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wO-LVes ~オオカミのいる日本~  作者: 海野遊路
第六章 『ツァラトゥストラはかく語りき』
34/135

3. 〝ナインスゲート〟-3

「協力者?」

「はい」

 無線のヘッドセットを通じて田村が訊くと、電話の向こうの巴が答える。

「状況を調べると腑に落ちないというか、当日現場にいた八人以外にも、何らかの役目を負った者がいてもおかしくないと思いますが、ところで今どちらですか?」

「小諸インターを降りたところの信号。で、入手できた?」

「はい。それより、どうでした、本部では?」

「うん、まあ、何とも。あえて言うなら、大人の対応ってとこかな?」

「犯人とは言え人が一人亡くなってるのに、大人の対応も何もないと思いますが」

「本部も困ってるんだろ?俺の知る限り、警察がウルヴズを投入して、死者が出たケースは今回が初めてだ。一昨日の龍神ルート登山口での派手な銃撃戦でも、重傷者は出たが全員生存したまま拘留された。そもそも、ウルヴズがこういう、人命に関わる事件に投入されるようになったのはつい最近だけど、じゃあどこでどんなウルヴズが解錠されたかって記録を請求してもまともな答えは返ってこないし。そっちは?」

「あ、はい。田村さんの予想通りでした。逮捕された犯人達は、身元さえわからないまま拘束後黙秘を貫いた結果、先ほど嫌疑不十分で釈放されました。現行犯なのに、首謀者にそそのかされた被害者であるかのような扱いです。こんなこと、過去にもあったのですか?」

「東信地域では、さすがにこの規模のものは俺の知る限りないよ」

「更に報道も、当日の夕刊の時点では一面だったのに、翌日の朝刊では犯人の死亡が小さく報じられただけ。テレビのニュースでは、最後に画像もなく軽く触れられるのみ。異常です。でも、一番理解に苦しむのは、今回の強盗事件の主犯とされる人物です」

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