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雲上昇龍  作者: 書記
一章
1/29

改稿一話

改稿の一話です。

改稿は進めて行きますが、前の一章の部分は残しておきます。改稿が終わり全て終わったら消させて頂きます。

大変長い期間間が空き申し訳ありません。

【超常現象】


その多くは、発達する科学により否定されている。

そんな中で、科学により証明された物がある。


それは、魔術と超能力である。

発達した技術により最初に魔力が発見された。その後に魔術が証明され、世界中の人々が活性化した魔力を感じれとれるようになった。研究が進んで魔術の中で発動の仕組みが違う一部が、超能力と呼ばれる別のものとして扱われるようになった。


この二つは、数多くの研究が行われて、魔術は技術の一つと呼べるまでになっている。


魔術は、火を起こす等、様々な現象を起こす技術として人々の生活に深く関わり、今では五人に三人は使える程になっている。その仕組みは、術式を組み、魔力を消費して指定した現象を起こす。術式はどんな事象をどのように起こすかを指定するものの総称で、詠唱、魔方陣、儀式等様々な方法で組む事が出来る。魔力は、術式で指定した範囲にある魔力を使う。

また、基礎的な魔術は公になっているものの中で、効率の良く手軽に使える術式が、《基術式》として体系化されている。


超能力は、人それぞれで様々な能力を持っている。大まかな分類にまとめられ、強さと希少度に応じたランクが作られている。この超能力は魔術とは仕組みが根本的に違う。

超能力は、使いたいと思うだけで発動する事が出来る。術式を組む必要も魔力を消費する必要もないのである。唯一代償と言えるのは、使うと精神的に疲れるという事だけである。これに関しては、研究が進んでおらず、まだ理由は分からないままである。


現代において、魔術と超能力は、一つのステータスと呼べるまでになっている。その為に次世代の子供を育てる専門の場も当然出来ていた。それが、魔導学園である。

現在のほぼ全ての学校で魔術の基本に関する教育は行われている。

しかし、魔導学園は将来、魔術の研究、軍への入隊を目指す者のための教育を行う学校である。



「ここが、学園か。」


少し平坦な口調で青年が呟いた。

この青年の名前は、村雲勾輝(むらくもこうき)という。

学園は、一学年約1000人程の三年制で、四つの学科で構成されていて、学年事にクラスで別けられている。このクラスは、住んでいる地域が近い者が集められている。授業は、選択式で一定の単位数を取得する事で、学年を上がる事が出来るようになっている。

学園の学科は、展開学、降霊学、構築学、補助学の四つがある。

展開学は、多重展開、設置展開などの魔術の様々な使用方法を学んでいる。降霊学は、魔術の分野のひとつである降霊術について学んでいる。構築学は、新しい術式の開発と改良を学んでいる。最後に補助学は、魔術と超能力に合わせた補助具の作成を学ぶ学科である。補助具は、科学の技術と魔術を使用して作られている物ほぼ全てがそう呼ばれている。

因みに、降霊術は人や動物を呼び出す等して、操る術である。降霊術と呼ばれる理由は、この魔術は、魂を呼び、それに宿る身体を与えて操るからである。宿る身体は、魂の宿っている生物以外なら何でも宿らせる事が出来る。しかし、魂に合わせた方が当然能力は上がる。例ば、犬の魂なら犬の身体に近い物が良いという感じである。

勾輝は、魔導学園に新しく入学する新入生の一人で構築学に所属している。

これから入学式に向かうのだが、校門で勾輝は人を待っている。

少ししてそこにようやく、待ち人が現れた。


―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――


「遅くなってごめん。」

「いや、まだ時間はあるよ。」


現れたのは、小柄な黒髪のショートカットで真新しい制服に身を包んだ少女だ。

少女の名前は、彩原夕華(さいはらゆうか)という。

一言で表すならば陽気な少女だろう。

勾輝と夕華は待ち人が現れたので、そこから式場に移動する。


「こんなに朝早くだから、少し寝坊しちゃったよ。」


夕華が言う通り現在は朝7時前。入学式は7時からだ。


「確かに早いけど、これから毎日同じ時間から何だから慣れないと。」

「えぇー…改めて考えると嫌になってきたよ。」

「そう言わずに入学式に行こうよ。」

「まぁ、仕方ないかな。」


式場に向かう為に二人は歩き出した。因みに、魔導学園の通常時の登校時間は7時だ。昔はもっと遅かったが、社会的に朝早くから働くようになってきた影響によるものだ。


「それにしても、入学式って昔からかなり時代が変わったのに、変わらずにやるものなんだね。」

「まぁ、歴史ある文化って事があると思うけど?」

「でも、歴史あるって言っても、最初の魔導学園が出来たのって40年くらい前で、第六のここは30年くらいのはずだよ?」


夕華の言う通り、魔導学園はまだ歴史が浅い。魔導学園が出来た背景には、国際的な軍事関係の状況によるものが大きく、軍の学校として作られたのが元々の成り立ちだ。魔術の研究は、最近になって力を入れ始めた分野だ。


「確かにそうだけどね。でも、時代が変わっても式典はあるから、社会人としての教養を身に付けさせるためが大きな理由だと思うよ。夕華の所だって、昔から続いてる儀式あるよね?」

「あるけどそんな歴史は無いから、何とも言えないよ。それに、その時々に合わせて柔軟に対応していくべし、って家訓があるから、儀式とかもやらなかいかもしれないよ。」


夕華は、家が神社をやっているため、そこで巫女をやっているのである。但し、何処にでもある程度で歴史も長くないため、仕事は多くないが。


「あぁ…そういえば前よく分からないけど、神社の行事やらなかった、って聞いたよ。」

「あれね。ここだけの話だけど、色々な事情で準備が遅れて面倒臭かったからだよ。」

「それは酷いよ?!そんなに嫌な行事だったのかな…。」


そこで体育館の入り口に着いた。そこから中に入り、席に向かう。席は事前に連絡されていてクラス番号が判れば自分の席に行ける。体育館の中に夕華と勾輝は同じクラスだったので、クラスの所まで一緒に向かう。


「あっ、聞いた話何だけど、この入学式ただ面倒なだけじゃなくて、色々あるらしいから。多分、退屈はしないと思うよ。」

「えっ………それってどういう事なの?」

「それは、見てのお楽しみかな。」


勾輝は、自分の席が近づいてきたので、


「じゃ、後でね。」


と言って夕華と別れた。

席に着いて見渡すと改めて体育館の大きさに気づく。全校生徒では3000人、時には更に多くの人が集まるため、体育館はかなり広い。この学園は体育館が幾つかあるが、その中でも最も大きい体育館である。

今日は全校生徒と新入生の親が来ている。

時間はまだあるが、今用意されている席は殆どが埋まっており、もうまもなく始まるようだ。


それから入学式が、始まった。

司会の女性の声が、聞こえてくるが姿は見えない。校長から挨拶があるようだ。校長先生と呼ばれたが、誰も姿を現さない。

それに新入生の多くが、どよめき出した。

その直後に雷鳴が響き、視界が光でおおわれる。不意の事に、視界が一瞬おかしくなったが、回復すると一人の老人と一体の獅子が現れていた。その一人と一体は膨大な魔力を新入生に向けて放ち、圧倒的な存在感をもって、この場を支配していた。


「新入生諸君、まずは入学おめでとう。」


新入生が混乱しているが、構わず老人は言葉を放つ。

その一人の老人である校長は、新入生が落ち着くのを待った。そして、注目が集まると、


「この学園は、魔術、超能力、科学、全ての技術の『力』に関するものを学ぶ場である。君達は、まだ若い。それゆえの過ち、失敗はあるだろう。だが、若いが故に失敗を糧とし、成長する事が出来る。その大きな力の『正しい』使い方を学び、生活をして欲しい。ここは、『力』の為の学園である。これを肝に命じておいて欲しい。」


と言った。

校長はそれで言いたい事を言い終わったのか、ステージから降りて教師達の席に向かう。

校長の挨拶に新入生は、それの意味を深く考え噛み締める者、これからの学園生活を考える者等様々であった。しかし、その中に校長の話を適当に聞き流していた者は一部例外を除きほとんどいない。校長は、あるものには意外な出来事によって、あるものには自分と獅子の威圧感によって、この式場を支配して行ったのだ。それからの式は、厳粛に、滞りなく進んだ。


場は、それぞれの教室に変わり。

生徒は、担任、授業の説明、自己紹介等を挟んで食事となり、教室で散らばっている。

そんな中で、一際目立ち喧騒な雰囲気、というよりも険悪な雰囲気を放つ集団があった。

それは、勾輝、夕華と他に主に二人とそれを取り巻く集団がいる。

その主な一人は、黒髪の腰に届かんばかりのロングで、その艶のある髪でカリスマ性を備えた美しさを誇っていた。もう一人は、茶髪を短めに纏めており、少しおとなしいイメージを感じる容姿をしていた。

その二人を取り巻くように少ないとは言えない人数が囲んでいた。

その二人と集団は、怒りを含んだ眼差しで勾輝達を睨んでいる。

茶髪の少女―水原穂香(みずはらほのか)―が口を開いた。


「あなた、ここにいらっしゃる西園寺美鈴(さいおんじみすず)様がペアを組もうと仰っているのにその態度は何なの!!」


怒りによってかなりの声になっていて、少し耳に響く。


「私は勾輝と組むって、何回も言ってるんだけど。」


落ち着いた声で夕華が返す。しかし、水原は更にムキになっているようで全く落ち着く気配が無い。


「だから、そんな奴と組むくらいなら、西園寺様と組むべきだと言っているんです。」


勾輝は、そんな奴呼ばわりされるのは流石に酷くないか、と思って眉をひそめる。そこで一言言おうとするより先に夕華が、


「勾輝の事何も知らない人が、勾輝の事を悪く言わないでよ!それにそんな人が言う事なんて聞くわけないでしょ。」


と言う。

これに、勾輝、西園寺は、無言である。

但し、勾輝は自分が口を挟まない方が良いと思って静かが、西園寺は自分は動きたくないのだろう。怒気を放っているが。

今、周りの雰囲気は限界で爆発寸前だろう。


「だいたいその人の事なんて知らないし。」


そこに夕華が爆弾を投下した。


「ふざけやがって!」


案の定頭にきたのか取り巻きの男が魔術を発動した。

それは降霊術だったようで石像が出現した。


「やれ!!」


石像が動き夕華に右腕を降り下ろす。

そこには、先程と変わらない様子の二人がいた。

石像の腕は、何も無い空中に壁があるかのように、弾かれた。


「なっ…」


男は、それ以上言葉を発する事が出来ず、後ろに弾き飛ばされて昏倒していた。

石像の腕を空中で弾いたのも、男を弾き飛ばしたのも勾輝がしたことであった。

石像の腕を弾いたのは、勾輝による空気をその場に固定する魔術による障壁である。男を倒したのは、空気塊を作りぶつける魔術である。

男が驚いたのは、不意討ちのように攻撃を加えて、それなりに力が込められた石像の腕をあっさり弾く魔術が瞬時に発動された為である。


「手荒な事はやめて貰おうか。」


先程までとは全く違う攻撃的な威圧感すら纏った勾輝の様子に、西園寺は慌てて、


「今日の所は、諦めて違う人を探すわ。」


と言って足早に去って行った。

来週中には改稿の二話を投稿します。

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