*参拾玖
*岸波 扇
この作品の主人公。平凡な無能力者の少女だったが、異形のクラスメイト達を見返すためにアヴァロンへ入り、“破壊の狂戦士”ベルセルクとして異形を抹殺する行動に出始める。
*笹部 穂香
無能力者とクタニドのクォーターで、嶋村の従姉妹でもある。ちなみに目が金色なのは遺伝である。また、怒ると怖い。
*吉野 陽菜
サバサバした性格のクトゥグアの少女。炎を操ることができる。いちごミルクをこよなく愛する。
*間宮 忍
穂香と扇の間の席の少女。イモータルであるためか、異常なまでの自殺願望を持っている。紅茶に飴玉と練乳を入れて飲むくらいには甘党である。
*時坂 神楽
このクラスには数える程しかいない無能力者。不幸体質で、スクールバッグにいつもお守りをつけている。
*駿河 東香
三年B組の、ハスターの少女。生徒会長を務めている。基本的に何でもできるので、扇に劣等感を持たれている。
*日笠 しきみ
三年B組の、雪女の少女。コードネームは「エンジェル」。
*能前 菊里
三年C組の、妖狐の少女。コードネームは「エクスカリバー」。
*皇 昏羽
アヴァロン本部長(長官)を務める、死神の女性。
「お疲れ様でした!」
三日間に渡って行われた銀庭学園の学園祭は、中等部3年A組がB組に僅差で優勝した。
「いやーB組も結構売れてたもんね!」
「まあね。疲れたわー…」
「ココアソーダクエン酸が売れるとは思わなかったよ!」
「そうですね。私達が実行委員をやっていましたが、その力だけではないと思います」
少女達は笑いさざめきながら廊下を歩く。
「――扇ちゃん?」
「ごめん、気づかなかった。学園祭楽しかったよね。ここのは初めてだったけど」
「それにしては上手くまとめられていたと思いますよ?」
「だよね。さすが扇ちゃん!」
「なら、よかったんだけど」
だが、岸波扇はいつものように、ただひとり思いを巡らせていた。
(あれ、使ったら暴走するのかな…雷管ですら強い暴走作用を持つのだから、それの原液であるコトリバコはもっと危険なんだろうなあ。コトリバコを使った人がアヴァロンの何処かにいるのかな、だから皇さんは強く止めるんだろうな……)
『コトリバコ』、並びにそれによる暴走について――