ご褒美
ゴーレムの頭の上で俺は魔法の呪文をとなえる。俺の使える魔法の中で一番貫通力のある魔法、これはあの部厚い国境の壁をも貫いた。
「超質量氷河砲(氷河+物体縮小+放出)」
ピシャァァン
杖から出た魔方陣から成人男性の身長ほどの円錐が生成されゴーレムの頭に触れた瞬間一気に縦に膨張し始めゴーレムの頭を砕く。しかし、その膨張の勢いでゴーレムの体制が崩れ俺は宙に弾き出され頭から落下する。
そういえばこういう魔法だったな…杖も勢いで落としてしまったし残りの魔力も少ない。前のように無傷では済まないだろう。
「フォーガクッ!!」
エミリスが手を伸ばしてこちらに飛んでくる。なんて気の効く奴なんだ。俺は風の抵抗のあるなかエミリスの方向へ左手を手を伸ばす。
パシッ
なんとかエミリスは俺の手を掴み、血魔法で周りを補強する。エミリスからぶら下がりながら意外と器用なんだなと感心していると、上からエミリスの怒号が響く。
「ちょっとぉ!しっかりしてよ!血魔法使うの痛いんだからね?」
そういえばそんなこと出会ったときにも言ってたな。
「そんな怒らないでくれよ…俺だってしっかりゴーレムを仕留めたし炎の攻撃も何とかしただろ?助け合ったってことでチャラにしてくれないか?」
俺はエミリスをなだめるように言う。そうすると少し不貞腐れながらもエミリスはゆっくりとゴーレムの倒れた近くに俺を下ろす。
ビシャビシャと俺の手を固定していた血が液体に戻り地面に吸い込まれていく。
「なんだこれ?」
近くで良く見るとゴーレムの身体が光の粒子のようになり溶けていく。今まで倒してきた魔物などはこんなことは起こらなかった。何せ魔物は動物とほぼ同じようなものだ。死体が残るのはいたって当たり前で何も特別でないことだ。ということはなにかまた別にこの世界には特別な仕組みがあるのだろうか。どちらにせよ今それを知ったところでどうしようもない。何時かはもっとこの世界について知りたいとは思ってはいるがもう少し余裕ができたらしようかな。
ゴーレムの身体の8割程が粒子となって消えていく姿をエミリスと眺める。
「あ、フォーガクあれ!」
何かを見つけて嬉しいのかエミリスはその場でジャンプを喜びを溢れさせる。エミリスが指を指した所には俺の膝丈より少し小さいくらいの宝箱が粒子が集まって形成されていた。
確かに何か凄いことを成し遂げた時にはご褒美が付き物だ。とはいえ流石にこれは…と思ったがここは魔法に魔物で溢れかえった異世界。何も驚くことは無いのかもな。
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