よくだべる
数十分が経って全ての注文が到着。
「しかし、すごい量だな…」
ローストラッドチキンは大きいヒヨコの丸焼きのような見た目だが耳が付いているのが特徴的だな。けどそれ以外は普通の刺身と鶏肉。刺身は醤油と生姜のような物が付いてきた。そして一番の異端料理、ラズベリーボアの血のミルク割り。色はイチゴミルクそのものなのだが正体は血なのか…ウェ
しかしよくこんなもの食べるよな。異世界人怖い。と今までなら思っていたかもだが今回の俺は一味違う。
そう、俺は今日オークを食べる。食卓に並んでいる少し大きめのサンドイッチを俺は見つめる。見た目は普通の黒パンで出来たサンドイッチ(この世界に食パンはまだない)。よく大人は食わず嫌いはよくないというが、俺はそんなことはないと思っている。虫とかならまだしもこれはオークだ。しかし注文したからには食べるしかない。けど、やっぱり抵抗が…
俺は遂に意を決してオークのサンドイッチにかぶりつく。
「ん、んん?あれ、意外といけるぞこれ」
結構ビビって咀嚼するのもためらっていけどよく味わうと決して不味くはないな。けど、うまいかっていわれるとそうでもないって感じだ。貴族の時に食べていた豚とこれなら俺は普通に豚を選ぶな。オークの肉は後味に少し肉肉しい臭みがある感じが好きじゃないな。
「ね、ねぇ」
エミリスが話しかける。しかし目線の行く先は俺ではなくサンドイッチ。
「あ、あぁわかったよ一口だけだぞ」
俺は食べかけのサンドイッチをエミリスに渡す。すると…ガブリと大きく口を開けてエミリスは残りの俺のサンドイッチの半分ほどをかっさらっていた。いやいや嘘でしょ…
「おま、そんなに食べるんだったら自分の食べてからにしてくれよ…」
俺がそう嫌味をいうとエミリスはキョトンとして答える。
「え?もうそれなら食べ終わってるけど?問題ないよね?」
おいおいおい、冗談はよしてくれ。
俺は重い頭を動かしテーブルの上を見る。確かにエミリスの言う通り、皿の中身はすべてなくなっていた。しかも俺のサンドイッチの10倍は量があったというのにだ。たくさん寝てたくさん食べる。頼むからそんなことは子供の時だけにしてくれ…
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