第八話 「伊豆沖=対潜艦隊 9月8日―Day+7」
ほとんどが説明文のような間章です。
今まで出番があまりなかった海上と海中についての説明になっております。
※ 本作はフィクションです。実在の人物・団体・国家などとは一切関係ありません。
――西暦201X年9月8日 日本列島 伊豆半島 下田沖
艦隊は輪形陣を形成して航行していた。
外周を地方隊から抽出したDEと呼ばれる小型のフリゲート艦や「高波」型を中心にした汎用駆逐艦群が固め、内周には汎用護衛艦の対空型である「秋月」型や、いわゆるイージス艦であるミサイル駆逐艦「金剛」型、そして対潜空母ともいうべきヘリ空母「日向」型とその拡大型である「扶桑」型が位置している。
周囲は間断なく厚木基地から発進した哨戒機P3C「オライオン(オリオン)」が巡回し、時折上空にはシャープな格好をした戦闘機が飛来していた。
すべてを見渡すことができるのであればさぞかし壮観であろう。
しかし、それはできない。
天候が晴れであっても水平線という物理的距離の問題があるためだ。
ミサイルなどの誘導兵器が主力をつとめる時代にあってはかつての太平洋戦争中のように有視界の範囲に軍艦が密集するようなことはできない。
そうすればその分距離が近づきすぎ、超音速で飛来するミサイルに対応する時間が限られてしまうのだ。
音速の3倍近くで飛来する最新の対艦ミサイルなど、1秒で1キロも進んでしまうのだから当然ともいえる。
日本国防海軍においては戦時の1艦あたりの距離は最低でも3キロほど離れることになっている。
そのため、艦橋などといった水面から高い場所からみても輪形陣の全体像を把握することは非常に困難であった。
しかし、そんな状況にあっても輪形陣の中央部からはその片鱗をうかがうことができる。
中央を構成しているのは、一般にも「見栄えがいい」艦艇ばかりであるし、輪形陣というのは中央部の重要な艦艇を守るために存在する。
つまり中央部ではそれだけ大型で重要な艦艇が密集しているという証左でもある。
事実、国防海軍が輪形陣の中央部に排していたのは同時多目標迎撃能力に優れたイージス艦「金剛」型4隻と、一見して空母であるヘリ空母「日向」型と「扶桑」型の4隻だ。
ヘリ空母といっても侮ってはいけない。
昨年の改装によってその飛行甲板には耐熱塗装が施されており、「扶桑」型などはスキージャンプと呼ばれる固定翼機の発艦に必要な設備すら設けている。
ようやく旧式機からの代替がはじまったばかりのF35戦闘機B型を用いれば限定的ながらもS/VTOL(短距離・垂直離着陸機)空母としての運用すら可能であるのだ。
もっとも、肝心のB型はいまだに生産国であるアメリカですら配備がはじまったばかりであるし、国防空軍が保有するわずか数機のF35もA型といわれる陸上機型に過ぎない。
こうした問題を解決すべく国防軍は野心的な計画に基づき、このヘリ空母たちに「攻撃力」を与えることに成功していた。
「発艦用意。」
航空機運用のために右舷側に寄せられたアイランド(島型艦橋)の後部には、航空機運用を統括する航空管制室が存在する。
そこから、艦上に向けて指令が飛んだ。
洋上での航空機運用は着艦の方が難しいためにこうした管制室はえてして艦尾を見やすい位置に存在している。
そのため、「扶桑」のサイドエレベーターに載せられて飛行甲板に上がってくる「それ」はよく見ることができた。
のっぺりした形状である。
全長は11メートルほど。洋上迷彩色である群青に塗られ、ずんぐりしたボールペンのような胴体の左右には二重デルタ翼(三角形を二つ組み合わせた翼)である主翼と水平尾翼が突出し、機体後部には垂直尾翼があるという基本的な形状はよく見る戦闘機と変わりがない。
しかし、小さい。
そして、普通の戦闘機や支援戦闘機(戦闘攻撃機)であるのならあるはずのものが、ない。
その機体にはキャノピー(ガラス製の風防)と、コクピットが存在していなかったのだ。
三菱AFQ-2「強風」
この機体はそう呼ばれていた。
種類を示す「AF(戦闘攻撃機)」のあとにQという字がついているものは「無人機」であることを示す。
この機体は、空対艦ミサイル2発または空対地(対戦車)ミサイル4発、空対空ミサイル2発を搭載して攻撃を行う能力を有している。
最大速度こそマッハ1.4程度であるものの、国防軍にとっては何より「海上で運用できる」という点こそが重要だった。
戦闘機のような空中格闘戦こそできないものの、空中のミサイル発射台兼偵察ポッドとしての役割は全うできる。
攻撃可能範囲がそれだけ広がるのだ。
ミサイルの射程プラス800キロから1000キロ程度の攻撃範囲は、空母機動部隊のそれと実質的に同等である。
であるからこそ00年代後半から開発が開始された無人機システムの第二世代として就役しはじめたばかりのこの機体は大急ぎで量産が行われていたのであるし、この機を運用するためだけに4隻のヘリ空母の艦首には最新鋭の装置すら搭載されていたのだ。
発着艦表示灯が用意を示す黄色に変わると、飛行甲板に待機していた甲板員たちは小型の車両を用いて「強風」を艦の中央前よりの位置に移動させはじめた。
後方ではエレベーターが動き、次の「強風」を甲板に上げはじめている。
定位置に達した「強風」を甲板員たちは甲板のあるフックに装着しはじめた。
すでにエンジンはアイドリング状態で始動されていた。自動シーケンスに従ってフラップや尾翼の方向舵が左右に動作確認を行い始める。
降着用の前車輪に備え付けられた金具と甲板のフックを固定した甲板員たちは大急ぎで飛行甲板脇にある退避施設へと飛び込む。
すると、表示灯が青に変わった。
管制室といくらかのやりとりをして異常がないことを確認し、ジェットエンジンの高音が発艦レベルにまで高まっていることを肌で認めた甲板員は、スイッチをひねった。
すると、大電流がフレミングの法則に従って「カタパルト」上の機体を一気に加速。
最新の電磁カタパルトで十分に加速された「強風」は艦の中央軸線上に放り出された。
艦首から空中に放たれた時点で「強風」は内蔵されたターボファンエンジンを全開にしている。
すぐに、艦内の多目的室に設けられた操縦装置を動かすオペレーターが操縦杷を動かし、「強風」は力強く空へ舞いあがっていく。
あとはその繰り返しだ。
今回の「強風」が搭載しているのは、主翼の左右パイロンに対潜水艦用の魚雷が2本と、機体下部の海面下を探るセンサーポッド。
磁気探知機と赤外線センサーで構成された簡易型にソノブイ(聴音ブイ)が数本という構成であるセンサーポッドはそれなりに重く、魚雷といっても射程の短い短魚雷でも2本を搭載するのが限界となる。
対艦攻撃時にはこの短魚雷とポッドが対艦ミサイル(ASM)2発になり、限定的な対空任務の際には空飛ぶ対空ミサイルプラットフォームとして短距離空対空ミサイル4発ないしは空対空ミサイル(AAM)2発を搭載するのがこの「強風」の基本構成だった。
無理をするのならもっと搭載できないこともないのであるが、それだとカタパルトに加えて使い捨てロケットブースターがなければ離陸(発艦)できないことになるからめったなことでは行われない。
「フォックス・シルバー(FS=扶桑搭載機)3-3および3-4発進。続いてフォックス・シルバー2-1および2-2の収容作業に入ります。」
管制室ではルーチン通りに収容と発艦のローテーションが行われていた。
対潜短魚雷を搭載していることからわかるように、ここ1週間ほどの間日本国防海軍は対潜作戦を主として実施していた。
というのも、南西諸島と南九州が敵占領下に入ってから、中国海軍の潜水艦隊が活発な活動を行っているためだ。
その戦力は通常動力型潜水艦80隻近くに加え、原子力潜水艦8隻、これらの大半が日本近海へ出動し攻撃の機会を狙っている。
海底の定置ソナーが知らせるまでもなく、その状況はすでに既知である。
かつての太平洋戦争において自国を飢餓状態寸前にまで追い込んだ潜水艦による通商破壊という悪夢が再現されるのを日本側は恐れた。
そのため、日本側は世界第二ともいわれるその対潜水艦戦闘能力の大半を海中に向け、これまでに多くの敵潜水艦を屠ってきている。
どういうわけか中国海軍の潜水艦隊は商船には目もくれず、巡視船や軍艦には貪欲に食らいついてきた。
大物狙い。
かつて旧帝国海軍の潜水艦隊が犯した悪弊だった。
開戦初頭に撃沈された3隻の軍艦のうち2隻は、そうした潜水艦の仕業だったのである。
国防海軍はこれを利用することにした。
見目麗しい大型艦を集め、潜水艦をおびき寄せるエサにすることにしたのだ。
躍り食いしたくなるような大型艦がひしめく大艦隊。
陸軍に比べて金食い虫でありながらも目立った成果を上げていない中国海軍にとっては涎どころか喉から手が出るほど魅力的な獲物だ。
しかし、それは死の罠。
創設以来対潜哨戒をその任務としていた海上自衛隊の後身である国防海軍はわざわざ寄ってくる潜水艦を見つけ次第叩けばいい。
――かくて、海上に集結した国防海軍の大艦隊は、100機近くの対潜哨戒機を周囲に侍らせつつ、潜水艦狩りに狂奔していたのである。
まずは海底や港湾に配備された定置ソナー群が南西諸島沖から海上に進出する敵潜水艦群を探知。
続いて高速を誇る陸上配備の対潜哨戒機が海中に潜む敵潜水艦を磁気探知機で探知しソノブイで位置を特定すると、それを受けた洋上のヘリ空母群から無人攻撃機が飛来する。
そして頭上から対潜短魚雷が降り注ぐ。
もしもこの攻撃をかいくぐって目標である日本艦隊に接近できたとしても、こんどは水上艦から対潜ミサイル「アスロック」の雨が待ち構えているのだ。
しかも一昨日からは日米安保条約にのっとった米軍参戦に伴い、本職の空母機動部隊までもがこの潜水艦狩りに加わっていた。
冷戦時のソ連潜水艦群を相手にすべく磨き上げられた戦闘集団にとっては、旧式化した沿岸用通常動力潜水艦と少数の原子力潜水艦など獲物に過ぎない。
警戒すべきであるのはロシア製のキロ級やそれを基本とした新造潜水艦だったが、数は知れている。
さらに中国海軍にとってたちの悪いことに、北海艦隊と東海艦隊――いや南京軍区と瀋陽軍区の意地の張り合いは現場の潜水艦たちを数十隻単位で飽和攻撃というように組織だって行動させることを困難にしていた。
つまるところ、中国海軍潜水艦隊は五月雨式に獲物を献上しているようなものだったのであった。
「フォックス・シルバー2-3、圧潰音確認。目標撃沈。」
――太平洋沿岸に集結した日米の大艦隊に対する攻撃は、潜水艦が主体となって行われ、いたずらに損害のみを積み重ねていった。
中国軍にとっては、南九州に展開する占領軍という極上のエサに対し日本側が食いつくのを待っている形であったのだが、米軍参戦によって「3000トン以上の大型艦だけでも60隻以上」という常軌を逸した数に増えつつあった日米艦隊に対し恐怖が勝ったのである。
それでも、上陸橋頭堡に対していつか行われる強襲に備えて中国軍は威力偵察と銘打った主力艦攻撃を続行していた。
しかし――
いつかくる逆襲の時を待って雌伏の時を過ごす国防海軍と提督たちを描いていたと思ったら、「対潜無双」になってしまった…
解せぬ…
明日の更新は未定です。
【用語解説】
「高波型」――2003年より就役を開始した汎用護衛艦(駆逐艦)。
むらさめ(村雨)型護衛艦の改良型として建造された。
外見上の違いはあまり見受けられないものの、高速化されたデータリンクシステムや戦術コンピュータ、VLS(ミサイル垂直発射管)を対空用と対潜用で共用化しているなど質的な強化がなされている。
同型艦は5隻。日本製駆逐艦の常として対潜能力を重視しているが対空戦闘能力も高い。また、ステルス設計を取り入れた最初の日本艦でもある。
全長151メートル、満載排水量6300トンと大戦中の軽巡洋艦に匹敵する大きさとなっており、大洋で作戦する米海軍を除けばこのクラスが「汎用」として量産されている日本の海上戦力の強力さを示しているともいえよう。
国防軍設立とともに駆逐艦に種別変更。なお、国防軍艦艇はいずれも艦名を漢字に変更している。
「金剛型」――旧称イージス艦「こんごう」型。
日本初のイージスシステム搭載型ミサイル護衛艦として1993年に就役した。その真価は搭載されるイージスシステムで、同時に300以上の空中目標を識別し同時に5発以上の対空ミサイルを誘導してミサイル飽和攻撃を迎撃するという能力(初期型)を持つ。
21世紀初頭からは弾道ミサイル防衛システムの一環としての改装が施され、宇宙空間から飛来してくる弾道ミサイルを迎撃できる能力も持つに至っている。
全長161メートル、満載排水量7250トン。
作中では改良型の「愛宕」型は弾道ミサイル防衛のために本土に残留。
「日向型」――ヘリ空母(CVH181型)。かつてはヘリコプター搭載護衛艦と呼ばれた。旧海上自衛隊護衛艦としてははじめて艦体中心線を飛行甲板が貫通する全通式甲板を採用し、最大11機のヘリコプターを搭載できるなど前級の「はるな」型をはるかに上回る能力を持つ。
ただし個艦防空用にVLSを装備するなど次級の「扶桑」型のような純粋な空母とは言い難い。
作中においてはF35戦闘機の導入に伴いS/VTOL空母化も検討されたものの艦体の大きさから断念され、そのかわりUAV(無人機)母艦としての能力が付与された。最大搭載機数は8機。
改装点は着艦ワイヤの設置と軽電磁カタパルトの設置など。
「扶桑型」――CVH-183型。旧称ヘリコプター搭載護衛艦「ふそう」型。進水直後に国防軍が設立されたため即座にヘリコプター空母へと艦種が変更されるという珍事が生じている。
作中では対中軍事緊張の増大からS/VTOL空母化が構想され、艦首斜線上にへスキージャンプが追加され、UAV用カタパルトが艦首部にかけて設置された。突発的な開戦に伴い艦載機になるはずだったF35B型はまだ納入されておらず、現在はUAV母艦兼艦隊旗艦としての役割を果たしている。
全長248メートル、満載排水量29600トン(改装後)と旧帝国海軍の「瑞鶴」型航空母艦に匹敵する大きさを誇る。
UAVは最大20機搭載可能。
作中では本格的な固定翼機搭載型の航空母艦(6万トン級)が計画中で予算も成立済みであるが、平和友好党(第五話参照)などからは予算の無駄と批判の声が大きいうえ、三連動大地震発生という現状から今後は不透明である。
「P3C『オライオン』」――国防海軍の主力対潜哨戒機。冷戦時は200機近くがソ連潜水艦隊に対しにらみをきかせていたが、冷戦終結にともない機数が削減され、後継機の国産機P-1の増加とともに順次退役していた。作中時点では機体延命にともなって退役をとりやめ全体機数を増加する方針がとられ、70機ほどが現役である。
「対艦ミサイル」――空対艦ミサイル(ASM)と艦対艦(SSM)が存在。今作において最新の対艦ミサイルはASM-3で、最大速度マッハ5を誇る。固体ロケットブースターで加速し、燃焼終了後の空になったブースターをラムジェットエンジンとしても利用する方式をとっている。弾頭重量は高性能炸薬250キロほどである。
重量があるため、作中のUAV「強風」では2発しか搭載できないが、F-2改支援戦闘機では4発、P-1哨戒機では最大10(機首爆弾倉に2)発の大量搭載が可能となっている。
「F35」――アメリカ製の第5世代ステルス戦闘機。
ベストセラー戦闘機であるF16戦闘機を代替しつつ海軍や海兵隊の要求を満たそうとしたうえ、開発を国際共同で行ったために開発が遅れ価格の高騰を招いた。しかし性能は高く、ステルス機であるため善し悪しである。
作中では日本にはA型の空軍型と、垂直離着陸が可能な海兵隊型ことB型が導入されているが、機体納入の遅れからA型が数機存在するのみである。
「島型艦橋」――全通甲板の邪魔にならないように片舷側に艦橋を寄せ、横から見るとまるで島のように見える艦橋。作中においては前艦橋とレーダー用マストが一体化し、その後方に煙突、後部艦橋(航空機管制室)と続く。
「サイドエレベーター」――航空機やヘリコプターを飛行甲板に上げるエレベーターを甲板の中央ではなく艦の舷側に設けたもの。
エレベーターの上げ下ろしで航空機の運用を邪魔しないようにこのような形をとっている。
舷側に大きな穴をあけるようなものであるため、荒天下は一段低くなっている格納庫に海水が入らないようにシャッターがおろされるようになっている。
「三菱AFQ-2『強風』」――国防海軍初の無人戦闘攻撃機。戦闘機というよりは空中のミサイル発射台として開発された。
基本となったのは2009年に初飛行した無人機TACOM(全長5メートルほど)で、これを基本に先進技術実証機(2015年初飛行)の開発の成果やすでに運用されていた無人ヘリ運用システムのデータをフィードバックして機体を大型化するなどして開発された。
海外における無人機が安価な戦力であるのに対し、「強風」はある程度は安価ではあるがあくまでも小型の艦載機として作られた。
ステルス性能はオミットされているが、その分飛行性能の改善や兵装吊下パイロン4ヶ所の設置など一定の攻撃力を保持できた。
作中前年初頭に初飛行し、対中緊張の増大から大急ぎで量産が行われた結果先行量産型を含めた27機が作戦に投入されている。
「電磁カタパルト」――当初は将来の航空母艦用に開発が行われていたものだが、その性能を小型のUAVに限定することで強引に実用化されたもの。日本が世界の最先端を走る超電導磁石を用いたもので、小型であるが高出力。ただし大型化は難しい。
作中においてはUAV母艦計画に伴ってヘリ空母に設置された。
「フォックス・シルバー」――艦載機の識別用につけられた接頭辞。
FSの略だが、戦闘中に言い間違えないように頭文字に特定の単語をつけるという米軍の方式を踏襲している。これは共同作戦の都合上の措置である。
そのため座標と間違えないようにフォックスロットではなく「フォックス・シルバー」と言い換えられ若干本末転倒気味となっていた。
「圧潰」――水圧に負けて潜水艦が押しつぶされること。
潜水艦は魚雷や爆雷が命中すると圧潰を起こして沈没する。
「3000トン以上の大型艦だけでも60隻以上」――大洋の中央部で作戦するのでなければ1000トン程度のコルベットと呼ばれる小型艦でも十分である。しかし、日本の駆逐艦群はいずれも満載排水量が5000トン以上と大型で、良好な航海性能と長期海上作戦性能を有している。大型であるということはともすれば沈めにくいということでもあり、また多数のミサイルや防空システムを搭載することができるということでもある。
攻撃力はより小型(3000トン級)の中国海軍艦艇と同等とはいえ、その真価はこうした目の見えない部分に出ている。