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雲上昇龍  作者: 書記
二章
21/29

十九話

今回はいつもより長いです。

二話分くらいあります。

開始の合図があった瞬間、直斗はその場を離れた。

直斗が離れた直後その場を通常よりも大きい大量の水弾や火弾が襲った。大連寺先輩は開始直後に魔術を発動して直斗の全方位に火弾等を 大量に作り放っていた。直斗はそれをその場を離れ、避けきれないものは抜刀で切る事で無効化して難を逃れた。

通常よりも大きいサイズなのは障壁を使って、攻撃を受けながら無理矢理一ヵ所を突破するという方法を取らせない為だろう。直斗は刀で斬っているので関係無いが。

直斗は走っているが、それを追うように全方位に魔術が発動し続けて、全方位から攻撃を仕掛け続けられている。

外れた火弾はドンドンとかなりの音をたてながら地面に当たって爆発したり、水弾は地面を抉っている。

それに対し直斗は可能な限り避けながら自分に当たる水弾を切り裂き、進む方の発動中の魔方陣にアサルトライフルで銃弾を撃ち込み無力化して走っている。

先輩の水弾等は大量に生み出している為か、特に相手を追尾したりはしないようだ。


直斗のアサルトライフルの銃弾は魔力が込められており、先輩が作り出した魔方陣を撃ち抜く事で魔方陣を無力化している。日本刀の方も同じような方法を使っている。直斗は闘技場の中央ではなく、少し迂回するようにしながら移動している。全方位から襲っているがその量が違い、先輩に近づく方向程水弾等の量が多いようで、時々進行方向を変えながら先輩に向けて走っているようだ。

先輩の方は魔術を使いながら、直斗から離れるように移動している。


あの先輩の戦闘スタイルは、自分の大量の魔力と少し早い発動速度でのごり押しである。相手の全方位から攻撃を仕掛けて、自分の周りには常に幾つもの障壁を張って相手を倒すのである。

この大量の魔力や少し早い発動速度とは、三年生での基準の中なので新入生とは比べる事は出来ない。

何故なら新入生と二年生と三年生との間の実力差はかなりあるからだ。具体的には新入生を基準に最大魔力量は二年生で三倍、三年生では六倍に近い差がある。発動速度は新入生が十秒かかる魔術を二年生は六秒、三年生に至っては二秒である。

更に使える魔術の種類や、その制御能力も同じように大きな差がある。

このような差がある為、どの平均を基準にしたかで実力が分かるのである。


今戦っている直斗は、三年生基準で見て魔力は僅かに低く、発動速度はその三年生基準で見ても圧倒的速さと言えるだろう。平均的な新入生が十秒かける物を一秒以内に発動させるレベルだ。

因みに、水原や西園寺を三年生基準で見ると魔力は水原が直斗と同じくらい、西園寺は平均を僅かに越える。発動速度は水原も西園寺も平均と言えるだろう。


今も先輩に向かって走る直斗は、距離を詰めていっているが、先輩には一切攻撃をしていない。事前に情報は集めていたようで、障壁を張っている事も分かっていて攻撃をしないのだろう。勾輝は直斗がどのように勝つつもりかは理解出来た。隣の夕華も納得した様子だ。


今直斗と先輩の距離は、最初は50mだったものが、10mになっている。先輩は更に攻撃を強め、全方位の攻撃と自分の所から土弾を銃弾のようにして撃ち込んでいる。そして、巨大な土の津波を生み出して直斗に向けて放った。

その津波を直斗は、刀で下から上に津波を斬って二つに両断して走り抜けた。

その直後直斗の目の前に魔方陣が十個現れて、十本の土槍が襲った。


土槍が襲う瞬間に直斗は体全体を身体強化して、右腕は、刀を可能な限り多く魔方陣を切り裂ける、直斗から見て左から右へ降り下ろす袈裟切りをした。これにより、二個の魔方陣を無力化して、二個の魔方陣の一部を切る事で、無効化こそ出来なかったものの魔術の発動を遅らせていた。もう片方の腕は、残った魔方陣を、アサルトライフルを最小限の動きでセミオートで、四個の魔方陣を撃ち抜いて無効化した。

この直斗の一連の動きは僅か0.4秒で行われた。無効化も何もされてない残りの二個は一個が発動してから0.3秒程の差でもう一個が発動した。この0.3秒の差は、先輩が一個目から順番に展開させて十個展開したので、0.3秒程の時間差があったのだが、直斗は感覚で最初と最後のものを残して、無効化等を行ったのである。

これにより最初の土槍は、直斗から見て左にあった為直斗が右に避ける事で外れ、残りの一つが発動する頃には先程振り切った刀を戻しており、発動した直後の出てきてすぐの土槍を切り裂いた。

発動が遅れた二つが発動する頃には、直斗はそこを通り抜ける事が出来ていて、直斗は先輩との距離が3mまでに近づき、遂に攻撃を仕掛けた。


「……………!?」


先輩は土槍を無傷で切り抜けた直斗を、一瞬驚愕の表情で見た後、すぐに顔を引き締めて自分の周りの障壁を強化して、数種類新しい障壁を張った。これで合計十二枚の障壁が出来ている。

直斗は右手の刀を左から右へ水平切りをして、もう片手のアサルトライフルをフルオートで、魔術で強化した銃弾を大量に撃ち込んだ。

直斗の水平切りは、先輩の障壁を一枚ずつだが一瞬の抵抗をされ、刀の軌道を変えられつつも切り裂いている。四枚を切り裂いた所で刀が右へ振り抜かれた。

大量に撃ち込み続けているが、銃弾は空中の障壁で止められていて、二枚を破った所でアサルトライフルの弾が切れた。


「はあぁぁぁぁぁ!!」


そこでアサルトライフルを捨てて、両手で刀を逆袈裟に振った。刀は再び障壁を切り裂き始める。

先輩は障壁を更に強化して、反撃に直斗の横合いから銃弾状の土弾を撃ち込んだ。

直斗は障壁を三枚破った所で左右の土弾に気づき、後ろに避けようとした。しかし、避けきれずに直斗が張っていた障壁を、易々と貫き左腕の自動防御障壁に当たった。


「グッ………」


直斗は傷みで左手が使えなくなったようで、まだ撃ち込まれようとしている土弾が多くあるのを確認したようだ。それを見ると片手の刀では、全て無効化は出来ないようで大きく後ろに跳んだ。

先輩側も障壁を張り直すようで攻撃の手がゆるんだ。


「銃陣乱舞!!」


その瞬間に直斗は『銃陣乱舞』を使用した。

どうやら勝負に出るようだ。

直斗は、重火器を幾つも自分の周りに展開して、先輩へ向けて集中砲火を始めた。更に鉄板を亜空間から取り出して、空中に浮かせて防御させた。右手の刀を鞘におさめて、拳銃を取り出した。

先輩も障壁を張り直した後、土弾と圧縮空気塊で攻撃を始めていた。

次の瞬間には魔方陣が、先輩の頭上に二十個程描かれたが、次の瞬間には十個が撃ち抜かれて消えた。直斗が拳銃で撃ち抜いたのだ。アサルトライフルより軽く取り回しが良い為、先程より素早い動きで狙いをつけて撃ち抜いている。

その残りからは土弾と圧縮空気塊が放たれた。放たれた土弾は、銃陣乱舞の障壁に止められ、圧縮空気塊は鉄板が自動で動いて防御する。その間も撃ち続けられている重火器の銃弾は、障壁にかなりの数が当たり障壁が破壊されてきている。だが、双方とも障壁は破れたらすぐに張り直している為、消耗戦になってきている。

激しく銃弾と魔術が僅か7m程の距離で撃ち合われる。一分程撃ち合いが続いたが、戦況は直斗が優勢になってきた。


先輩の頭上に描かれる魔方陣が減ってきている。そろそろ魔力が心許ないのだろう。元々は先輩の方が直斗よりかなり魔力は多いのだが、直斗を全方位から攻撃し続けていた事で魔力を使っていた。それに対して直斗は刀と銃弾と時々発動していた身体強化しか使っていなかった為、撃ち合いを始めた時点の魔力はほぼ全快状態である。この二つの為に撃ち合いを始めた時点では魔力量は二人とも互角に近付いていた。

この後、更に撃ち合いでの魔力消費は明らかに直斗の方が効率が良かった。

攻撃する時も先輩は土の弾を作りそれを撃ちだしていたが、弾を作って銃を撃ち続けるだけで実質的に弾を作っていただけである。

防御の時も先輩は魔術での障壁のみだったが、直斗は弱い攻撃は障壁だったが、強い攻撃には移動させた鉄板をぶつけるだけですんでいたので、障壁が余り壊れなかった。攻撃と防御の双方で効率が悪かった先輩が先に魔力がなくなるのは当然だろう。


先輩はもう攻撃の魔術は使わなくなって、防御のみになっている。ここで畳み掛けるように直斗が攻撃を強めた。これ以上の逆転は無理だろう。


と勾輝は思っていた。

その瞬間に先輩は僅かに笑っていた。



その時、急に闘技場に強烈な光が生まれた。

勾輝は、眩しさに目を閉じていた。目を開くと直斗の周りが黒く焦げており、直斗がゆっくり倒れた。銃陣乱舞の時使われていた銃が、10m程離れた所に幾つも散らばっている。

先輩の方は、闘技場の壁の地面から50㎝程浮いた所に叩き付けられたようで、めり込んでいたようだ。今壁からはがれて地面に落ちて倒れた。


一体何があったんだ………

今回の戦闘は頑張りました。


今、一章を手直ししてます。まだまだダメな部分があった為少しでも面白くなるため努力しています。


あまりよくない事だと思っていますが、この手直しはストーリーの部分も少し変えるつもりなので、このまま読んでいくとわからない部分が今後出るかも知れません。その重要な部分はお知らせしますのでその部分は確認してもらえると有難いです。


すでに一話から三話はある程度の手直しをしております。ストーリー的には変わってないですが、興味がおありでしたら読んで見てください。


またこれに伴い、忙しくなる事もあり来週の投稿が遅れるかも知れません。その時は申し訳ありません。

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