家出少年
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なんとか家から1km程は離れた。
「ふぅ、そこそこ歩いたな。あ、そうだった」
俺はマジックバックから大きめのコートを取り出し羽織る。
「おぉ、値段が高く付いただけはあったな。肌触りも耐久力も完璧だ。」
まぁ、主な理由は隠れるためだ。念のためにね?
さぁ、あと軽く200kmはあるからなぁ、馬車での移動だな。まぁ、全体的にこの世界の国は小さいのと、魔力因子の影響で馬事態の足の早さと体力が大いのが不幸中の幸いだ。
お、早速馬車を発見‼
「ラッキー、おじさん‼乗せてってよ‼」
俺は全力で御者(馬車の運転手)をひき止める。この機会を逃すわけにはいかない。
「やぁ少年‼どこまでだい?」
「サナチア王国との国境‼ここから一番近い場所にして」
「おぅ!おっちゃんに任せとけ‼早く乗りな」
俺が乗り込むと同時に馬が走り出す。やはり馬の早さが桁違いだな。この世界に魔法因子がなくなったらどうなるのだろうか…そうだ、馬車での移動時間はどうせ暇だ。魔導書でも読むとするか。正直もう内容の殆どを覚えているがなにもしないよりはましかな。
「そういえば少年‼」
「な、何ですか?」
この人声でかいよな…
「お前、家出少年だな?」
ギクッなんで、そんなことを…ヤバい‼早く誤魔化さなければ。
「急にどうしたんですか?親戚に会いに行くだけですよ。ハハハ」
「いーや違うね、わしには分かる。何せわしも家出中だからな、ハッハッハ‼」
「ど、どういう意味ですか?家出中?」
「わしもな、若い頃家出をしたっきりなんだよ」
おっと、まさかの仲間だったとはな。
「これから先が不安かもしれないが、そんなことはないぞ‼現に今わしはここで楽しく話が出来てるからなぁ!やると決めたなら諦めるんじゃぁねぇぞぉ!」
「勿論ですよ‼諦めたりなんかしませんよ‼」
「その調子だぞぉ‼家出少年‼」
街をでて何もない野原に、家出途中の年の離れた2人の話し声が響きわたった。
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