027⚫️AIの回答をどうするべきか
ヤオにどう告白したらいいんだろう。
I love you・・・うぅん、これじゃあ、味気ない。
そうだ!AIに聞いてみよう。
ビリーは大きな青いボートを係留しているハーバーの近く、
自分用の邸宅で端末に尋ねる。 その答えは以下のようである。
『親愛なるビリー。彼女の心を射止めるには、洗練された愛の言葉は無力です。中身のない“綺麗で豪華な箱”を差し出しても、彼女は首を傾げるだけでしょう。
彼女が求めているのは、言葉の装飾ではなく、この世界で生きていくための温かい“実質”です。
そこで、以下の告白プランを提案します。
”I love you”と囁く代わりに、彼女が持ち帰った大量のソイビーン食材を、あなたの手で最高の料理に仕上げて食卓に出すのです。
湯葉を優しく引き上げ、出汁の効いた味噌汁を淹れ、 「これからも、オレの作った料理を毎日食べてほしい」 と、実質的な胃袋の占有を宣言してご覧なさい。
食は万里をこえます。 そして大豆は世界線をこえて、二人を繋ぐ最強の種となるでしょう』
ビリーは端末の画面を見つめたまま、しばらく呆然と固まった。
僕が頼んだのは、もっと、こう……情熱的で、ロマンチックな、王道なやつなんだけどな。
ぶつぶつと文句を言いながらも、
ビリーの視線は、ヤオがリビングのテーブルにドサリと置いていった「インソタント・ミソ・スープ」の袋へと、吸い寄せられるように向かっていた。
腕をまくる。
青いボートのオーナーであり、豪邸の主でもある男が、
ヤオという一人の女性のために、キッチンでソイソースの小瓶を開ける準備を始めた。
だが、動きが途中で止まる。
イカン!ヤオは Misa といつも言っていたぞ!
「自分で考えることが大切なのよ」って。
なにやってんだあ、僕!
うぅん、一周まわってスタートラインに戻ってきたかあ!




