お願い
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この段階で、魔法を覚えるためにまず必要なのは親の協力だ。なんとか説得して魔法の練習のできる環境を整えなければならない。早速マリア、いや、母さんに相談だ。
「お母さん?お願いがあるの!」
あまり使いたくないがここは子供の力を使うしかない。ていうか行きなり子供が親に敬語で話しかける方が怖いか。
「なぁに、おやつ?それともおもちゃ?」
メイドと雑談をしていたようだが、なんとか食いついてくれたな。
「ぼくねぇ?魔法の練習がしたいの‼」
自分でしていていうのもあれだが、なかなかに素晴らしい演技だな。惚れ惚れする。
「まぁまぁ、もうそんなことしたいの?偉いわねぇ、よし‼ママがお父さんに今夜相談してあげるからちょっと待っててね‼」
母さんはそう言って俺の頭を撫でる。
意外とすんなりいったな。まぁ相当な貴族だし、お金なんていくらでもあるのかも。それにこの世界の魔法は遊びというより勉強に近い。真面目な子供だと思ったのだろう。
数日後、いつものように書庫で魔法について調べていると、母さんが話しかけてきた。
「ディミィ、着いてきなさい」
言われた通りに着いていくとそこには、見慣れた庭の一部に体育館ほどの大きさの建物ができていた。この速さで完成したことを考えると魔法を使って建築したに違いないだろう。
「ありがとうお母さん‼もう使ってもいいの?」
流石にこれには俺も興奮。もはやここは俺の秘密基地だ。
「もちろんよ‼何かあったらまた言いなさい。パパが帰ってきたらしっかりお礼を言うのよ?」
そう言って母は家の中に入っていった。
下準備はこれでもかという程してきた。さぁ、なんの魔法から試そうか。
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