057⚫️戦争と疫病
南の大陸を統べる、エイン・ファルマ王国。
一代で統一という偉業を成し遂げた前王エルドラン。
その生涯は戦闘・策略・謀略の連続であったと言える。
王位継承に伴うクーデターは、現王レグナスによって成された。
さらに北の大陸への長征の継続は、民衆に過酷な負担を強いることとなった。
その後、レグナスの方針転換により、
ようやく国民の日々の生活が安定し始めた時、
疾病の蔓延という恐怖が国を襲う。
戦争と病の流行。
どちらかを選べと言われたら、わたしはどうするだろうか。
戦争は紛争国のどちらか一方が継続を断念すれば、戦闘状態は終わる。
しかし、終結後も国家間・国民間に禍根を残すことが多い。
これに対して疾病はどうか。
流行の病に対して、教訓は残すことがあっても、
明らかな恨みを残すことは少ないのではないだろうか。
相手はヒトではない。従って敵意を向ける顔も浮かばない。
だが、疾病こそが老若男女を選ばず命を刈る。
歴史を振り返れば、病による死者数は戦争によるそれをはるかに上回る。
神に祈りを捧げても、参った、と宣言してもその猛威は止まらない。
ただ、明らかなことがある。
戦争も疾病も、人類がその対応を見誤らないことが重要であるということだ。
噂や思い込み、勝手な偏見が解決を遅らせる。
何かをなじり、誰かの責任を問う姿勢では、状況は好転しない。
今、その世界線のその時間軸にいるレグナスが戦う対象は
疾病だけではなかった。




