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wO-LVes ~オオカミのいる日本~  作者: 海野遊路
第七章 『スノーボール・アース』
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1. 〝スノーピアサー〟

「スノーピアサー」(ポン・ジュノ監督 2013年の韓国、アメリカ、フランスの映画)

 雪化粧の谷間を渡す高架橋。ガードレールを突き破り、観光バスの車体の半分くらいが飛び出ている。レスキュー隊員が数名、後部の窓ガラスを割り、そこから園児たちを救助している。白く染まった道路では、すでに救出された数名の罹災者達が、バスの左側面で蠢く二体のウルヴズを震えながら見守っている。一体はガードレールの際で空回りする後輪とトンネルを交互に見やり、もう一体は三本のロープを携え、側面を這って乗降口へと向かっていた。

[ドライバーは?]

 車内に入ったガウスに、インカムを通じてオームが問いかけた。

[意識はありませんが、呼吸はしています。今シートベルトを外しました]

[そうか。とにかく急いで。少し何かあればバランスが崩れてバスごと落下する]

[後二分持たせてください。他の乗客は?]

[見える限りは全員救助されたようだよ]

[良かった。今、ドライバーさんに安全帯を付けました。ガイドロープは運転席の手すりにかけています]

[オーケー]

 オームが振り向き、ガウスを見守りながらロープに手をかけた隊員二人に向かって手を回す。隊員達がロープを引くと、ガイドロープに腰からぶら下がったドライバーが、少しずつ欄干に引き寄せられた。一人が身を乗り出して体に手をかけ、欄干の内側に引き込む。

[良かった]

 ため息を大きくついたガウスの視線の先に、トンネルの火災を抑えているKとファーレンハイトが見えた。

「おい!君も早く戻れ!」

 隊員の怒鳴り声が聞こえる。頷き、戻ろうと足元を確認すると、黄色い非常灯をつけながら林道を上って来る赤帽車が見えた。

『スノーボール・アース』(ガブリエル・ウォーカー)

「全地球凍結説」に関する物語風のノンフィクションです。

『全地球凍結』(川上紳一 『スノーボール・アース』日本語訳の監修者)の方が図もあって親切なように思います。


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