改稿二話
二話の文字数が増えたので分けます。
長らくお待たせして申し訳ない。もう安い言葉になっているかもしれませんが。
西園寺の姿が見えなくなると、夕華が溜め息を吐いた。
「大丈夫だった夕華?」
「ペアを組めって言われてたのは私だけど、一応勾輝も貶されてたんだからもうちょっと何か言ってよ…」
勾輝は先程の雰囲気を完全に消して、元の落ち着いた雰囲気に戻っている。その為夕華を心配して声をかけたが、相手が手を出すまで何もしなかった事に呆れているようだ。
「何にも言わなくて悪かったよ。でも、僕はあんな奴らに悪く言われたって何とも思わないよ。あれが夕華を悪く言ったとかだったら話は別何だけどね。」
「もうっ………そのセリフ、私じゃない他の人が聞いたら勘違いしちゃうかもだよ。で、でも、そう言ってくれるのは嬉しいから良いんだけど………」
夕華のセリフは最後の方は消え入るような声になってしまい、ほとんど勾輝は聞き取れていなかった。夕華は照れながらも、軽々しく言わないように注意したのだ。しかし、夕華が照れて少し赤くなっているので、端からみればその勘違いされるように見えているのに二人とも気付いていない。そこへ新たな人物が声をかける。
「よう、恋人に見えるお二人さん。」
「なっ…分かっててそんな風に声かけないでよ直斗!」
かけられた声から誰かを察して反応する夕華。声をかけてきたのは、かなり背が高く体格が良いが、感じる雰囲気は飄々として、チャラそうと言える青年だった。この青年の名前は、戸次直斗という。夕華が直斗と呼んだことから分かるかもしれないが、三人は知り合いだった。幼馴染みと呼べる程度には付き合いは長い。
「ははははは。一応周りには聞こえないように配慮したんだぜ。」
「そこは問題じゃないの!唯でさえ目立ってるんだから、誤解を招くような発言はやめてよ!」
「そんな風に見える二人が悪いだろ?ついからかいたくなっちまったのは仕方がないぜ。」
笑いながら答える直斗に対して夕華は「もうっ」と口にしてそっぽを向く。
「許してあげなよ夕華。これ以上目立ちたくないでしょ?」
「それはそうだけど…」
「そうだぞ。入学初日で早くも目立ちすぎだぞ。」
勾輝が宥めると直斗が便乗してきた。直斗はよく夕華をからかって楽しんでいる。しかし、今回はそれだけでは終わらないようだ。
「でも、直斗も目立ってたと思うよ?」
「は?」
「直斗、入学式ずっと寝てたよね?」
「は、ははは…そんな訳が無いだろう。」
直斗は、ずっと寝ていて、校長の話を聞いていなかった一部例外の一人である。直斗は先程とはうって変わった乾いた笑い声をあげ、目をそらしながら誤魔化した。だが、そのまま無かったことには出来なかった。
「いや、直斗の周りの席に座ってた人に聞けば分かるし、誤魔化しても無駄だと思うけど?それに今声をかけてきたのも、さっきの自己紹介も寝てて、この後の予定が分からないから、ご飯を一緒に食べるついでに聞いておこうって思ってたんでしょ?」
「お前っ余計な事までペラペラと!!こういうどうでも良いことで饒舌になるなよ!!」
直斗は勾輝に対して文句を言うが、聞き流された。代わりに帰ってきたのは、
「でも、饒舌になってくれたおかげで私、色々言えるからとってもありがたいなぁ~、とか思うんだけど。自分の事を棚にあげて、わざと人をからかうような事する人には、お仕置きがいると思うんだけどどうかな?」
という言葉と共に襲ってきた空気塊の嵐だった。夕華は、周りに気を使ってか、小型の空気塊を次々と放つに留めているようだ。
それからしばらくして、とりあえず直斗が謝って三人で食事をしている。
「なぁ、この後何するのか教えてくれよ?」
直斗は開き直って、聞きたかったことを聞いてきた。
「模擬戦形式でお互いの実力確認も兼ねて試験をするみたいだよ。」
「それが二人一組だから、この開いてる時間の内に、相手を決めちゃうのが普通だからね。」
「あぁ。それが絡まれてた訳か。」
勾輝と夕華から聞いた事で、先程の騒動に納得がいったようだ。
「あれ?でも何で夕華だったんだ?あいつらって夕華の実力とか知らないはずだろ?」
だが、納得したのと同時に疑問も出てきたようだ。
「そのはずなんだけどね。まず、初対面のはずだよ。」
「それなら、多分だけど理由は分かるよ。」
夕華が肯定したが、勾輝がその理由を説明するようだ。
「夕華は初対面だって言ったけど、一応入学試験の時に遠目で見てたんじゃないかな?夕華って入学試験でも目立ってたでしょ?」
「うぅ…認めたくないけどあり得るかも。と言うか、さりげなく私がそれ以外でも目立ってるって言わないでよぉ………」
「やっぱり、夕華が自分で原因作ってたな。」
「やっぱりとかいわないでよぉ…」
「でも、あの入学試験なら仕方ないとおもうよ。」
次話は殆ど完成しているので、近日中に投稿します。
今回は会話を増やしてみました。




