二十話
やはり遅くなってしまいました。
ご免なさい。
俺は、先輩の全方位からの攻撃を掻い潜り、津波を両断した直後に、予想以上の反応で十本の土槍による攻撃にあったものの、何とか避けて懐に飛び込む事が出来て、上出来だと思っていた。
元々俺は、この先輩の戦い方は既に聞いていて、自分の得意な接近戦をするつもりだった。
俺の家は、補助具の製作をしているが本来はある流派の道場を経営する家だった。その流派で使う武器を補助具で独自に開発し始めて、ある出来事で補助具の事が有名になったので補助具が家業となったのである。その道場は今も続けており、勾輝とその父親の洋次もそこで鍛練をしていた。当然俺も鍛練しており、接近戦ではかなり強いと思っている。
しかし、土槍を避けてきた事をあの先輩は驚愕をしたが、すぐに障壁を強化して、数も増やしてきやがった。そのせいで、一撃で仕留める事が出来なかった。これには焦った。
まさかあの土槍を避けてきて、それに驚くのが一瞬で、障壁を強化するだけではなく、数を増やしてくるとは。
アサルトライフルも弾切れになったので、リロードの手間すら惜しいと思ったので捨てた。何とか仕留めたいと両手で二撃目の斬撃を放ったが、後一枚の所で周りに幾つも魔方陣が出ていた。何とか避けようとしたが、左腕を撃ち抜かれてしまった。かなり痛い。
実際は無傷なので、痛みは本物ではないが神経は痛みを感じており、それにより感覚が狂っていて左腕が麻痺している。
まだ、周りには多くの魔方陣があり、片腕の刀では対処しきれないので、そのまま一度距離を取る事にした。先輩は障壁を張り直すようでそこに追撃は来なかった。
右腕だけでは接近戦で満足に戦えないし、先輩は予想以上に反応が良い。あの反応速度で魔術を使われれば対処しきれないだろう。それに対して、俺は先輩の障壁を破るような強さの魔術は、はっきり言って苦手だ。先輩の魔術を捌きながらでは発動出来るかどうかもあやしいところだ。
ならこの隙に勝負に出る事にするか…
俺は銃陣乱舞を発動した。
先輩の攻撃の手が緩んでいる隙に銃陣乱舞の展開を終える事が出来た。銃陣乱舞の攻撃を始めると先輩も攻撃をしてきた。先輩の攻撃の魔方陣を、右手で使い勝手の良い拳銃を使い、撃ち抜いて行く。
銃陣乱舞の防御能力はかなり高い。拳銃で攻撃を減らせば、余裕で防ぎきれるだろう。
一分程撃ち合い続ける中で、先輩の攻撃が弱まって来ているのが分かった。先輩は魔方陣を撃ち抜かれ無いように、右に左に発動場所を変えて死角から攻撃を試みているようだったが、その数が減ってきている。
先輩は顔を下に向けて表情は読み取れないが、状況を見るに優勢になっているだろうと思った。しかし、先輩が顔を上げて、その表情を見た瞬間に危険を感じて、直斗は右手の拳銃を手放し、地面に刺してあった刀を頭上に振った。
刀を振った瞬間に頭上から一本の巨大な雷が降り、銃陣乱舞の鉄板が自動防御をした。鉄板に張られている障壁を瞬時に破って、他に三枚同じように鉄板の防御が突破されて、最後には銃陣乱舞で張られていた障壁二枚も0.1秒と持たなかった。直斗の振った刀に少し弱められた雷が当たった。
直斗の刀に触れた雷は、先輩の方に半分くらいの太さの雷が曲がり、残りは周りに放電して散らされていた。
しかし、直斗の刀は雷に耐えきれなかったのか弾かれて飛んで行ってしまい、直斗もその衝撃で気絶してしまった。曲がった雷は、先輩の障壁を破り直撃して先輩を吹き飛ばして、壁に激突させたのだ。
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これが気絶から目覚めた直斗に聞いた内容だ。
今回の決闘は引き分けとして、一方でも再戦を望む場合は後日再び決闘を行うそうだ。
今、直斗から聞くと再戦をするつもりは無いそうだ。
「本当にあの先輩は中々強かったからな。」
「確かにな。直斗の行動にすぐに対応していて、『順位持ち』は伊達じゃないみたいだ。」
勾輝に言葉通り先輩の予想以上の実力に驚いていた。
最後の撃ち合いの時も直斗の魔方陣を撃ち抜いて行く事に魔方陣を動かして対応し、それを徐々に減らして相手の油断を誘い、その隙に観客さえ気付かない程の上空に魔方陣を展開して攻撃するとは。
戦闘スタイルを聞いたりしていて、只の能力がある馬鹿で大したこと無いと思っていたのだ。かなり戦闘馴れしていて強かったが。
こうして直斗と大連寺先輩との決闘の騒動は幕を閉じた。
今週一杯はまだ忙しいので、来週の金曜日くらいには更新します。不定期で申し訳ありません。
とりあえず先輩との戦闘は終了です。
この先の展開は、次の事件に向けて行きます。




