前に陣取った金髪ツインの幼女は自ら名乗った。
その後ろの黒板にはでかでかと『神様』の2文字がかかれている。
静まり返る教室内。突然の神の登場にみんなポカーンとしている。
だけど、そんなことは知ったこっちゃないといった具合に、神は真っ直ぐ俺の元へすたすたすたと歩み寄ってくる。
「一緒にこい」
俺の前に立ち止まった神はそう言って、すっと手を差し出す。
差し出されたその手を俺はしばし見つめたあと、しっかり握り返した。
※
「やっぱり、私はおまえを愛してる」
昨日と同じ体育館裏で神は俺にそう言った。
「おまえのすべてが私は欲しい」
神は相変わらずの抑揚のない声で続ける。
「おまえのことを考えると身体が堪らなく熱くなる。私は考えた。考えてわかった。おまえが私のことを好きになるのを待ってなんていられない。今すぐじゃなきゃダメ。私が我慢する必然はない。おまえが我慢すればいい。だから、私を今すぐ好きになれ」
今すぐ愛して貰いたい神と、今すぐは愛せない俺。
どちらか一方が妥協しなければいけない、この状況。
考えてみれば俺は神に無理におまえが妥協しろと、押し付けていたのかもしれない。
だから、神は「おまえが我慢すればいい」そう、言った。
「つーか、もう、めんどくせー。今から私はおまえを犯す。せい」
「うわ!」
不意打ち気味に飛びつかれた俺は呆気なく神に押し倒された。
腰の上に乗っかった神に俺の両手は両手で封じ込められ、文字通り手も足も出せない
「へっへー。もう、観念して素直になっちまいな」
「いやー、やめてー、犯されるー」
「騒いだって誰もこねーよ」
幼女だと思って侮ることなかれ、組み敷かれた俺はなんとか逃げ出そうともがくが、神の力は恐ろしく強く、びくともしない。
「昨日も雰囲気に流されず、始めから無理矢理ヤっちまえばよかった」
発言が生々しい!てゆーか貞操の危機!?
「そこまでです!」
その時だった。聞き覚えのある声が体育館裏に響く。
「なにやつ?」
「二名さん!」
そこに現れたのは他でもない。俺の1番の親友の二名さんである。
「親友の危機とあらば即参上。填くん、助けに来たよー」
びしっとポージングを決める、二名さん。流石は二名さん!かっこよすぎる!これで2対1!形勢逆転だ!
「……ふぁーいーなーるーへーヴーんー」
神は突然呪文を唱えた。
これは大惨事の予兆か!?
「……」
「……?」
「……?」
沈黙が続く。
「……特に何もおきない?」
シーンという擬音が聞こえたような気がした。
「なんなんすか?今の」
二名さんも頭上にクエスチョンマークを浮かべている。
またぱわー足りなくて不発?
「ちょっと下半身に意識を集中してみろ」
神はニヤついている。よくわからないが、とりあえず俺は半信半疑で意識を自分の下半身に向けてみる。
「んー………………ん……んん!?……こ、これは!?」
そして、俺は衝撃的な真実に気がついた。
そんな!これはありえない!
「な、ないッ!」
ない!とにかく、ない!そこにあるべきものの感触がない!スースーする!
男子が男子であるために必要不可欠なシンボルである息子が消えた!
「え、うそ!?マジで!?これはちょっと冗談だよね!?洒落になんないって!どうなってるんすか!?」
俺、まさか女の子になっちゃったの!?
「おまえのちんぽは転送した」
狼狽する俺を相変わらずのにやけ顔で見下ろしながら神は呟く。
「はぁ!?転送ってなんだよ!俺の息子を何処へやった!」
これは由々しき事態だ。このままでは俺は将来ザギンのバーのママさんにならなければいけなくなる。
「あいつにつけた」
あいつ?
「ねえ、これって填くんのだよね?」
二名さんに呼ばれて、視線を呼ばれた先に向ける。
そこに立っていた二名さんは、頬を朱色に染めて、下着を膝上まで下ろし、スカートの裾を自らつまんでめくっている。
「ちょ!?ふ、二名さん!?」
俺はあまりの衝撃的な光景におもわず声をあげた。
「ノン、ノン。あいつは今フタナリさん」
甘い甘いと神は人差し指を横に振った。
かなりエロい格好をしている二名さんなわけだが、俺が驚いたのはそこではない。
その二名さんの割れ目の部分に女の子では絶対ありえないものがはえていたからだ。
「この男性器は大きさ、形、色合いからして、填くんので間違いないよね?」
二名さんの割れ目にはえていたのは俺の息子で間違いなかった。でも、なにもかも間違いだらけだった。
「なんでこんなことになってるんですかー?」
聞きながら二名さんは俺の息子を触ったり、握ったり、引っ張ったりして遊んでる。案外、楽しそう。
「あのー、二名さん。あんまり弄らないで」
「いやー、でもねー。毎日、見てはいるけど触るの始めてじゃん。実は前々からけっこー興味あったんだよねー。あー、なんか、ちょっと大きくなってきたよー」
新しい玩具を与えられた子供のように、はしゃぎながら俺の息子をいじくりまわす、二名さん。
「おまえ、それ使ってみたくないか?」
神が俺の息子で遊んでる二名さんにそんなことを聞く。
「いや!ちょ!それはどういうつも――ほごぉ!?」
「私はフタナリと話してる」
邪魔をするなと神は右拳を突き出す。それは、すっぽりと俺の口内に収まり見事に口を塞がれた。
噛み付くわけにもいかず、俺はほごほごと言葉にならない音しかだせない。
「それで、それで。これの、使い方教えてくれるってほんと?」
二名さんが言った。
「ちこうよれ」
「はい、はーい」
二名さんは罠とも知らずにのこのこと神に近寄る。ダメー、逃げて!お願いだから今は俺を見捨ててどっか行って!
「んで、んで、これどーやって使うんです?」
二名さんはウキウキと俺の息子を弄りながら神に尋ねる。
「まず、準備が必要。そのちんぽを待機モードから戦闘モードに移行する必要がある」
「なんか、かっけー。これにそんな変身機能がついてたとは、せいてんのへきれきー。して、どーやって変身させるんですか?」
「私の前に立つ」
「おっけー」
二名さんは神に言われるがままだった。
「それで、それで?」
無垢な子供に罪はない。
「後は私に任せる」
なんの汚れも知らぬ女の子、二名理緒が、今、淫乱幼女神に汚されようとしていた。
なかなか、自分が経験したことのない話を作っていくのは難しいですね。でも、ここまで来たら、どんなにひかれても止まりませんから!