寝床製造者
「なぁ、エミリス」
俺は眠そうなエミリスに話しかける。そう、俺には1つの疑問があった。
「何?そんなことより眠いよ~」
あんだけ寝てたのにコイツ、と思ったが俺は怒りを沈め再び話しかける。
「ステュムパリデスと戦った時みたいにさ、俺を掴んで空を移動したり出来ない?そしたら早く移動できると思うんだけど」
エミリスの動きが固まる。あ、もしかしてコイツ、出来るのにめんどくさいからって黙ってたんじゃないだろうな。だとしたら相当ヤバイぞ。
「あ、そんなことより!!そろそろ日もくれてきたし?」
夕焼けを指差しエミリスが言う。うん、話そらしたなコイツ。まぁ、無理に俺を運ばせるのもなんか嫌だし見逃してやるか。
食事を済ませた俺達はいつも通り土の穴にはいる。密かに俺の趣味となっていた寝床造り。旅を通して俺は様々な研鑽を積んで寝床造りを極めてきた。そして今回の寝床はかなりの自信作だ。土魔法をうまく使って硬い土で周りを補強したため土が崩れにくいし深さもあるので自由に穴の中を行き来しやすい。エミリスにも見た目だけだが高評価を頂いた自慢の一部屋だ。ということで俺も早速寝ていく(エミリスは既に寝た)。うーん硬い土を使ってるから寝こ心地はいまいちだな、俺としたことが、まだまだ改良が必要そうだ。俺はこうしてプロの寝床製造者としての道を極めるのであった。
一週間は足っただろうか、オークにゴブリン、オーガ、ステュムパリデス、メタルアント(硬い蟻)、アンピプテラ、デカイ狼みたいな魔物。今回も含め旅の中で色々な魔物と戦ってきたがここまでデカイ魔物は始めてみた。
グゴォォォン!!
山のような大きさをしたゴーレムが俺の行く手を阻み雄叫びをあげる。全身は苔むしていて何本か木が体から生えている。コイツの体で新しい生態系が存在していてもおかしくないレベルだ。
フゴォォ!!
ゴーレムが俺を睨むと俺の足元に赤い魔方陣が出来る。嫌な予感だ。俺は一応その魔方陣から離れる。
スドォォン
魔方陣の枠があった場所から高さ6メートルほどのところまで円錐状の土が飛び出る。もし少しでも回避が遅れていたら…
「エ、エミリス?お前は危ないから空から戦えよ?俺は地上で頑張ってみるから」
二人ともこれに串刺しにされるなんてたまったもんじゃないからなリスク分散だ。
エミリスは大鎌を、俺は久しぶりに杖を構える。こんなところでやっと掴んだ自由な人生終わらせてたまるか。
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