私のお嫁さんが神の一家の出身なもので
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私がお風呂に入ろうと扉を開けた瞬間、私の人生は一変した。
「末永く、お世話になります。うぅ…」
素っ裸の少女は、やや呻きながらも丁寧に土下座した。
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「…で? 突っ込みたいところは色々あるけど…まずひとつ。そもそもあなたは一体誰なの?」
風呂場から彼女を追い出して手早く体を洗い、私は自室の椅子に腰掛けながら彼女を問い詰めていた。
「ですから、さっきも言ったじゃないですかぁ…。私は、美幸さんのおうちに嫁ぎに来たって…」
「いや私女だし。将来は男の人と結婚するつもりだし」
「なんか、叔父さんが地上でたむろしてた男子グループの中から適当に選んだら、間違えて女の美幸さんに決めてしまったみたいなんです…」
「あー確かに私よく男友達と遊んでるから男子グループの中にひとり混じってるわーってそういうことじゃなくて。叔父さんが? 地上? 選んだ? 何?」
「…さきほどもそれとなく言ったのですが、私は天界の出身、神の一家の生まれなんです…。私達の一族は、地上の生命体を進化させるために、定期的に進化対象の子を産んで次のステップへ導くことを生業としていまして…今度は私が人間の担当になったんですよ…。それがまさか…女の人だなんて…。物理的にはどうやっても産めないじゃないですかぁ…!」
「それ絶対私の責任じゃないよね?」
「…あ」
「何?」
「もしかして美幸さん…両性具有の方じゃありませんよね?」
「あんなモノついてないよ!? っていうか」
「…?」
「叔父さんに、素直に『この人とは無理です』って言えばいいのに。もしくはその…あなたが、は…生やして…もらう…とか?」
やばいめちゃくちゃ恥ずかしい。何言ってるの私…。
「それが…不可能なんです。進化させるためには、生命体を私の胎内で育て、産み落とす必要があるんです。なので、その『受け攻め逆転作戦』は意味がありません…。人間の姿になったせいで使えなくなった神一族本来の能力を発揮できなくなったので、こちらから天界に向けて連絡することもできませんし…」
…八方塞がりだ。
「…ただし。一つだけ、この状況をどうにかする方法があります」
「…?」
「私と、愛を育んでください!」
「はぁ!?」
「一緒に暮らして、身体的接触を繰り返し、お互いの体液を交換し合うことによって、美幸さんの生殖細胞の遺伝子構造を変化させることで、それを取り込んだ私が妊娠できるかもしれないのです。なので!」
そういうと彼女は急に立ち上がり、私の両手を握って言った。
「私、地上では『由利亜』と名乗っています。どうか、末永くよろしくお願いします!」
「え…」
私、神山美幸、十七歳。
私のお嫁さんが神の一家の出身なもので、彼女を身籠らせる使命を負う羽目になりました…。
「とりあえず、天災等に備えて三人くらいは欲しいので、一緒に体力作りから始めましょうか?」
「…体力作りってまさか」
…お先真っ暗なのに、明るい家族計画を立てなくてはならないというジレンマ。
どうも、壊れ始めたラジオです。
私としては、ほどよくウフフでムフフなものが書けたと思います。皆さんはいかがだったでしょうか?感想ドシドシお待ちしております。
同作者の他の作品も読んでいただけると幸いです。
それでは。




