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最強を目指す者  作者: かずま
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最強を目指す者 武の頂への到達者

第7話 好敵手(ライバル)


拳撃武堂殿…それは老若男女・人種すら関係無い、自らを最強と豪語する者達が集まり、凌ぎを削る場所。

そこで通ずるのは、純粋にして圧倒的武力(ちから)のみ。弱は蹂躙され、強が栄える、1種の世紀末に等しい。


※ ※ ※


此処は町から少し離れた、海に近い森林の中…。風にざわめき、耳を鳴らす其の場所で少年が1人、座禅を組、瞑想を行っている。


(………今よりも強くならなければ)

朱之宮 絆…この男もまた、ある目的の為に修行を重ねていた。


(親父が戦ってた、拳撃武堂殿…何の為に?命を落としてまで、何をしようとしたんだ…)

絆の父の名は、朱之宮(あけのみや) (ごう)。地下室に修められていた武術書に、その名は記されていた。絆は現在、彼が遺した謎の武術:覇王流を継承し、その数多の技を習得しようとしている。

しかし、彼には今ある出来事が脳裏に屯していた…。


(手も、足も、出なかった…)

その原因は昨日の修行中の事。義野 羅範…通称・牙虎に目を付けられた事である。奴は危険な思考と持論を展開しながらも、圧倒的な武力で此方を蹂躙した、拳撃武堂殿の闘士である。


(技を繰り出す隙も、一切無い…あんな奴等が拳撃武堂殿(あのせかい)に横行してるのか…)

仮に、仮にだ。義野 羅範のレベルの闘士が平均だとするならば、彼よりも高みに立つ存在が幾人居るのだろうか。


(……今は止そう。迷いは拳を濁らせ、技を鈍らせ、隙を生む…

修行も同じだ、迷いながらやっていたら身に入らない。1度忘れて集中するんだ)

己を鼓舞し、心に聞かせ、静止した白の世界で集中する。耳鳴る木の葉の音を遮断し、精神の安定化を図る。

これは六つ有る覇王流の1つにして、最速の型。


「スゥー…ハァー…スゥー…ハァー…」

全身に力が充ち、呼吸の度に血液の波を感じる。自然の中に溶けて一体になるのが分かる。


(覇王流・閃武之型…脱力から数秒で己の最高速度へ至る…

でも…精神統一が閃武に与える影響は何なんだ?)


疑問。精神統一(それにより)獲られる効力を彼は知らない、知るはずが無い。武術に関して余り知識が無いが故の弊害だった。

「お困りかね、お兄さん」

「どわぁあ!?」


目を開くと其処には逆さの人間が、アイアイの様に木の枝にぶら下がり、間隔僅か数㎝の状態で此方を見つめる。

「キャキャキャ♪」

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