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雲上昇龍  作者: 書記
一章
10/29

八話

一週間ギリギリでした。

少しいつもより長めです。

校舎から、火の手があがっていてそれは、今も急速に増えている。近付くにつれ悲鳴が良く聞こえるようになった。

「死なないぞ!」「踏みとどまるんだ!!」「こんなの無理だ!」

勾輝は、それだけで状況は分かったが厄介だなと思った。

死なないのは、魔力が続く限り再生するというものである。それには二つ方法があって、一つは最初に魔力を込める、又は魔力を供給し続ける外部から魔力を与える方法である。もう一つは、内部からの魔力供給で貯力石を使う、又は降霊したものが自分で供給するかである。降霊したものが自分で供給する方法は、一つの生物として産み出し自分で魔力を産み出す事である。自分で息をして魔力を得る為に動き、自らで魔力を産み出す生物である。

今回の異形は、大部分を消し去っても再生して術者が気絶しても消えないので後者の内部式の自己供給型ということだろう。

これは完全に消し去るしかないのだろう。

勾輝は、瞬聖の魔術を発動し刀を振る。

「風閃」

幾つもの風の斬撃が放たれる。

急な奇襲にも異形は反応し、後方に飛んで回避した。

その隙に他の生徒は、ほとんどが逃げて行った。残ったのは、勾輝を含めて三人だった。

目まで覆い隠して全体的に長い黒髪で根暗そうな雰囲気を感じる生徒と、坊主頭の明るそうな生徒である。坊主頭の生徒は、先程踏みとどまるように声をかけていた生徒である。

「…手伝うよ…」

「一緒に奴を倒そう!!」

前者は、ボソリと、後者は、快活に言ってきた。

前者は、目まで覆い隠して全体的に長い黒髪で根暗そうな雰囲気を感じる生徒と、後者は坊主頭の明るそうな生徒である。

坊主頭の生徒は、先程踏みとどまるように声をかけていた生徒である。

「助かる。俺はあいつの足を使えなくして一気に魔術で完全に消し去ろうと思うんだがどうだ?」

「それで行こう。」

坊主頭の方が勾輝の提案に答え、根暗そうな生徒もうなずいて来た。

「なら、二人はどんな魔術が得意だ?」

「俺は大規模な魔術の焔が得意だ。」

「僕は魔術を連続で使うのが得意。」

二人ははっきりとした口調で答えた。

そこで警戒していたのか距離を取っていた異形が襲ってきた。全員が散開して避ける。

根暗な方の生徒が、散開してすぐに幾つもの氷槍を生成し、異形に撃ち込んだ。異形は、反応して火炎を放ち氷槍を打ち消した。坊主頭の方は、大規模な魔術を使い始める。

他の二人は、今の会話で自分の役割を判断して行動に移しているようだ。かなり優秀である。

勾輝は、異形の足に向けて風閃を連続で放つ。異形が避けて注意がこちらに向いた瞬間に、根暗な方の生徒が異形の足元の土を異形へ襲い掛からせる。初めて会ったが全員戦闘慣れしていて、連携が取れている。

そして、それを何度か繰り返して坊主頭の生徒がこちらと根暗そうな生徒を見て頷いた。それを見て、根暗な方の生徒が氷槍を放ち、火炎に打ち消された直後に勾輝は魔術を発動した。

「瞬転」

その次の瞬間には、異形の横に勾輝が高速で移動し、まずは後ろ足を両方切り落として、再び移動し、前足も両方切り落とした。

それは風閃を使うのと並行して、散開した直後から移動しながら設置していた魔方陣の中を瞬時に移動出来る魔術である。

そして、勾輝が離れると動けなくなった異形に坊主頭の生徒が頭上で作り出した青い焔の塊を落とした。

異形は、青い焔であっという間に燃え尽きてしまった。

「やったか?」

坊主頭が半信半疑で言った。

その次の瞬間に異形が半透明で見え始めた。

坊主頭と根暗な方の生徒が驚き、硬直していた。

「馬鹿な!!」

勾輝も声をあげ、すぐに気づいた。

今回の降霊術は、異形の形の生物を魔術で作って降霊したのではなく、異形の霊を呼び出して、それに合わせて身体を作ったのだ。

降霊術は、霊を呼び出すが身体は何でもいい。だが、身体を与えず呼び出すとまずは身体を得ようとする。そこで魔術が使えると生前の身体を作り出すのである。

要は、今回の降霊術は、特別な霊を呼び出してそれが魔術で身体を作っているから、身体を消し去っても霊が消えてないから倒せなかったという事である。

「あれで倒せないなんて…」

「…無理……」

異形が飛び掛かってくる。

勾輝が間に入り、防御する。

「二人共ここから離れるんだ!」

刀で異形の攻撃を逸らしながら言うと

「君はどうするんだ!」

と聞いてくる。

「俺は、こいつを倒す。」

坊主頭が戸惑って、

「無理だ!!」

と言って来る。

まだ、何か言おうとする坊主頭を、根暗な方が制した。根暗そうな生徒は、その雰囲気を冷静なものにして

「勝算はある?」

とはっきりと聞いて来た。

勾輝が頷くと坊主頭に「行くよ。」と言って走り去って行った。

二人が行くのを見届けて、異形の攻撃を受け止めてその勢いを使って距離をとる。

そして、瞬聖の魔方陣を展開。火炎を放って来るのを抜刀出来る状態で走って避ける。火炎を何回か避けた所に異形が突っ込んで来る。勾輝は立ち止まり展開していた魔方陣により魔術を発動。

「聖装」

突っ込んで来た異形に向けて抜刀して攻撃した。その時、刀の刀身の部分は白銀の光で覆われていた。

瞬聖の刀が、異形の足に触れると、異形は悲鳴を上げた。今まで全く悲鳴をあげてはいなかったので、本当に効いているのだろう。

刀身を覆った白銀の光は、破魔の光といわれるものである。これは、霊や悪魔といったものを祓うものである。

異形は、一度離れて苦しそうにしながらもこちらを倒す為に走ってくる。それを勾輝は白銀の刃で身体を両断した。異形は先程より動きが鈍かったのだ。

異形の身体は、地面に落ちて動かなくなった。再生もしない。

勾輝は一息ついてその場に座り込んだ。

平然としていたが、魔力が切れかかっていたので、かなり危なかったのである。

生徒との戦い、風閃を連発、魔力の消費が多い聖装と瞬転を使って魔力が無くなりかけていたのだ。

そこへ戦闘の気配ご無くなったのに気づいて、坊主頭達二人が戻って来た。

「倒したのか…」

「ああ…」

坊主頭の問いに答えると、

「すごいな。」

「向こうの方に、こいつを呼び出した奴を捕まえておいた。疲れたから一度寝させてもらう。後は、頼んだ。」

「分かった。」

坊主頭が答えると、そこで勾輝は意識を手放した。

遅くなって申し訳ないです。

周一は守れましたが遅いのは誠に申し訳ないです。

名前を出さずに、根暗そうなとか、坊主頭とか、何度も出してすみません。

伏線は、色々あるんですが、中々回収出来ません。

早めに次は投稿します。

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