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雲上昇龍  作者: 書記
一章
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一話

【超常現象】


その多くは、発達する科学により否定されている。

そんな中で、科学により証明された物もあった。

それは、魔術と超能力である。

発達した技術により最初に魔力が発見された。その後に魔術が証明され、超能力が別のものとして扱われるようになった。

この二つは、数多くの研究が行われて、体系化され魔術は技術と呼べるまでになっている。

魔術は、科学により存在が確認された魔力を使って、火を起こす等、様々な現象を起こす技術である。

超能力は、人それぞれで様々な能力を持っている。それが、大まかな分類にまとめられ、強さに応じたランクの基準が作られている。


現代において、魔術と超能力は、一つのステータスと呼べるまでに一般的になっている。その為に次世代の子供に教え、育てる専門の場も当然出来ていた。それが、魔導学園である。

現在のほぼ全ての学校で魔術の基本に関する教育は行われている。

しかし、魔導学園は専門の研究に関する教育等、将来、魔術によって生活をする人間のための学校である。



「ここが、学園か。」


僅かばかり平坦な口調で青年が呟いた。

この青年の名前は、村雲勾輝(むらくもこうき)という。

学園は、一学年約1000人程の三年制で、構成されていて、四つの学科に別れている。

学園では、地域が近いもの同士でクラスに別れていて、勾輝は魔術の術式の構築を主に学び、新しい術式の開発等を目的とする構築学科に所属している。

学園の学科は、展開学、降霊学、構築学、補助学の四つがある。

他の学科の概要は、展開学は多重展開、設置展開など、降霊学は、魔術の大きな体系のひとつである降霊術を行い、その制御を学ぶのが目的である。最後に補助学は、魔術と超能力に合わせた補助具の作成を学ぶ学科である。補助具は、科学の技術と魔術を使用して作られている物ほぼ全てがそう呼ばれている。

因みに、降霊術は人、もしくは動物を呼び出し、それを使役する術である。召喚術と呼ばれないのは、この魔術は、魂を呼び、それに宿る物を与えて操るからである。宿る物は、その魂の肉体か、新たに作って宿らせる事が出来る。これは魂に合わせた方が当然能力は上がる。

勾輝は、そこに新しく入学する新入生の一人である。

これから入学式に向かうのだが、勾輝は人を待っている。

少ししてそこにようやく、待ち人が現れた。


「遅くなってごめん。」

「いや、まだ時間はある。」


現れたのは、小柄で黒髪のショートカットで真新しい制服に身を包んだ少女である。

少女の名前は、彩原夕華(さいはらゆうか)という。

一言でいうなら陽気な少女である。

待ち人が現れたので、そこから式場に移動する。


「それにしても、入学式なんて本当にめんどくさいよね。」

「お前……………そんな事でよく神社の巫女とかやってるな?」

「私の所の神社の巫女なんて殆ど何もしないよ。」

「まぁ、確かに夕華の所ならそんなものか。」


夕華は、家が神社をやっているため、そこで巫女をやっているのである。但し、何処にでもある程度で歴史も長くないため、仕事もほとんどないが。


「只の貧しい神社って言ってるんでしょ?それは流石にひどいよ~。」

「悪かった。だが、この入学式、それなりに有意義だろうから、退屈しないと思うぞ。」

「えっ………それってどういう事?」

「それは、見てのお楽しみというものだ。」


そこで体育館が見えて来たので、


「じゃ、またな。」


と言って勾輝は自分の席に向かった。

この席は事前に連絡されていてクラス番号が判れば自分の席に行ける。

全校生徒では3000人が集まるため、体育館はかなり広い。この学園は体育館が幾つかあるが、その中でも最も大きい体育館である。

今日は新入生と一部の親が来ている。

時間はまだあるが、今用意されている席は殆どが埋まっており、もう始まるようだ。


それから入学式が、始まった。

司会の女性の声が、聞こえてくるが姿は見えない。

校長から挨拶が、あるようだ。

校長先生と呼ばれたが、誰も姿を現さない。

その事態に新入生が、どよめき出した。

瞬間的に轟音と共に雷鳴が響き、視界が光でおおわれる。視界が回復すると一人の老人と一体の獅子が、現れていた。その一人と一体は圧倒的な存在感をもって、この場を支配していた。

新入生が混乱しているが、構わず老人は、


「新入生諸君、まずは入学おめでとう。」


とそこで言葉を切った。

老人、いや校長は、生徒が落ち着くのを待って、


「この学園は、魔術、超能力、科学、全ての技術の『力』に関するものを学ぶ場である。君達は、まだ若い。それゆえの過ち、失敗はあるだろう。だが、若いが故に失敗を糧とし、成長する事が出来る。その大きな力の『正しい』使い方を学び、生活をして欲しい。ここは、『力』の為の学園である。これを肝に命じておいて欲しい。」


と言った。

校長の挨拶に新入生は、それの意味を深く考え噛み締める者、これからの学園生活を考える者等様々であった。しかし、その中に校長の話を適当に聞き流していた者はいない。校長は、あるものには意外な出来事によって、あるものには自分と獅子の威圧感によって、この式場を支配して去って行った。

それからの式は、厳粛に、滞りなく進んだ。


場は、それぞれの教室に変わり。

生徒は、担任、授業の説明、自己紹介等を挟んで食事となり、教室で散らばっている。

そんな中で、一際目立ち喧騒な、いや訂正しよう。険悪な雰囲気を放つ集団があった。

それは、勾輝、夕華と他に主に二人とそれを取り巻く集団がいる。

その主な一人は、黒髪の腰に届かんばかりのロングで、その艶のある髪でカリスマ性を備えた美しさを誇っていた。もう一人は、茶髪を短めに纏めており、少しおとなしいイメージを感じる容姿をしていた。

その二人を取り巻くように少ないとは言えない人数が囲んでいた。

その勾輝、夕華を除く集団は、鬼気とした雰囲気を纏っている。

茶髪の少女―水原穂香(みずはらほのか)―が口を開き、


「あなた、ここにいらっしゃる西園寺美鈴(さいおんじみすず)様がペアを組もうと仰っているのにその態度は何なの!!」

「私は勾輝と組むって、何回も言ってるんだけど。」


と、夕華が返す。


「だから、そんな奴と組むくらいなら、西園寺様と組むべきだと言っているんです。」

「そんなことは知らないもん。私は勾輝と組むから。」


と言う。

先程からこれに似たやりとりを繰り返している。

これに、勾輝、西園寺は、無言である。

但し、勾輝は無視だが、西園寺は怒気を放っているが。

今、周りの雰囲気は、怒気が限界で爆発寸前だろう。


「いい加減に離れてくれないかな?」


そこに夕華が爆弾を投下した。


「ふざけやがって!」


案の定頭にきたのか取り巻きの男が魔術を発動した。

それは降霊術だったようで石像が出現した。


「痛め付けろ!!」


石像が動き夕華に右腕を降り下ろす。

そこには、先程と変わらない様子の二人がいた。

石像の腕は、何も無い空中に壁があるかのように、弾かれた。


「なっ…」


男は、それ以上言葉を発する事が出来ず、後ろに弾き飛ばされて昏倒していた。

石像の腕を空中で弾いたのも、男を弾き飛ばしたのも勾輝がしたことであった。

石像の腕を弾いたのは、勾輝による空気をその場に固定する魔術による障壁である。男を倒したのは、空気塊を作りぶつける魔術である。

男が驚いたのは、それなりに力が込められた石像の腕をあっさり弾く魔術が瞬時に発動された為である。


「手荒な事は、止めて貰おうか。」


勾輝が言うと西園寺が慌てて、


「今日の所は、見逃してあげるわ。」


と言って去って行った。

まずは、読んで下さりありがとうございます。

初作品なので、面白いか分かりませんが、面白くなるよう頑張りますのでどうか暇な時でもいいので読んで下さい。

この話は、設定の魔術を一話目で登場させた方がいいかなと思ったのでそこまでです。

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